48.今後の計画
「えっと……」
父さんとの話を終え、仲間が居る部屋に戻った俺だが、
「寝ちゃったのか」
「うん、相当疲れてたみたいだね」
俺の言葉に微笑んで答えたサラ。
そう、グレンたちは各自ソファーやベッドで眠っていたのだった。
「サラは大丈夫なのか?」
俺はそうサラに聞いた。
するとサラは、声にはせず頷いて答えたのだった。
しかしまぁ、
「グレンたち三人はともかく、ルミナもぐっすり眠りすぎだろ……」
「まぁ、ルミナにも私たちと会う前にいろいろあったかもしれないよ?」
まぁ、ルミナとは昼にあったからな。
しかし、本当にぐっすり眠っている。
「…ヤスも少し休んだら?夕食までまだ時間あるし」
サラは、俺の状態を察知したのか、休むことを勧めてきた。
それと、サラの話によると、俺が居ない間に城の人が夕食の時間等を報告に来たそうだ。
なるほど、まだ時間があるとはそういうことか。
「そうか……、じゃあ俺も少し休ませてもらおうかな」
「うん。じゃあ、時間になったら起こすからね」
そして俺は、サラの言葉に甘え、ベッドで横になった。
嫌なことや悲しいこと等があった時、寝ると結構和らぐのは俺だけではないだろう。
俺はそれを期待して、目を閉じて眠りにつくのであった。
その後だが、俺たちはサラに起こされ、生活に不可欠な食事、その後は風呂などを済まし、今は部屋でまったりしているところだった。
因みに気分は少しは楽になっていた。
「それにしても食事は豪華だったねぇ~♪」
ルミナが椅子に座り、足をぶらぶらさせながらそう言っていた。
「そしてあの大浴場!私あんなでっかいお風呂初めてだよ~♪」
「確かに、私もあんなお風呂初めてで驚いたわ」
「でしょでしょ?♪」
ルミナの言葉に対してセツナが反応した。
「ねぇねぇ♪そう思うでしょ?お嬢さん?♪」
「………って、私?!」
すると、ルミナはカエデにいきなり話をふった。
しかしカエデは、「そうかもね~」と明らかめんどくさそうに返答して、気持ちが入ってないのが感じられた。
「こら~♪何だその返事は~、少女よ!」
「少女って、私にはカエデ……って、こら!やめなさいよ!」
カエデはルミナに抱きつかれていて、無理矢理引き離そうとしていた。
「……なるほど」
「ん?どうしたのヤス?」
「サラ、これが『ガールズトーク』というものか」
「………。う~ん……確かに『ガールズトーク』だけど、何かが少し違うと思う……」
そうなのか?
まぁなんとなく思っただけで、実際はどうでもいいんだけどな…………って、
「あ」
「……あ?」
いきなりの俺の言葉に対してサラが反応した。
「忘れてた」
そう、俺はとても大切なことを言い忘れていた。
それは、
「午前二時……」
アーシャに楽しみにしててねと言われた謎の計画だ。
俺は思考を回転させ、執務室しつであったこと、アーシャのことと、午前二時計画(仮)のことを、盛り上がっているところすまないが皆を集め、話した。
「なるほど、このままだとヤスは帝都に帰らなければいけなくなるね」
グレンは冷静にそう言った。
「あぁ、でも俺は帰るわけにはいかない。サラの記憶のことがあるからな」
まぁ、騎士団のこともまだあるけど。
と、その時、部屋の中が異様な雰囲気になっていたのを感じた。
「ねぇ、サラの記憶って何?」
すると、カエデがそう質問した。
因みにセツナとルミナもカエデと同じで俺を見ていた。
「そうか、言ってなかったな」
「待ってヤス、……私が自分で説明する」
そして、サラはカエデたちに自分の記憶喪失について説明をした。
「そうなんだ…、そんな大変なことに…」
カエデ、セツナ、ルミナは初めて聞いたサラの事情に驚いていた。
「ごめんなさい、みんなに心配かけたくなくて言わなかったの……」
サラはカエデたちに謝っていた。
「……それで、ヤスはサラの記憶を戻す旅を続けるため、帝都には帰れないと」
セツナは俺の言いたいことを上手くまとめていた。
「あぁ、そしてそこでだ」
「アーシャっていう騎士が、午前二時に部屋に来るっていうやつか…」
「あぁ、どうやら何か考えがあるらしいんだ」
俺はグレンの言葉に対してそう答えた。
あの話の流れからすると、俺が帰らなくて済む作戦が思い付いたみたいだったからな。
「とりあえずアーシャを信じて、準備万端で午前二時を迎えてくれないか」
すると、皆は頷いてくれた。
そして、どんな作戦かは分からないがアーシャの考えに賭け、俺たちは午前二時に向けて準備をするのだった。