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18話 歓迎

 いつの間にか、アルセナーリナ邸へ着いていたようでお父様たちに起こされ目を覚ました。


「ここがアルセナーリナ邸か! 思ったよりも広いな。ブラヴェッダ帝国の伯爵は、ここまで広い邸宅に住んでいないと思うぜ」

「お褒めの言葉ありがとうございます。皇太子さまのお部屋は執事にご案内させますので……」


 そう言い、お父様は執事にベルナルドを客室に案内するよう伝えた。


「皇太子さまって、フィオーレの事好きなのかしら? 貴女を見る視線が他とは違うと思うのよね」

「え!? そんな事ありませんわ! 彼は共にオオカミを討伐した仲間くらいにしか思っていないと思います」

「そうかしらね? ……」


 もし、そうだとしたら困る。

 私はスザク以外の男性に興味はない。

 たしかに、ベルナルドに対して特別な感情を抱いているのは感じる……。

 共に悪魔を倒してくれ……私に『許す』という新しい道を教えてくれた人。

 それに、成長しようとも約束した……。

 彼との出会いを考えれば、この感情は当然だと思う。

 それに、彼氏が居るとベルナルドに伝えたのだからその可能性は有り得ない。

 暫く、話してから部屋へと戻ることにした。


「お嬢様、先程の奥様のお話なのですが……」

「ベルナルドが、私に好意を持っているという話のこと?」

「はい。実は、私もそのように感じるのですよね。明確には、『オオカミ』を倒しお嬢様とベルナルド様がお話して戻って来た辺りからです」

「そうだとしても、彼の気持ちには応えられないと思うわ。私はずっとスザクを好きだもの」

「そうですね。お嬢様は、スザク公子様にゾッコンですからね」


 改めてそう言われると恥ずかしいものだ。

 リリスを下がらせて暫く眠ることにした。


 〜数時間後〜


 良く眠れたと思う。

 昨日の夜から朝にかけての疲れは、大分回復したように思える。

 それから、ノックが聞こえリリスが入ってきた。


「お嬢様、ベルナルド様がお見えですがどういたしますか? お通しします?」

「ええ、お通しして」

「承知いたしました」


 リリスが、部屋から出て行き交代でベルナルドが入ってきた。


「フィオーレ、疲れは取れたか?」

「大分取れた気がするわ。貴方は、どうなの? それに、部屋まで訪ねてくるだなんて何か話したい事でもあるの?」

「俺は、すっかり疲れが取れた。ああ、そうだな。悪魔について教えて欲しくてな。あの森で悪魔って言っただろう? この国には、その伝承が伝わっている筈だ。良かったら聞かせてくれないか?」

「ええ、良いわよ。悪魔っていうのは、2000年前の大悪魔ギルティシリア・ガルランディが生み出した存在と言われているわ。まず、大悪魔について説明するわね。2000年前、この国に混沌をもたらした存在よ。英雄・エルバスとピッグ様によって封印されたと伝えられているわ。そして、悪魔は大悪魔の手下で人間を殺したり捕食したり拷問したりしていたらしいわ。私はこれくらいしか知らないけれども、宮殿にはもっと詳しく知ることの出来る本があるはずだと聞いたことがあるわ」

「そうなのか……それなら、俺も宮殿で調べてみる事にするぜ」

「そう……なら、何か分かったら教えて欲しいわ。あと、悪魔がいたという事は口外しない方が良いと思うわ。この国では、皇族や公爵家以外は、伝承を創作物だと思っている人が多いのよ。それに、悪魔が復活したという事はまだ伏せるべきよ。言っても誰も信じないもの。証拠がないのだから」


 それを聞くと、ベルナルドは申し訳なさげな顔をした。  

 やはり、証拠は大事なのだ。


「あと、もう一つ聞き……」


 その時に、リリスがノックをし部屋へと入ってきた。


「お嬢様、ベルナルド様お話中失礼いたします。旦那さまがベルナルド様の歓迎会をする為、食堂へ集まるようにとの事です」

「まぁ……歓迎会ですって! 行きましょう!ベルナルド。話の続きは明日しましょう」

「あ、あぁ……そうだな」


 食堂へ行くと、豪華に飾られていた。

 二人で食卓に着くとお父様が口を開いた。


「今日は、我が領地の問題を解決してくれた皇太子さまとフィオーレのために音楽隊を呼んだ。皇太子さまもお楽しみいただけると幸いです」


 それを、合図に演奏が流れ始めた。

 音楽を聴きながら食事をするのも悪くないと思う。


「ありがとう、伯爵。わざわざ、音楽隊まで呼んでくれるなんて思いも寄らなかったよ。実は、音楽を聴くのが好きなんだ」

「意外ね。ベルナルドは、あまり音楽を聴かない感じのタイプだと思っていたけれどもね……」

「ははっ。フィオーレ、確かに俺は音楽に疎そうに見えるからな」

「印象で判断するのは、早計過ぎたわね」


 そして、何曲か終わる頃に食事も終わり部屋へと戻った。

 ベルナルドは、不思議な人だと思う。

 そして、私とベルナルドは似たところがあるとも同時に思う。

 彼と出会えて良かったと思えた。

 これも、スザクと違う意味で特別という感情なのかもしれないと改めて思う。

 そう考えている内に私は眠りに落ちた。


次は、木曜日投稿します!

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