01 黒髪の少年は異界の入り口へ旅立つ
はじめましてkaitoです。
この度小説を見る側から書く側へとなりたいと思い。
この小説を書かせていただきました。
至らぬ点は多々あるかと思いますが、よろしくお願い致します。
小説って最初の書き始めが難しいですよねww
何度も何度も最初を書いては消しを繰り返しました。
皆様が私の小説を面白いと思ってくれれば幸いです。
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長い間音信不通ですみませんでした。
改稿作業を長らくしていました。
楽しみに待っていた方々、大変ご迷惑をお掛けしました。
ぼちぼち活動していきますので、見守ってくれれば幸いです。
side 海斗
車に轢かれるってのは結構痛いものだと思う。
なぜに思うなんて言葉を使っているかというと、正直覚えていないからだ。
仕方が無いだろう。
自分だってぼんやりとしか覚えていないのだから。
さて、何で俺が初っ端に車に轢かれる話をしているかというと・・・・。
実際に俺が轢かれたからだ。
冗談じゃないぞ、事実だ。
あぁ、頭がこんがらがってきたな。
一旦整理しよう。
事の発端は、俺がコンビニへアイスを買いに行ったことから始まる。
「あちぃ〜、家の中がサウナみたいだだ。」
そう言って俺は何も無い家のソファでだらしなく背もたれに寄っかかり、うちわを仰ぐ。
ちなみにエアコンなるものは家にない。
正確にはまだ買ってきていないが正解だ。
最近ここへ引っ越してきたばかりで・・・、と言ってもこの身1つでぷらっと立ち寄って、良さそうな町だから住もうかと思って今に至る。
というわけで、引っ越しの真っ只中なのでまだまだ買い揃えていないものがたくさんある。
軍資金はどうしたかって?
金は両親が残したものがあるので心配はない。
・・・まあそこは置いといて。
今は8月上旬であり、一番暑い時期でもある。
外はセミが鳴き、陽炎が揺れ動いている。
しばらくうちわで仰ぐが、気温が高すぎて熱風にしかならない。
「こういう時にはアイスが一番だな。」
そうと決まれば思ったが吉日だ。
ソファから飛び起きて着替えに行く。
いつも家ではパンツ一丁だ。
俺は一人暮らしをしているので、他人を気にする必要がないからだ。
藍色のTシャツにベージュの短パンに着替える。
玄関を開けると外の熱気が一気に顔に当たる。
家にこもりたくなる程だが、一度決めたことは最後までやり通すのが俺のポリシーだと自分に言い聞かせ、外へ出る。
家の前に止めている買ったばかりの黒のオフロードに乗り、近くのコンビニまで走る。
近所のおっさんがバイク屋で・・・って片田舎で家電が揃わないのに、新品のオフロードが買えるというのはこれいかに?
まぁ、いいか。
結構お気に入りだったりする。
気分は仮面ライダーだ。
しばらく上機嫌でオフロードを走らせて、目的のコンビニが見えてきた時にそれは起きた。
そこは十字路で見晴らしもよく、周りは更地か畑しかない。
遠くの山が麓から頂上まで拝むことができるほどだ。
当然、そんな田舎の道を通る車が多いわけでもない。
俺は青信号であることを確認して十字路を通ろうとした。
すると、珍しく右側からトラックの走る音がしてきた。
トラック側のほうが赤信号であるからきっと止まるであろう、と俺は気にも止めなかった。
今思うと、それが原因だったのではないかと思う。
右側から来たのはやはり大型トラックだった。
それもかなりのスピードを出して。
トラックは止まる様子もなくこちらに近づいてきている。
こちらは避けることもできない。
段々とトラックが俺の命を奪おうと迫ってくる。
・・・どれ位の時間が過ぎたのだろう?
実際は数秒の出来事なのだろう。
だが、俺には何十分という長い時間のように感じられた。
そしてトラックと俺は衝突した。
”ドゴォ”という鈍い音とともに、俺はバイクごと吹き飛ばされた。
死ぬ前兆というものなのかもしれない。
それまで痛くてたまらなかった体中の痛みは、そのときは嘘のように引いていった。
あぁ、痛かったなそういえば。
意識も薄くなっていった。
なんとか状況を確認したいが体が言うことを聞かない。
野次馬が集まっているのは話し声でなんとなくわかる。
遠くで救急車のサイレンが聞こえる。
あぁ・・・・もうちょっと生きていたかったな。
好きだったアニメの続きも見てないし、DTだって卒業してない。
けど、もし生まれ変われるのなら・・・・。
そんなことを思いながら俺は空を仰ぎながら意識を手放した。
side ???
「よし、計算通り。」
一人の少年の声が反響する。
その少年がいるのは真っ白な空間だ。
少年の周りには何もない、ただ一面が白いだけ。
唯一ある物体が、映画館のスクリーンのようなものが少年の目の前に浮かんでいるのみ。
「第一段階クリアだね、地球の神様?」
少年は無邪気に笑う。
少年の顔はこの世のものとは思えないほど美しく整っており、さながら高貴な身分の美少年といったところである。
身長は低め、体のラインも細い。
ショタというジャンルに分類されそうだ。
その声は心の底から楽しいと伺える様な明るい声だった。
「これで厄介払いが出来るよ。礼を言う異界の神よ。」
少年の問に答えるのは地球の神と呼ばれた壮年の男性だ。
その声は渋く、顔は彫りが深く威厳がある。
身長も高く、体はガッチリしている。
俗に言うダンディな男性のようだ。
しかし、今は"清々した"そんな顔をしている。
「しかし良いのか?あの者は神に匹敵す
るほどの力の持ち主だぞ?そちらに渡ったらますます危険になるやもしれん。」
壮年の男性は少年の身を案じているかのように話しかける。
「心配いらないよ、フフッ。君に心配されるほど、僕は弱くないよ。」
少年は笑みを絶やさない。
「そうか・・・、今後のことはそちらにすべて任せる。」
そういうと壮年の男性は光の粒になり消えた。
「ウフフッ、これから楽しい日々が送れそうだよ。」
少年はそう言って指を鳴らす。
するとスクリーンが消え、入れ替わるようにして黒い色をした光が現れる。
それを見て少年は更に笑みを深めた。
「さあ、君の第二の人生の始まりだよ。」
黒い色をした光は輝きを増し、しばらくすると光は粒子となり消えた。
光があった場所には一人の黒髪の青年が横たわっていた。
スクリーンに写っていた青年だ。
「いらっしゃい、黒神クン。」
これが俺、黒羽海斗の物語の始まりである。