表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/12

エピソード 4

 ほんと懐かしいなあ。


 そういえば、きな粉の棒は小学生の時から一度も食べた時がない。一体どんな味なんだ? きな粉味の棒なのはわかるんだけどさ。いつも売り切れだったからな。


「うん?」


 駄菓子屋に面した商店街の通りに、一人の巫女姿の女性を見掛けた。人通りは疎らだけに、よく目立っていた。そこで、俺は首を傾げる。取り分けて、気になるその巫女装束は、ちっとも場違いではなくて、何故かこの商店街の通りにマッチしていたからだ。


 巫女姿の女性は、ふと。こちらを見たような気がしたので、俺はじっと見つめてしまった。巫女姿の女性も俺に気がつき目が合った。


 それから、駄菓子屋の店内にいる俺の方へ。

 巫女はすたすたと歩いて来た。


「宇宙は広いなあ」


 駄菓子屋の店内を見回し、巫女はそう呟くと、はてな顔の俺に軽く手をユラユラと振りながら、ニッコリと笑って、すぐに何食わぬ顔で通りを歩いて行ってしまった。


「??? 何だったんだろ? 今の間は? そっれにしても凄い美人だったなあ。あの巫女……あれ?」


 不思議と、巫女を近くでよく見たはずなのに、その容姿が少女なのかそれとも大人の女性なのかまったくわからない。いや、気にしなかった。


「もう、そろそろ帰るか」

 

 ふと、帰り際に壁沿いに並ぶガチャでも引こうかなと思った。100円を入れてレバーを回すと、すぐにガチャ玉が転がり落ちてきた。


 ガチャ玉の中身の景品は、小さく折り畳まれた一枚のチケットだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