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黒神は異世界で異種族ハーレムを作る  作者: kaito
第1章 やっぱ異世界といったらケモ耳のおんにゃの娘だよね!!
23/23

20 黒神の少年はヒュマノス王都へ行く

Sideカイト


 翌朝、フカフカの布団から俺とハクは、二人で一緒に出て顔を洗い、身支度を整えてから朝食を取った。

 朝食もみんなで一緒に取るようだ。

 傍から見ればさも本当の家族のような雰囲気を醸し出している。

 ・・・らしい。

 朝食後に食器を片付けていたメイドさんが言っていた。

 神様になってからは身体能力も軒並み上がったため、意識すれば壁の一枚や二枚では音が遮断されることは無い。

 ・・・これは盗聴ではない。

 断じて違うと主張する。



 朝食後のお茶を飲みながらリラックスしていると、ダグラス叔父さんが席を立った。

 どうやら馬車が来たらしい。

 今の時刻は11時だ。

 いささかお早い到着だ。

 

「少し早めに馬車が来てしまったようだが・・・。カイト君もう行くかい?」


 ダグラス叔父さんがそう尋ねる。

 俺は膝の上に座っているハクの頭を撫でながら答える。

 ・・・あぁ、いい匂いで気持ちがいい。

 じゃない。


「そうですね、やる事もありませんし、行きますよ。」


 そう言いながら席を立つ。

 いつまでも叔父さん達に迷惑かけられないからな。

 旅支度はもう済ませてある。

 というか、そもそもする必要がない。

 便利な時空魔法の中に必要なものは常に入っている。

 それに、いざとなったら俺の魔法を使えば飲水は確保できるし、狩りに行けば食料確保だって行ける。

 ちなみに動物の捌き方はギルマスのおっさんに教えてもらった。

 なんでもギルドに入った者には無料で講習なんかをやっているらしく、俺も暇なときに受けに行った。

 ・・・おっさんばっかの講習だったので、話の内容は割愛する。

 色々なサバイバル術を覚えたとだけ言っておこう

 と、まぁいつでも準備okってことだ。


「じゃあ行ってきます。」


「行ってきま〜す。」


 玄関まで見送りに来てくれた叔父さん達に俺たちは挨拶をし、馬車へと向かった。


「なにか困ったことがあったらいつでも連絡をおくれ。」


「怪我とかしないように気を付けるのよ。」


 叔父さんと叔母さんがそう言って手を振ってくれた。

 ハクはもうブンブンと音が出るのではないかというくらい力一杯振っている。

 それがどうも可愛らしくてつい笑ってしまう。

 俺も負けじと手を振る。

 ・・・なんかこう言うの良いな。

 何がいいと言われると具体的には説明できないけど、心が温かくなるとか・・・そんな感じだ。

 家族。

 ずいぶん久々にそれに触れた気がする。



 馬車は噴水の前に止まっていた。

 今は冬なので水は出ていないが、もし出ていたのならファンタジーな雰囲気を醸し出していたのではないだろうか。

 ・・・あ、そう言えばなんでここの家の庭には花が咲いていたのだろう?

 メイドさんに聞いてみたところ。


「企業秘密です♪」


 はい、笑顔を頂きました。

 ありがとうございます。

 そしてゴメンナサイ。

 謝りますから腕をつねらないでくださいハクさん。


「そろそろ出発するぞ・・・どうした?」


「な、何でもない。いくか。」


 カレルは先に馬車の中に居たようだ。

 疲れはすっかりなくなったようで、元気そうだ。

 今の問は、俺が必死にハクを撫でているのを不思議に思ったのだろう。

 ここは適当に誤魔化す。

 ちなみにハクは俺のナデナデ攻撃でko・・・俺の腕にひっついて離れなくなった。

 と、まぁ色々あったが無事出発できたので良かったとしよう。

 ・・・決してハクの胸が腕にあたって気分が良くなったとかでは断じてない。



 王都へは馬車で二週間ほどの距離だ。

 色々と道中が不安なのだが・・・。

 まぁ何とかなるだろう。

 初日の今日はナギルの街を出て南下して2つの村を経由して3つめの村で一晩を過ごすとのこと。

 

「ここは魔の森が近くにあるせいで他の土地より強い魔物が多く生息している。注意してくれよ?」


 カレルはそう言って俺達に話しかけてくる。


「それはゴブリンキングよりも強いのがいるのか?」


「ん?あれは別格だ。Sランクの魔物がうじゃうじゃしているところなんかに街が建てられるか!」


 なんかカレル可愛い。

 ちょっと必死にとまでは行かないが、そんな感じで目を><にしているのは非常に可愛い。

 が、それを俺は表情に一切出さずに。


「そりゃそうだ。まぁあれ以上が居ないなら多分大丈夫だ。俺らのことは気にしなくていいから自分の身は自分で守れよ?」


 と話をそらす。


「分かっているさ。ただ油断しきってると足元を掬われるぞと言いたかったのだ。」


 確かにそうだが、俺は別に油断しているわけじゃない。

 今会話している際中でも気配察知と魔力察知を使っている。

 それに、魔物半径100mに入った瞬間、そこだけに殺気を飛ばしている。

 結果魔物が馬車に近づくことはない。

 って言ったらどう反応するだろうか?

 ・・・うん。

 言わないでおこう。

 万が一のためにシルフはお散歩と言う名の偵察に出て貰っているから。

 それだけは話しておくか。



「・・・お前は精霊を何だと思ってるんだ?」


 何でだ?

 何でカレルに呆れられた!?


「精霊とは神聖なものであってだな、決して小間使いのように扱っていい存在ではないのだぞ?」


「だって自分から行きたいって言ったんだもん。」


「だもんって・・・。子どもかお前は。」


 子ども扱いはやめて欲しいのだが?

 ・・・ちなみにハクはと言うと、俺の膝の上で寝ている。

 今日もハクは可愛いなぁ。

 いつも通り頭を撫でながら今後の方針をカレルと話し合う。

 道中は退屈せずに済みそうだ。



 馬車に揺られながら、俺達は王都への旅路へとついた。

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