1話 おかしな夢
僕は、生まれつき身体弱くて、ずっと病院暮らしでした。起きてる時は、身体がだるく、そんな僕の楽しみは、読者と寝ることでした。
寝ると、身体は少し良くなるし、たまに見る夢は、自由に動けるから僕の楽しみでした。
ただその日は、違ったんです。夢の中でおかしな声が聞こえたんです。それがまさか、僕の人生が変わる、、、、
始まるとは、、、、
「う、、、、だるい、、、、」
病室で今日も身体に力が入らず、うなだれる。
僕の名前は、ケンイチ。身体が弱くて、ずっと病院にいるんだ。沢山調べてもらったけど、原因がわからず、だるくて身体に力が入らないんだ。
「はやく寝よ。いい夢みれるといいな、、」
つぶやくと、すぐ眠った。
気がつくと、僕は知らない場所に立っていた。
白い霧がかかった草原。風が吹いていて、気持ちいい。だるさも痛みもない。
「あ、動ける……」
手を握って開いてみる。足を軽く跳ねてみる。ちゃんと動く。いつもの夢よりも、ずっとはっきりしてる。
「ケンイチ……」
風に混じって、声が聞こえた。
女の子の声だ。どこか懐かしくて、でも知らない声。
「……誰?」
声をたよりに、霧の中を歩く。すると、ふいに目の前に女の子が現れた。
僕と同じくらいの年の、長い黒髪の子。白いワンピースを着ていて、まるで光の中から現れたようだった。
「やっと来てくれたんだね、ケンイチ」
「……君、誰?」
女の子は、にっこり笑った。
「私の名前はユリ。あなたを、待ってたの」
「僕を……?」
「うん。あなたには、“向こう側”でやるべきことがある。こっちに来たのは、そのためだよ」
“向こう側”? やるべきこと?
意味がわからない。でも、なぜか胸がざわつく。
「ねえ、ケンイチ。あなたは……自分の身体が“普通じゃない”って、気づいてるでしょう?」
ドクン、と心臓が脈打った。
――なんで、そんなこと……。
ユリは、霧の奥に手を伸ばし、指さした。
「こっちへ来て。全部、教えてあげる」
そして、僕の“本当の人生”が、動き出した。