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黒神は異世界で異種族ハーレムを作る  作者: kaito
第1章 やっぱ異世界といったらケモ耳のおんにゃの娘だよね!!
13/23

10 黒神の少年は護衛依頼受ける

Sideカイト


 外では小鳥たちがチュンチュンと泣いている。

 ・・・これが朝チュンってやつか。

 俺の腕の中にはハクが幸せそうな顔で眠っている。

 ハクの頬をつついてみる。

 柔らかくハリがあっていつまでも触っていたい衝動にかられる。

 ちょっといじりすぎたようで、ハクが起きてしまった。


「う、うっぅ〜ん。」


「おはようハク。」


 寝ぼけ眼でこちらに目を向けたハクに、俺は優しく声をかける。


「お、おひゃようございまひゅ。」


 呂律が回っていないハクを見て、自然と笑みがあふれる。

 しばらくまどろみの中で過ごしていた。

 ハクに抱きついたり、ハクの頭をなでたり、ハクとチュッチュしたりと・・・。


「ハク、そろそろ起きようか。」


「は、はい///」


 いつまでもこうしていたいが、そうしたら堕落してしまいそうなので自重する。

 俺達は全裸から戦闘服を着て、ギルドヘ向かった。

 

 ギルドの中は人でごった返しになっている。

 早朝に依頼を受けて夕方に帰ってくるのが冒険者の日常のようだ。

 まぁ、俺達が受けるSランクとかは受ける奴が居ないから、昼でも夜でも受注できないなんてことはない。

 しばらく喫茶店のような場所で時間を潰し、ミレイがいるカウンターへ向かった。


「おはようミレイ。」


「おはようございます。」


 ハクは昨日の雰囲気が嘘のように笑顔で挨拶する。


「おはよう二人共。ハクちゃんはなにか良いことでもあったの?」


「はい!」


 宿を出てからというもの、ハクは俺の腕に抱きついて離れない。

 しかもずっと笑顔。

 よほど昨夜のことが嬉しかったようだ。


「それで、俺達が受けられる依頼はないかい?」


 俺は仕事をしに来たとミレイに告げる。

 するとミレイはカウンターの中から依頼書を出してきた。


「カイトに指名依頼が来ているわ。護衛依頼ね。」


「「護衛依頼?」」


 俺たち2人は声が重なった。


「そう、護衛依頼。依頼主はカレル・レンハンス・・・聞いたことのない名前ね。どこかの貴族様かしら?」


 どうやらミレイも聞いたことのない人らしい。


「まぁ、いいか。その依頼受けるよ。ハク良いかい?」


「はい。ご主人様と一緒でしたら大丈夫です。」


 満面の笑みで答えてくれる。

 ハァ可愛い・・・。


「わかったわ。面接とかはないから、明日の朝6時にここに来て。」


「わかったよ。じゃあこれから買い出しだな・・・。アラド商店に行こうかな、ミレイまた明日。」


「さようならです。」


「えぇ、2人ともまた明日。」


 俺達は食料やテントなどを買いにアラド商店へ足を運んだ。

 ・・・案の定対応してくれたのはアラド氏本人だった。


「これはこれはカイト殿、本日はどのようなご用件でしょうか?」


「あぁ、はい。今回護衛任務を受けることになりまして、それで食料やテントなどを買いにきました。」


 アラド氏は要件を聞くやいなや、側に控えていた部下に商品をとりに行かせた。

 テントや寝袋、食料を買いそそくさとアラド商店をあとにした。

 ・・・アラド氏は何かにかこつけて商品を買わせようとしてくるから困ったもんだ。

 だがまぁ物を売るという商人の仕事を全うとしているのでそこまで嫌には思っていない。

 こういうブレない人は個人的に良い人だと思っているからだ。


 さて、色々準備をして、現在は3時くらいだ。

 今から宿に戻ったとしても夕食まで時間があるし・・・。


「ハク、時間余っちゃったし、どこか行きたい所とかないかい?」


「行きたいところですか?」


 ハクはクビを傾げて俺を見てくる。

 何度見ても可愛らしくて仕方がない。

 しばらく俺が見とれていると、ハクが勢い良く顔を上げた。


「わ、私、ご主人様と行きたいお店があるのですが・・・。」


「わかった、行こうか。どこにあるの?」


「え?・・・良いのですか?」


 少し驚いたようにハクが訪ねてくる。


「うん、だってハクが俺と行きたいんでしょう?だったら断る理由ないし、と言うか俺がハクと一緒に居たいだけだし。」


「は、はぅぅ〜///」


 照れて顔が赤い。

 実に可愛い。

 

「それじゃあ道案内頼むよハク。」


「は、はい!」


 顔を赤くしながらも元気よく返事をし、腕に抱きつきながら俺を引っ張っていく。

 しばらく歩くと1つのお店に目についた。

 外見は地球で言うところのパリとかの喫茶店のような感じ。

 テラスの席には多くの女性陣で埋まっている。

 どうっやら女性に人気のあるお店らしい。


「ここのお菓子が美味しいらしいんです。アラド商店に居た時に一緒だった娘から聞いた話なんですけど・・・。」


「へぇ〜。」


 早速店内に入り、空いてる席へ座り注文をする。

 注文はハクがした。

 というのも、字は読めるのだが何分文字だけで現物を把握できない。

 ということでハクに任せた。


「お待たせしました。」


 運ばれてきたのはホットケーキだった。


「ホットケーキか・・・。」


 懐かしい地球の料理。

 だが、ここは異世界だ。

 似て非なるもの。

 外見はホットケーキだが、これは”ポルト焼き”と言い、地球で言うところのじゃがいもに似た物を焼いたお菓子だ。

 見た目はホットケーキなのに芋を焼いたものとはこれいかに?


「ご主人様?お気に召しませんでしたか?」


 不安そうにハクが訪ねてくる。


「いや、そうじゃないよ。だた昔食べてたものにそっくりでね。けど材料が違うから驚いてただけだよ。」


「そ、そうですか。それじゃ早速食べちゃいましょうか。」


「そうだね。いただきます。」


 手を合わせてから食べ始める。


「前々から気になっていたのですが、”いただきます”ってなんですか?」


「あぁ、いただきますっていうのは俺の故郷で、”食料になってくれてた命と、自分のために料理を作ってくれた人に感謝の意味を込めて言う言葉”なんだよね。」


「そうなんですか。ご主人様の故郷はとても良い所なのですね!」


「そうだね、心意気は素晴らしいよ。」


 ・・・心意気はね。


「それじゃあ私も言いますね、いただきます!」


 俺達はそんな穏やかな時間を過ごして、俺達は宿へ帰っていった。

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