09 黒神の少年は少女の気持ちに答える
すみません。
投稿時間が日をまたいでしまいました。
誠に申し訳ございません。
Sideカイト
俺達は日没前にはギルドへつくことが出来た。
まぁ、俺の転移魔法を使っただけなのだが・・・。
「おう、随分とお早いご到着じゃねぇか。」
ギルドの入り口の前には、仁王立ちしたギルマスのおっちゃんがいた。
「まぁな、ほい、おみあげ。」
そういって俺は”ゴブリンキング”の遺体をおっちゃんの前へ出現させた。
「おぉ、こりゃあ随分と綺麗に殺ったな。」
「思ったより弱かったからな、長引かせても楽しくなさそうだったし、早々に狩らせてもらったよ。」
「・・・・・・普通はSランクっていやぁ、Sランクの冒険者4,5人揃ってやっとクリアできるか出来ないかって言うしろもんだぞ。しかもここから馬車でも1週間離れているところを往復で半日もかけんとは・・・、やっぱりお前さんは人外か。」
・・・ぐさりと心に刺が刺さる。
まぁ、自分の規格外さは理解しているつもりなのだが、面と向かって言われたら来るものがある。
「で、換金は終わってるんだろう?」
俺はムリのない程度に話をそらす。
まぁ、ちゃっちゃと宿に戻りたいってのが本音だけどね。
「おう、バッチリよ!金はミレイから受け取ってくれや。」
「了解。」
早速ミレイの元へ向かう。
「ただいまミレイ。」
「・・・ただいまです。」
俺たち二人はミレイに向かって挨拶をする。
するとミレイは綺麗な笑顔を俺たちに向けてくれた。
美人は華になるな。
・・・あぁ、だから受付嬢なんてものがあるのか。
「お帰り二人共。その様子だったら依頼は無事に終了したのね。」
「あぁ、あくびが出るほど楽なもんだったよ。」
「他の人が言ったのなら私を口説くための冗談だと思うけど、カイトが言ったのならそのままの意味に聞こえてしまうのよね。」
ミレイは微笑みながら俺に話しかけてくる。
ミレイは金髪を後ろで束ねている。
いわゆるポニテだ。
それでいて瞳は青。
The白人みたいな感じだな。
だが白人とは違う。
身長も高めで、俺は180cmなのだが、ミレイは俺の目線くらいは身長があるので、170cmは超えている。
それでいて、体つきはモデル並み。
顔はきりっとした目付きで、いかにも美人って感じだ。
ミレイに惚れない男は居ないだろう。
「それは俺を信頼してくれてるってことなのかね?」
各言う俺もミレイに惚れてます。
はい。
「そうね、少なくとも今まで出会ってきた男性の中で一番信頼できるわね。」
「おっ、それは光栄だね。っと、そういや換金のお金と報酬を受け取ってなかったや。」
あんまり長く話していると色々迷わくがかかる。
・・・と言うか後ろからの視線が痛い。
何かこう、粘っこくて禍々しものが・・・。
「そうね、換金の総計は白金貨30枚。依頼の報酬は金貨10枚ね。」
「あぁ、それと巣も潰しておいたから。」
「え?巣も潰してきたの?」
「うん、なんか巣を潰してたらあちらさんから突進してきてくれたんだよね。」
「そ、そうなの。ちょうど”ゴブリンキング”が巣に居た時に襲撃したのね・・・。」
流石に巣までは破壊してくるとは思わなかったのだろう。
若干呆れ顔だ。
「それじゃあ、追加報酬として金貨10枚。合計白金貨30枚と金貨20枚ね。」
「ありがとう、それじゃあ俺はこの辺で。また明日。」
「えぇ、また明日。」
「さようなら。」
・・・若干刺のある声でハクが挨拶をした。
ミレイはさほど気にすることもなく俺たちを見送ってくれた。
宿に戻り自室へ戻るやいなや、ハクが抱きついてきた。
「お、おいハク。一体どうした?」
なにかあったのだろうか?
「ご、ご主人様は綺麗な大人の女性がお好みですか?」
羞恥に頬を染め、そしてハクは濡れた目を俺に向けてくる。
「い、いや、俺は好みとかはほとんどなくて、強いて言えば俺を支えてくれる人かな?」
「ご主人様を支えてくれる人ですか?」
「そうそう。」
これは嘘偽りない俺の本音だ。
「で、でも私は今日の依頼も後ろから矢を打っているだけで・・・、それもほとんどご主人様がお一人で倒してしまって。今日一日私はご主人様のお役に立ってません!」
そう言ってハクは抱きついている腕の力を強めた。
「私は、ご主人様にとっていらない存在なのでしょうか?」
「いやいや!そんなことないから!俺にとってハクは大切な存在だから!」
ハクの言っていることは至極当然。
今日一日ハクはほとんど役には立ってない。
かと言ってハクは俺にとって大切な存在なのは変わりない。
出会って一日だが、俺はハクに惚れた。
できれば一生俺のそばにいてほしい。
「そ、それなら・・・ご主人様。私にお情けをください。」
「へ?お、お情けですか・・・。」
お、ohそう来ましたかハクさん・・・。
「こんな幼い私は不服ですか?」
今にも泣きそうな、つらそうな顔で、声でハクが俺に告げてくる。
なぜこんな顔をするのだろうか?
原因はなんだ?
俺だ。
俺がハクを大切にするあまりに、ハクの活躍の場をうばって、俺の役に立てない、立たせてもらえないと思わせてしまったのだ。
こうなったら責任を取るしかないな。
少しでもハクの心が晴れるのならば・・・。
いや、違うな。
俺は色々理由をつけてハクを抱きたいと思っているだけだ。
「ハクはいいのかい?俺なんかで?」
「はい。ご主人様でなければ嫌です!」
必死にハクは俺に答えてくれる。
「なら、遠慮はいらないな。ハク俺の女になってくれ。」
そう言って俺はハクを抱きかかえベットへと向かった。
「は、はい///」
ハクは照れながらも、期待と不安が降り混ざった眼差しを俺に向けてきた。
俺は外に声が聞こえないよう、風魔法で部屋を覆う。
・・・今夜は眠れそうにないな。