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4、心の変化

足音が響き渡る。


水滴が落ちる音が聴こえるほど、鉱山の中は静まり返っていた。


本当に魔物が暴れてるのか疑うぐらいだ。


『もしかして、もう……』


グレンは心が折れそうだった。


ったく、どこにいるんだ。



鉱山の中は松明の明かりだけで薄暗いところも多々ある。


これじゃあ、いつ魔物に襲われるか分からないな。


『気を引き閉めていくぞ』


『……ん?あ、あぁ、冷静かつ迅速にだね……』



おいおい、大丈夫か?


グレンに冷静さを感じられなかった。

まぁ無理も無いけどな。

その時だった、奥から話し声が聞こえた。



『母さん?!』


『おいっ、ちょっ!待てって!』



声のする方にグレンは走り出した。

俺も慌てて追う。



すると、騎士団がそこには居た。

しかし、村の人は見当たらなかった。



『おい、村の人は!母さんは!』


グレンは騎士の両肩を掴んで揺らし、叫んだ。


『うるさい!触るな!分をわきまえろ!』


グレンは突き飛ばされた。


『おい、大丈夫かよ』


『……くそっ!』



グレンは小声で言った。

俺は騎士に聞いた。


『村の人はもうこの中にはいないんだろうな』


『村の人?あぁそれがまだいるんだよ』


『いるって……、何処に!』


『それがどっかに行っちまって。こっちはこっちで魔物との応戦で怪我人が出たんで一旦体勢整え中だ、……ってなんだお前ら?』


『……もういい、行くぞ』


俺はグレンの腕を引っ張り奥に進んだ。

この時、俺は騎士、いや騎士団長への尊敬の気持ちが疑問に変わっていた。



『ったく何やってんだよ』


騎士団の話はよく聞いていたが、本当はこんな腐ってたとはな。


まだまだ知らなくてはいけないと俺は思った。


何処までが本当で、何処までが嘘かね。



『キャー!』


『!!!』


その時、奥から女性の叫び声が聞こえた。

『この声…、今度こそ母さん!』


『魔物か?!くそ!』


俺達は急いだ。そして進むと村の人 と思われる人計三人と騎士二人、そして物凄く大きいクマ型の魔物がいた。



『く、くそぉ!』


『グォー!』


騎士は斬りかかったが魔物は騎士の剣を凪ぎ払った。




『母さん!』


その時、グレンはその隙に村の人達の方へ駆け寄った。

おばさん、グレンの母さんもそこにいた。



『う!うわ~!』


その時、騎士二人が逃げていった。

またか、それでも騎士かよ。


すると魔物はグレンをターゲットに腕を振り上げた。



『あぶない!』


『え?』




その瞬間、グレンは 魔物の攻撃を受け、壁に叩きつけられた。

村の人達は一斉に叫んだ。

おばさんはグレンが目の前でやられ、気を失いそうになっていた。



『くそ!』


俺は竹刀で斬り、いや打ちかかったがさすがに僅かなダメージしか与えられない。


『くそ!どうすれっ!?』


その瞬間、俺も魔物の攻撃を受け壁に叩きつけられた。


イテッ!

こりゃキツいぜ。


そして俺は近くに落ちてた騎士の剣を拾った。


へへ、良いもんがあんじゃねぇか。

これが実物の剣か、初めて握るぜ。


『おぃ!生きてるか!』


俺はグレンに呼び掛けた。


『あぁ、何とかな』



俺は何か策を考えた。

ただ突っ込むだけではまた返り討ちだ。

少しの隙……、いや完全に隙を作れれば。



今魔物は俺とグレンに挟まれ道の真ん中、………真ん中?



『そうか!』


俺は思い付いた。

一か八か、やってみる価値はあると思う。


『松明だ!松明を落としてくれ!』


俺はグレンにそう呼び掛けた。

松明は幸いにも道の真ん中に吊るされてあったのだ。


『分かった!』


グレンは松明に自分の剣を投げた。



その剣は上手く松明に命中した。

そして、松明は魔物の頭に落ちた。



『グオー!?』



『今だっ!』



俺は松明の火が体毛に移り気をとられている魔物目掛けてもうダッシュ。


そして、





『うおぉぉおお!!!』








魔物の胸に鋭く剣を突き刺した。

魔物は奇声をあげた後、地面へと崩れ落ちた。

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