侯爵の招待
晩餐に招待されるのはいいんだけどな
正直マナーとか作法といったものがまるで分らないな……
「アン、何か気を付けることはあるか?」
「そうですね、堂々としておいて下さい」
「え? そんな、失礼じゃないのか?」
「実は貴族の間では晩餐の招待するというのは相手を格上だと認めたという意味を持ちます。」
「ちょっとアン、それどういうことよ?」
「言葉の通りですナーニャ」
「ということは侯爵は俺たちを格上だとみなしているということか?」
「そういうことですね」
……旅の始まりからこれってどうよ
「タクミ……もしかしたら」
「ナーニャ、もしかしなくてもあり得る」
「……先が思いやられるわ」
この先でシルビアさんの影響が全くないということは絶対にないだろうな
初っ端からこれだもん!
「アンさん、私は同席しても大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫ですよ、奴隷も主人の待遇が適用されますので」
「なあ、ユリア、どうして解放を拒むんだ?」
俺は何度かユリアの解放を勧めていた
「…………」
「言いたくないならいいよ」
「……はい、すみません」
まあ、俺たちは誰もユリアのことを奴隷だと考えてないからな
本人がそう願っているならそれもいいんだけどな
俺の道徳心がそれを拒んでいるだよな
それとさっきの侯爵をアンの鑑定師と俺のニートの能力で見たんだけど
[スキル<選品眼>]
アンドルス・ジャン・バスコ
人間(40歳) Lv50
特殊ジョブ バスコ侯爵
職業
剣士 Lv99
魔術師 Lv20
統率者 Lv48
その他数種のジョブ有り
こうだった
…………
はっきり言おう
強すぎじゃないですか!
俺がさっきアンに確認したのにはこのことが理由だ
失礼働いて無礼うちとかになったら
まず死ぬ……
チートじゃねえかよ!
そうぼやいていたら
「タクミ、あなたも十分規格外よ」
「え?」
「どうして侯爵のジョブをそこまで知れたの?」
「そうです、タクミさん、私の鑑定士でも知れるのは第一ジョブまでなんですよ」
「え? まじで?」
「レベルが上がったらわかりません、それに鑑定士の弱点は相手の本名が分からないとジョブまで分からないんですよ」
「それは、あまり相手には本名を伝えない方がいいってことなんじゃ……」
「当たり前なんじゃないですか?」
「ナーニャ、俺この二人に言ってなかった?」
「何を?」
「素性」
「タクミさん、私は聞いてませんよ」
「マスター、私も」
「そうか……俺は」
「タクミ、ちょっと待って」
「え?」
コンコン
「晩餐の準備が整いましたのでご案内致します」
「わかりました、すぐ行きます」
ナーニャ……
「タクミ、あなたにもアンと同じ事を言っておくわ」
「ああ、そうだな……今後気を付ける」
ナーニャが言いたかったことは
周辺の警戒を怠るなということ
「あなたの力ならあれぐらいは多分わかると思うわ」
「わかった、じゃあ行こうか」
食堂に案内されたのはいいんだけど
「広!」
すごく広かった
大きさのたとえだと?
小学校の体育館ぐらいかな?
え? 抽象的すぎるだと?
馬鹿言え、これ以上ない例えだと思うけどな
「タクミ殿、今晩はお越し頂きありがとう」
「侯爵殿、お招き感謝いたします」
「ふふ、その様子だと貴族の習慣を聞いたかな?」
「ええ、仲間の一人が貴族の娘なので」
「知っておるよ、アン殿だろう」
「え? アン、ですか」
「アン? どうした?」
「アン殿、そなたの父はそなたを男として育てることを止めるそうだ」
「え?」
「実はそなたの父とは少なからず接点があってな、まあ仲はいいのだ」
「そうなんですか」
「それはいいとして、では晩餐会を始めよう」
俺は貴族の晩餐を甘く見ていた
どうしてか?
それは
「あ、タクミさん、貴族の晩餐は朝までですよ」
んな、馬鹿な!
徹夜だと!
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侯爵の晩餐会は非常に楽しかった
なんせ出てくる料理のおいしっさといったら!
しかも、あれがあった!
何かって?
