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ひとり

作者: 常陸橫

 何もない

 誰もいない

 この星でただひとり

 荒れた野に砂の風が吹く


 砂、いや違う

 塵、といったほうが良いか

 肌を

 塵の風が撫でていった


 古の詩を思う

 いや、さほど古いわけではないはずだ

 その詩の作者の名は、

 いや、もう忘れてしまった


 風止塵穢水

 雲去陽焦土

 如何不憶過

 獨顧我來路


 まるで今の世を予知したような

 そんな不思議な詩

 初めて出遭った当時は

 何も感じることはなかったが


 荒れ果てた

 かつて栄えた文明の遺物

 脆い跡のその上で

 変わらぬ陽を仰ぐ


 あなたは見ていただろう

 ならば教えてくれ

 どこで踏み外したのか

 なぜ踏み外したのか


 初めから道などない

 多くの人が通ってこそ(みち)になる

 踏み外した後ろに多く続けば

 それが正しい倫になる


 私の前に広がるは荒野

 辿るべき倫もない

 だから道を作らねばならない

 後ろに続く人もなしに

平仄は分からなかった。

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