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黒神は異世界で異種族ハーレムを作る  作者: kaito
第1章 やっぱ異世界といったらケモ耳のおんにゃの娘だよね!!
19/23

16 黒神の少年は領主に出会う

長らくお待たせいたしました。


本日から投稿再開いたします。


大変申し訳ありませんでした。

Sideカイト


 帰り道は何事もなかった。

 もう三下がまた来ることもないしな。

 気楽なもんだったよ。


 この3日間は俺にとって有意義なものだった。

 というのも、


『カイト〜、遊ぼ〜。』


 ・・・シルフの遊び相手になっていた。

 相手は精霊だ、何をするのだろうと思ったのだが、


『飛びながら鬼ごっこしよ〜』


 という、なんとも可愛らしいものだった。

 ・・・と思うだろう。

 実際俺もそう思ったのだ。

 しかし現実というのは残酷なもので、


『それぇ〜。』


 そんな声を出しながら、シルフは俺の前を飛んでいる。

 ・・・時速100kmは軽く超えながら。

 

 最初は軽くとんでいたのだが、だんだんスピードが上がってきたのだ。

 俺も風魔法の練習になると段々と上げて行ったのだが、いつの間にかこうなってしまった。

 ・・・まぁおかげで風魔法のレベルが上がったがな。

 飛翔の魔法は風魔法の中でダントツに扱いが難しい。

 風をどのように動かせば自分を浮かせたままで居られるか・・・など、他の魔法より精密なコントロールなどを要求されるため、魔法の練習にはもってこいなのだ。

 遊びで特訓できるとは、精霊様様だな。

 とは言っても馬車を飛ばせるわけではないので、遠くに行っては馬車に戻ってとしていたので、普通に3日かかった。


 ・・・ハクがとても羨ましそうな表情で俺たちを見ていたのは非常に胸が苦しかったが、飛翔の魔法は自分自身にしか使えないのでどうしようもない。

 今度お姫様抱っこしながら飛んであげよう。


 転移魔法を使えば良いのだが・・・。

 それでは旅の醍醐味というものがなくなってしまうので、できれば使いたくない。



 と、まぁ色々ありナギルの街へたどり着いた。

 とりあえずはギルドへ報告とカレルが言うので、ギルドへ俺たちは来ていた。


「ミレイただいま。」


「ただいまですミレイさん。」


 俺達は入り口に一番近いカウンターに立っていたミレイに声をかける。


「おかえりなさい。帰ってきてそうそうで悪いんだけど、ギルドマスターの部屋に行ってちょうだい。」


 俺達はカレルを連れておっちゃんの部屋へと移動した。

 おっちゃんは椅子に座って俺たちを出迎えた。


「おう、その様子だと無事に”精霊の涙”を手に入れてこられたようだな。」


「あぁ。」


「カイト殿には助けて頂いてばかりだったよ。」


 ・・・カレルさんや、それはあんたがダメダメだっただけだ。

 おっと、カレルさんがこちらをジト目で見てきた。

 ・・・やはり野生児、感だけは鋭いようだ。


「それと、もう一つ報告がある。」


 俺は三下が盗賊を引き連れて俺たちを襲ってきたことを話した。


「う〜む、アイツラがなぁ・・・。」


 おっちゃんは木の幹みたいな太い腕を組んで、考え込んだ。

 ・・・仮にも自分が責任者をしているギルドに居た者達だ、盗賊に成り下がって、あまつさえ同業者だった者たちを殺そうとしたのだ。

 感じるものがあるのだろう。

 しばらくおっちゃんは考え込んでいたが、ゆっくりと顔を上げ


「・・・すまなかったな。まさかアイツラが盗賊になろうとは・・・。このことはこちらの落ち度もある。本当に済まなかった。」


 おっちゃんは俺達に向かって頭を下げた。

 おっちゃんは俺達に本当に謝罪しているようだ。

