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81(エイティーワン)  作者: 雨後乃筍
1章 甘い毒
7/33

1−6 カラフル

 翌日、キラキラとした朝日が部屋に差し込む中、私は彼の腕の中で目を覚ました。私の部屋って、こんなにも輝いていたっけ?埃が、まるで天からの贈り物のように輝いている。私は、また彼の腕の中で鼓動を聞いていた、


 今日は2人でかっぱ祭りに行く日だ。


 普段は閑散としている表通りは、今日はムッとするような人混みと熱気に溢れていた。たくさんの露店が出ていて、イージュンが子供のように「あれなんですか?」「これおいしそう」とはしゃいでいる。そんな姿も可愛く思える。弟とかってこんな感じ?いや弟とはあんなことしないか。


 私はかき氷を買って、イージュンと半分こにして食べた。


 露店のオジサンがストローを二つつけてくれたから、一つのカップにふたりでストローを入れる。暑いのに、イージュンと顔がくっつきそうになって食べるかき氷。


 こんな漫画みたいなこと、私がするなんてね。


 でも、嬉しい。


 そのうち、ノリの良い音楽が流れてきて、パレードがスタートした。


 かっぱ祭りの目玉は、かっぱの扮装、と言ってもかっぱのお皿の被り物をした参加者が、音楽に合わせて踊りながら街を練り歩くものだった。


 イージュンが子供のように、声をあげてはしゃいでいた。


「なんですか、あれ?!」


「面白い!頭が禿げてる!」


「かっぱかっぱかっぱ!」


 イージュンがはしゃぎすぎるから、私は恥ずかしくなって彼の服を引っ張っていた。


 もう、恥ずかしい。


 けど、イージュンがはしゃいでいると私も楽しくなってきちゃう。


美里みさとさん、僕たちも踊りましょう!」


「え?やだ、恥ずかしいよ」


 イージュンが強引に私の手をひっぱって、パレードの最後尾についた。踊りもめちゃくちゃだし、みんなに見られて恥ずかしい。


 でもイージュン、楽しそう。


 それを見ていた私も楽しくなってきちゃう。誰かが、かっぱの被り物を渡してくれた。


 二人で、それを被りながら、笑いながらパレードをした。


 イージュンと、こうしてずっと笑って過ごしたい。


 パレードが一通り終わって、私とイージュンは道端に座り込んだ。炎天下で、かっぱの被り物をして歩くのは相当きつい。係の人が配るスポーツドリンクを飲んだ後、コンビニで買ったビールで乾杯した。


「こんなに笑ったの久しぶり!」


「楽しかったですね。まさか日本でかっぱになれるとは思いませんでした」


憶俊イージュン、踊りめちゃくちゃなんだもん。みんな笑ってたよ」


「日本にこんな諺ありますよね。踊る阿呆に見る阿呆」


「同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」


 私とイージュンは、声を揃えて言って、また大笑いした。


「ねえ、今夜どうするの?私は明日仕事で朝早く出るけど」


美里みさとさんがよければ、明日美里さんの家から仕事に行きたいです」


「今夜も一緒に?嬉しい!」


 私は人目も気にせず、イージュンに抱きついた。今夜また…でも明日仕事だから早く寝なきゃ…でも…。


 私は夜のことを考えて、お腹の下の方がキュンとしていた。急に恥ずかしくなって、思わずビールを流し込む。


 この数ヶ月、イージュンと出会ってから、ずっと男性と同じような感覚で油と泥にまみれた私の生活が、カラフルな色彩に塗り替えられていくようだった。


憶俊イージュン、幸せ……)


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