人の感性はそれぞれ
意識がはっきりした時、俺の視界に真っ先に入ってきたのは外国の城のような装飾がされた部屋だった。
「…どこだ、ここは」
(光り物が多すぎて目がチカチカする…)
普通の人が考えるのはそんなところではないのだが、兎の思考の優先順位は命、体、友、時間という、順番である。なので、目…つまり体に害を与える可能性のある部屋の装飾に思考が偏った。
…頭にうさ耳が生え、体が小さくなるという体がとんでもなくへんかしているということに気づかずに。
「わ、!!どこだここ!?」
「なに!?」
(さっきのリア充どもか…。あれ!?そういえばここどこ!?ユッキーは!?)
「…なんか面白い」
(あ、いた。人が慌てる姿見て笑ってる)
「ユッキー、趣味悪いよ」
「…人の感性はそれぞれ」
全く…言い訳がうまいんだから…って!?
「誰だ…!!」
なんだかよくわかんないけどこの身長180くらいの男とユッキーを何故間違えた俺!
「今さら…?」
「へ?…ユッキー?」
な、なにがあったらこんな短期間で成長するんだ!?…まさかこれが噂の成長期!?おそろしい…恐ろしいぞ成長期!!
「…兎は相変わらず自分のことに鈍感」
ん?どうゆうことだ?俺は、健康管理はちゃんとしてるし、そういうことには敏感なんだけど…。
!?体に隠れてよくわからなかったがユッキーの頭に猫っぽい耳が!!
「ゆ、ユッキー頭にケモミミが!」
「…モフ助と合体した…」
が、合体だと…!?変なポーズを左右対称にとるでもなく、耳に変なイヤリングを付けずに合体だと…!?
「ゆ、ユッキー…恐ろしい子!!」
「よくぞ参った勇者よ‼︎」
?背後で声が聞こえ振り向いた先にいたのは、50歳くらいであろう白い髭を生やした男、その妻のような女性、髭の男の部下のような中年男性、そして10代なかばの少女だった。
…そしてこんな場面で兎はある思考に行き着いたと同時にその考えを大声で口にした。
「…ここはどこだ!!」