表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/480

21話 不思議だったこと

「フィオーレ、夜で暗いから馬車に乗る時気を付けてね。結構、段差があるんだよ」


 そう言い、彼が馬車に乗る時エスコートしてくれた。


「ありがとう、スザク。たしかに、暗いと足元を見ずらいわよね。貴方のおかげで、楽に乗れたわ」

「……!! こんなこと、大した事ではないよ。それに、君が怪我したら大変だからね!」

「ありがとう……! でも、このくらい大丈夫よ。スザクも、一々エスコートするのは大変でしょう?」

「いや、僕は大丈夫だよ! それに、万一のことがあるからね……」


 その時、馬車が発車した。

 スザクの家からアルセナーリナ邸まで1時間30分程掛かる。

 それまで、たっぷりと時間があるためスザクと話せるわね。


「そう言えば、貴方に聞きたいことがあったのよ!」

「何かな? 君が、僕に聞きたいことなんて珍しいね!」

「スザクは、青い髪をした私達と同じくらいの年齢の令息を知っているかしら? 前に帝国図書館で会ったのよね。おそらく、私よりも身分は上なのだと思うわ。アルセナーリナ伯爵の娘だと正確に当てた上で失礼な態度を崩さなかったもの……私は会ったことがないからきっと積極的に社交活動をしない家なのだと思うわ」

「う〜ん、青髪の令息かい? 何人かいるけど、君よりも身分が上となると……3人くらいに絞れるかな! それで、社交活動をあまりしないとなると彼しかいないと思うけど……」

「分かったの!? 何処の家の令息なのかしら?」

「……う〜ん、僕の従兄弟にあたるアーロン・ウェセックスなんじゃないかな? 違ったらごめんよ……たしかに、彼がパーティーに出るところをあまり見ないよね。最近、アーロンに聞いたんだけれども、今年のエウレカ帝国祭には、出るって言ってたよ」


 アーロン・ウェセックス!?

 ウェセックス公爵の子息だ。

 回帰前も彼には挨拶程度しかしていなかったから記憶に残らなかったのかもしれない……。

 スザクの言葉を聞き、彼が最後に言っていた言葉を思い出す。

 「次は、パーティーで会おう」というような事を言っていた気がする。

 失礼な態度をとってしまった事を、考えるともう会いたくないなと感じる。


「ウェセックス公子だったのね……失礼な態度をとってしまったから会いたくないわね」

「まぁ、断定は出来ないけどね! 彼は、礼儀を重んじるタイプではないから大丈夫だよ!」

「はぁ……スザクは、ウェセックス公子と仲が良いの? 最近、会ったと言っていたじゃない?」

「結構、仲は良いと思うよ。彼も、色々と話してくれるし。ごめんよ、フィオーレ。おそらく、彼が君のことを知っていたのは、僕が話したからなのかもしれない。フィオーレと付き合う前は、良く彼に相談していたんだよ……」


 スザクが、こう言うのは珍しいと思う。

 相当仲が良いと思っているのね……。

 基本的に、スザクは誰とでも仲良くなっているが彼自身がここまで言う人はあまり居ないと思う。

 それに、恋愛相談までする仲とは驚きだ。

 それならば、ウェセックス公子が私の容姿を知っていたのにも合点がいく。


「別に大丈夫よ? 貴方が、そんな話をするということは信頼出来る相手なのでしょう?」

「うん!」


 しかし、意外なことね。

 スザクのシュタイン家は、公爵家の中でも一番権力のある家柄だ。

 それに比べ、ウェセックス公爵家はあまり地位が高くない。

 エウレカ帝国は、身分にうるさい国だ。

 それなのに、仲良くするのはやはり従兄弟だからなのでしょうね……。

 スザク自身、身分に固執する性格ではないし……。

 そういう所も、私の大好きなポイントだ……。


 シュタイン公爵邸を出発してから1時間程経った時、スザクが学院では何の教科をとりたいのかを聞いてきた。


「まだ、悩んでいるわ。どうせなら、スザクと同じものをとりたいわね!」

「……! 嬉しいよ!」


 どんな教科を選べるのかは、全て公開されている訳ではない。

 公開されている教科は、剣術や歴史、天文学等々だ。

 歴史はもう家庭教師から学んでいる為、とる必要はないと思う。

 スザクがとるというのであればもちろん、私も歴史の教科を受講するけれども……。

 そう考えている時に、アルセナーリナ邸が見えてきた。


「決まったら、フィオーレに知らせるね! 楽しみだな〜」

「ふふっ……まだ、受かってもいないのに気が早いわよ!」


 馬車が到着し、馬車を降りる。

 降りると、お父様とお母様が出迎えてくれた。


「アルセナーリナ伯爵、伯爵夫人、お出迎えありがとうございます。本日は、到着が遅くなり申し訳ありませんでした。では、僕はここで失礼いたします」

「娘をお送りいただき感謝申し上げます。次回は、我が家でゆっくりしていただけると幸いです。お気をつけてお帰りください」

「ありがとうございます! 是非、そうさせていただきたいですね。伯爵ともお話出来ると嬉しいです」


 そう言い、颯爽さっそうとスザクは馬車に乗り出発してしまった。


「私は、疲れましたので部屋で休むことにしますわ」


 お父様とお母様にそう挨拶し、部屋に戻ることにした。

 まだ、私にはやらなければならない事があった。

 ポクターへの手紙の返信だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