第一話:「汚らわしいもの」
どうも。桂 菊菊といいます。こんな下手くそでよければ、読んでいただけたら幸いです。
・・・・・・汚らわしかった。
・・・・・・汚らわしかった。
何が何であろうが、オレの周りは汚れていたのだ。
こんな汚らわしい物は、嫌と言わない奴はこの世から去るがいい。
しかしオレに罪がないわけじゃない。
オレは、こんな周りに妥協し、迎合した。
オレのほうがよほど汚らわしい。
だから、どんな汚らわしい手を使ってでも、
「キレイ」を手に入れようとした。
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オレは今、東京の街を・・・・どこかもわからないまま、さまよっていた。リュックサック一つしょっただけで、ただ、さまよっていた。
どこか、住む場所が欲しい。しかし、どこにもない。日本はおろか、世界中探してもオレの住みかはみつかるまい・・・・・自分の家?いや・・・・そこには戻れない。戻りたくもないし、何より、オレが戻るのを待つ人は一人もない。そもそも、待つ人は、『オレが消してしまったのだから』。
オレの名前は「日光 誠」。神戸に住んでいた、15歳だ。オレを含めて3人のオレの家族は、ただ一つをのぞき、別にほかの家族とはなんら変わりなかった。ただ一つ・・・そう、ただ一つだ。
代々学者ということもあってか、オレの家はとにかく教育熱心だった。父親も、母親も。
生まれた頃から、絵を見せては「これは?」と、いわせるようなこともしていたらしい。幼稚園ぐらいになると、ひらがな、カタカナ、足し算や引き算もやらされた。具体的にどんな訓練だったか覚えてはないが、しくじったりする度に、
「なんでこんなんができひんねや」
といわれては殴られていた記憶は残っている。
こうして小学校に入学する頃には九九は完全にマスターしている、というレベルにまでオレの頭は特化された。少なくとも、神戸全域の小学一年生の中で、オレを越える奴はいなかったと断言してやってもいい。
それでも、両親は貪欲にオレに知識を与え続けた。どれくらいのハイレベルな知識だったかは覚えてはないが、それでも、間違えたり、とくのに時間がかかっていたりしたら殴られていたことは覚えている。
いろいろ忘れるのに殴られたときだけは鮮明に覚えている。
小3の塾のテストの時、ほんのはずみでクラス最下位ととってしまった時、両親には正直に見せて謝った。その後、口が切れるほど殴られて、3日間朝夕抜きにされた。
学校のテストで、いつもはどれもこれも100点を取っていたのに、ある日記述の微妙なミスで97点だった。正直に見せたら、
あほう。なんで100点ないんや。お前の友達の山本くん99やったろ。下流層に負けてどうるすんや、と言った。
オレは・・・周りが全て「汚れている」と感じ始めたのはこの頃だった。
と、いうわけで、これからもよろしくお願いします。。