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81(エイティーワン)  作者: 雨後乃筍
3章 臨界点
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3−3 緊急通報

「所長、フォレンジックの緊急依頼です」


 オペレーターが無機質に伝えてきた。所長と呼ばれた壮年の男は、面白くなさそうにリクライニングシートに腰掛けながら応えた。


「緊急通報か、依頼元は?」


「国家情報局です」


 所長と呼ばれた男の目がギラリと光った。


「そいつは良い金になるな。場所は?」


「茨城原子力発電所です」


「原発か」


 原発となると、危険が伴う。家族持ちは避けた方が良さそうだな。トラブルが起こった時に、色々面倒だ。遺族に使用者責任とか騒がれたり、葬式に出向いたりしなければならないのは勘弁してほしい。


 後腐れがなく、確かな技術を持っていて、緊急事態でも慌てない奴となると…


「おい、あいつは行けそうか?」


「あいつ?」


「あのクソ生意気な女だ。どうせどこかのネカフェとかにいるだろう。呼び出せ」


 所長の頭には、あるちんちくりんの女の顔が浮かんでいた。


「バカ所長!」と、さんざん文句を垂れるのだろうが、あいつなら大丈夫だろう。どうせネカフェにいつも引きこもっているような奴だ。引きこもる場所が変わるだけだ。


 所長はクックッと笑っていた。まるで、これから起こることを想像して楽しんでいるようだった。


 オペレーターは、所長の笑い声を横目に薄寒いものを感じ、聞こえないように小さく「この古狸…」と呟いていた。


 古狸と、ちんちくりん。まるで漫才コンビのようだ。私生活では死んでも関わりたくない。いや、意識すらしたくないか。


 起動したチャットアプリのTO:には、ある女性の名前が入力されていた。


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