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汀に何をさせようとしてんのかに、興味が湧いてきたぜ
「あ、おい……――――なんなんだよ、こいつら」
呆れや苛立ち、驚愕と困惑を綯交ぜにしながら孝明の後を追う宗平には、恐怖や拒絶といったものは一切浮かんでいない。それにも孝明は満足を得たようで、立ち止まって彼が横に来るのを待ち構えた。
「共に旅をするのが、嫌になったか?」
「ならねぇよ――むしろ、アンタが何者で、汀に何をさせようとしてんのかに、興味が湧いてきたぜ」
「そうか……ならば、良かった」
「なんだよ。――ああ。もしかして、おれが怖がって逃げ出すんじゃねぇかと、心配になったのか? 安心しろよ。寂しい思いは、させねぇからさ」
「なんだ、それは」
「ん? おれが居なくなったら、寂しいだろう。汀も、アンタもさ――」
「馬鹿を言え」
「照れるなって。素直になれよ」
「照れてなど――」
「おう、帰ったぞ汀! たっぷり山菜を採ってきたからなぁ」
「あっ――孝明、宗平! さっき、変な大人がやってきて…………」
男二人に襲われたことを説明する汀に、そうかそうかと笑みを浮かべて頭を撫で、話を聞きながら共に井戸端へ行き山菜を洗い、鍋の支度を手際よくしていく宗平の様子に目を細め、思うよりも良い拾い物をしたものだと、じゃれあう汀と宗平を見つめる孝明の目には、ほんの少しの痛みが鈍く疼いていた。




