57.初出場
今大会のルール。
それは、飛び入り可能な勝ち抜き方式である。
詳しいルールは省略。
要するに、勝って勝って、勝ち進めばいいのだ。
「ルールは簡単です」
あぁ、そうだな。
てか、ロゴスはこういう大会には出たことはあるのか?
「実は出たことないのです。自信がありませんので」
……おい、それは嫌みか?
「何の事ですか?」
笑って言っているところが怪しいが、まぁスルーしてやる。
とまぁ、俺とロゴスは今、受付の前まで来ていた。
そう、俺は大会に参加しようとしていた。
因みに、優勝賞品に引かれてやって来たカエデだが……、
「あぁ……、やっぱり私は良いや」
とか、何を思ったかいきなり言い出し、
「よくよく考えてみると、私こういうの向いてないわ」
と、一気に気持ちが冷めており、
「よし!ヤス!頑張ってきなさい!」
と、最終的に俺に押し付けたのであった。
まったく……、調子良すぎだろ。
まぁ、このまま一緒に出てたら、カエデとも戦うことになるかもしれなかったからな。
それはそれで面白そうだけど。
「それではヤス、頑張ってください。私は皆さんのところへ戻ります」
すると、ロゴスはそう言って、サラたちが居るであろう観客席に戻っていった。
「よし!」
俺は気合いを入れた。
そして、受付に向かうのであった。
『さぁ!今大会も大詰めに差し掛かりました!!!』
『ワアァァァ!!!』
『もう優勝は決まってしまうのか?!いやいや、そんな訳無いのが今大会!!!そう!ここで挑戦者の登場だあぁっ!!!』
『ワアァァァ!!!』
『キャーキャー!!!』
『さぁ!登場してもらおう!何の因果か知らねぇ~が、遠く離れた地からたまたま偶然やって来た旅をする青年、初出場のヤスだ!!!』
場内アナウンス、やっぱり熱いな。
とまぁ、張り切っていきますか!
俺は闘技場に出た。
すると、一気に歓声が上がった。
『ガンバレー』や『行けー』等から、『死ぬなよー』までいろんな声が聞こえる。
そして俺はぐるっと観客席を見回した。
「ヤスー!!」
お、いたいた。
何を言っているのかよく分からなかったが、サラたちが居るのを確認した。
こりゃあ、カッコ悪いところは見せられないな。
『飛び入り参加のヤスにより今大会の流れが変わるのか?!対するのは前大会の王者、バルディールだっ!!!』
鍛えぬかれた筋肉を露出した大男が声援に対し両手を上につき出していた。
そして、ニヤリと俺を見た。
「初出場で俺に歯向かうとはいい度胸だな、小僧。それとも、わざわざ俺の引き立て役をしてくれるのか?」
へっ、前大会王者か何だか知らねぇが、俺だって出たからには負けらんねぇぜ。
「調子に乗るなよ、小僧。力、いや、経験の差を見せてやる」
経験の差……、確かに俺は浅すぎる。
しかし、俺はそこを潜り抜けてきた。
……それを見せてやる。
『行き着く先は天国?それとも地獄?さぁ、準備は良いかぁ?!』
もちろん、良いっての!
そして、俺は剣を抜く。
『それではいってみよう!レディ~、ファイト!!!』
今までで一番の歓声が上がり、試合が始まった。