 話す雰囲気、話し方でわかる。

 嘘で固められた言葉を何度も聞かされてきたからな。

 それぐらいわかる。


「別に構わないさ。これは俺の問題だからな。それに被害も何もなかったし、気にするな。」


 俺は努めて明るい声で返答した。


「そう言ってくれると助かる。・・・疲れてるとは思うが、俺と一緒に領主の家へ来てくれ。」


 今は昼過ぎ、報告や何やらしてから夕食でも・・・ということらしい。


「ハクは大丈夫か?」


 隣で俺たちの話に入ってこず、ずっと俺の横に立っていたハクに、俺は話しかける。


「はい、私は大丈夫です。それよりもご主人様は大丈夫なのですか?」


 どうやら逆に心配されたらしい。

 なんて優しい娘なのだろうか、ハクは。

 思わず抱きついて頭を撫でたい衝動にかられたのだが、TPOをわきまえてここはやめておこう。


「俺は大丈夫だ、ありがとう。カレルは?」


 続いて俺は、かやの外だったカレルに話しかける。


「私も大丈夫だ。今から馬をとばしても夜までに森は抜けられないからな。今日は休んで、明日の朝にでも出発するさ。」


 ・・・なぜ頭が働く時と働かない時があるのかすごく不思議だ。

 まぁ一緒にいて退屈しないから良いのだが。


「今すぐ行くのか?おっちゃん。」


「あぁ、今日は宿ではなく領主の家に泊まってもらうことになりそうだ。」


 ・・・ヘレナには悪いが、ここはお言葉に甘えようかな。

 領主の家ってのも興味あるし。


「それじゃあ行こうかおっちゃん

。」


「おう。」



 領主の家は・・・家じゃないな、豪邸だな。

 豪邸はナギルの街の中心部にあった。

 中心部には住宅地が密集している。

 このナギルの街は、魔の森という危険地域に隣接している。

 よって住民を守るために、城壁のすぐ近くには農業地や牧場などの人があまり必要でない地域を作り、中心部に向かって、商業地区、住宅街という風になっている。

 ちなみにギルドは農業地と商業地区の間に挟まれるように建っている。

 街へ魔物が襲ってきた時にすぐに冒険者を出動できるようにするためらしい。

 ナギルの街にも兵士はいるのだが、はっきり言って強くはないらしい。

 それならば冒険者を・・・。

 ということらしい。


 領主の豪邸は、外壁は白を貴重とし華美な装飾はない。

 だが、さすがは公爵の豪邸。

 華美ではないがセンスの良い装飾や彫刻があり、とても美しい。

 目の前にはちょっとした広場があり、噴水を中心に円を描くように道がある。

 今は冬なので噴水から水は出てきていない。

 ナギルの街の冬は乾いた北風が吹くだけであり、雪が降るのは魔の森付近だけらしい。

 


 俺達はおっちゃんが用意してくれた馬車に乗り、領主の豪邸へ来ていた。


「ようこそいらっしゃいました。ガイン様、カイト様、ハク様、カレル様。私はこの館の執事長をしております。ウルと申します。どうぞお見知り置きを。」


 俺たちを迎えてくれたのは、初老を迎えたぐらいの執事だった。

 少し細身ではあるが、それでも老いを感じさせないしっかりとした動きで礼をしてくる。

 ・・・雰囲気がどことなく玄さんに似ている。


「主がお待ちです、応接間へご案内いたします。」


 ウルさんが俺たちを豪邸の中へと案内してくれた。

 応接間は玄関の近くに有ったらしく、すぐに着いた。

 ドアを開けると・・・そこには40をこえたかどうかと言うくらいの男性が座っていた。

 男性がどうやらこのナギルの街の領主なのだろう。


「はじめまして、私がこのナギルの領主。ダグラス=ヒュマノスだ。」


 そうダグラスさんは俺に挨拶してきたのだった。

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