3:巣窟での発見
あ〜、朝だわ。布団に入ったまま時計を確認する。
7時半。ウチのガッコの門限は8時だ。
カンッペキに遅刻。いこかどーしよか迷う事5分。
行っとこう。いちお。
やっとの事でふとんから出て1階に下りる。
この時間にはもう母さんは仕事に出ている。(親父はいつもいねぇ)
適当になんか食うかと思って冷蔵庫を開けるが、まともな食材は見つからなかった。
きのーのアイスはなんだかんだ言って俺全部食っちゃったし。
そこまでビンボでもないだろーに。
しゃーない、あきらめよう。
手早く制服に着替え家を出る。
コンビニの前を通り駅前に出る。
結構な田舎なんだが、ここだけ妙に開けている。
他のトコよりまぶしいのは気のせいでもなんでもなく、ここにパチンコ屋があるからだ。
いわばほほほ妖怪のアジト。
そういやあのあと親父どーなったんだろーなっと思いパチンコ屋をのぞいてみる。
お、やっぱいたいた。なんか、隣のヤツとはなしてる・・・?
こんな平日の朝からパチンコなんて、悲しいオッサンたちだ。
俺がパチンコ屋をのぞいてっと、近所のおばさんがロコツにいやなカオをしてあるいてった。
ふむ、そろそろ行くか、と照準を駅に合わせかけたとき。
なにかがひっかかって、もういちど親父たちに向き直る。
あいつ。
親父と話してるあいつ、何か見たことがある気がする。デ・ジャウ゛ってやつか?
一旦話をやめ、台に向き直ったその横顔。
え。
信じらんねぇ。あいつが、パチンコ?
正直、素で驚いた。
楽しそうにパチンコしながら、親父と笑うその男。
それは、他の誰でもない、
ビビリ数学教師、青田だった。