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エピソード 5
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「太陽系リゾートホテル。宇宙ステーション・ミルキーウェイへようこそ? それで本当に行くの光太郎? 旅行券当たったのはいいことだし……明日の早朝には私、空港へ行くわよ」
「あ、ああ……。どうすっか? 鈴姉?」
俺の部屋で鈴姉と電話している。あの後、家に帰って、飯と風呂を終えると、自室に閉じこもった。セミダブルのベッドに座って、窓を閉めて、カーテンもとじていた。
「第一、宇宙へなんて、だいぶ変よ。そもそも、どうやってここから宇宙のホテルまで行くのよ」
「あ、それは大丈夫なんだ。星降埜神社って、ところから行けるってチケットに書いてあるんだ。船は3番目だって、なんのことか一体どんなことになるのか。さっぱりだけど、暇だから……行ってみる」
「……」
「……」
「……」
「ちょうど、明日から大型連休だしさ。ちょっと見てみようかな? って、軽い気持ちなんだ」
「そう。それで、明日空港へは? お別れ言いたいし」
「わかってる。行くよ。星降埜神社へ行くのは夕方頃になるな」