狼鍋ですよ!
聞くところによるとこの地域の郷土料理らしい
侯爵にレシピを聞いたところ
『勝負に勝ったらゆずってやるぞ』と
ここの人たちにとっての料理のレシピってそんなに大事なのか!
見たところ、この侯爵、今の俺では絶対勝てない
まあそれは良いとして
侯爵の話は非常にためになるものだった
この国(ここではサタリア連邦だが)のちょっとした情報から
イスパーン、聖アンストリアの情報も貰えた
シルビアさんの話もいくらか教えてもらったんだけど
やっぱりぶっ飛んでいる……
侯爵によると
シルビアさんたちの冒険者パーティーはかなり有名らしい
活動期間は10年程だったらしいけど
なんせ強かったらしい
そして後はエルフの里についての話だった
話によるとエルフの里は魔族領にあるらしい
シルビアさんそんなこと言ってなかったよ!
北のほうとは言ってたけど……
何がともあれ
この世界についていろいろと知れたのは良かった
それと……
「タクミー、もっとお酒!」
「ナーニャ、多すぎるって」
「だりぇにものいっちぇるのー」
だめだこいつ
「これ以上はだめだって」
「うううう、だめ?」
かわいい……
「タクミとにょみたいのー」
「うっ」
酒癖の悪さがこう出るとは……
「にぇえいいれしょ?」
「〈スリープ〉」
「え? ユリア?」
「私もこれ以上は飲ませるべきではないと思いましたので」
「今のは?」
「ああ〈スリープ〉ですか? 巫女のスキルです」
「へえ、〈ヒール〉だけじゃなかったのか」
「はい、3つ目の力ですね、今、私の巫女レベルは100ですので」
「へ?」
「どうかいたしましたか?」
「100?!」
「はい、そうですよ」
そういや、俺、ユリアに選品眼使って無かった……
[スキル<選品眼>]
ユリア・ジャネット
人間(17)Lv30
特殊ジョブ 奴隷(タクミ・スドウ所有)
職業
巫女 Lv100
弓使い Lv25
光魔法 Lv5
えっと……
「ユリア、後で話が……」
「わかりました」
「ああ、ナーニャを部屋へ運んでおいてくれ」
「わかっています」
さてと
俺は一人でテラスへ出て
こう叫んだ
「チート率多いわーーーー!!」
領主といい
ユリアといい
アンはふつうだったけど
ナーニャは若干規格外
俺は…………知らん!
それよりも
ナーニャがシルビアさんに負けず劣らずかわいいと思ってしまった!
あれはヤバいわ
ナーニャと飲むときは量を考えないといけないな
晩餐はまだまだ終わりそうにないな……
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そういや、アンのジョブとかもしっかりは見てなかったな
確認しとこ
[スキル<選品眼>]
アン・フォン・グランツ
人間(17)Lv25
特殊ジョブ 貴族(グランツ男爵長女)
職業
鑑定士 Lv50
騎士 Lv20
式術 Lv10
式術ってなんだろ?
後で聞こう
ついでにナーニャ
ナーニャ・カナン
ハイエルフ(18)Lv35
特殊ジョブ ○○の後継者
職業
魔道士 Lv36
精霊魔術 Lv35
剣士 Lv34
その他数種のジョブ有り
ちょっとまてや、あの時確かにちゃんとは確認してなかったけど(決闘のとき)!
え? 何これ!
ナーニャ魔法使いじゃん!
なんで使わないの?
よし、それも後で聞いておこう
それと俺の……
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タクミ・スドウ
人間(18)Lv30
装備品
武器(覇剣”淵月”)
防具(皮の防具、皮の靴)
その他(空間魔法のかかった王獣の皮の袋
職業
只の人Lv18
ニートLv100(MAX)
逃亡者Lv40
剣士Lv35
探索者Lv20
鑑定士Lv5
ステータス
攻 224 防 182 速 224+550
未振り当て 200
特殊スキル
縮地
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ざっと見た感じほかの人よよりも職業のレベルが上がりやすいのは明白だな
なんせ3つも身体レベルよりも高いし
まあ後で俺の話もしないといけないし丁度よかったかな




