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37.先ずは冷静に

グレンたちが騎士団に捕まっているのを見つけた俺。

そしてグラティアに向かって進む俺たち。

いや、今は騎士団についていっていると言った方が良いだろう。

そう、俺たちの目の前には騎士団の最後尾が見えているからだ。

気づかれずにこのままついていってチャンスがあれば助け出すというのも俺は考えていたのだが、


「ヤスっち、無理は禁物だよ!」


と、ルミナに釘も打たれている。

まぁ、確かに俺たちまで捕まったらもともこもないからな。





追跡を始めて結構経ったが何の変化も一向に見せず、ひたすらグラティア方面に進む騎士団。

これじゃあ手を出すことは出来ない。

そしてもうすぐグラティアだ。


「グレンたち大丈夫かな………」


サラの心配がガンガンに伝わってくる。

そのグレンたちだが、両腕を縛られて一列に並ばされて歩かされている。

しかし、あれだな。

俺だったら大暴れものだな。

てか、グレンとセツナは分かるがカエデが静かなのが俺には考えられない。

……まぁ、こんな状況で騒いでる方がおかしいか。


「お、グラティアが見えてきたよ~」


ルミナが小声で言った。

そしてとうとうグラティアまで来てしまった。

俺たちはグラティアに騎士団が入っていくのを少し離れたところから見届けた後、続いて入った。

するとルミナは街の中を見回した後、


「ありゃりゃ、街の人たちちょっと驚いちゃってるねぇ~」


そりゃそうだろ。


そう、ルミナの言う通り、グラティアは緊張感でいっぱいであった。

なんたって大勢の騎士がいきなり入ってきたんだ。

それに、グラティアはグロリア騎士団に占拠されてると言ってもカエデの話が正しければ過言じゃない。

まぁ、住民の扱いや騎士団との関係が今どのようなものになっているのか知らないがな。

とりあえず、誰だって驚くさ。


そして俺たちはそのまま騎士団の後をつける。

と、やはり思った通りだ。


「城の中に入ってったね」


「そうだな…」


サラの言葉にそう返事をした俺。

これまた立派な城の前で俺たちは止まった。

しかし一体どうしたら城に招待されんだ?俺も招待されて豪華なディナーをご馳走になりたいもんだぜ……。

とまぁ、冗談はさておき……。


「はてさて、これからどうするかだ…」


グレンたちは城の中に連れていかれた。

だからといって、正面から入ろうとしても追い返されるだけ、もしくは俺たちまで捕まってしまうだろう。

とまぁ、先ずはやっぱり……。


「裏口とか無いのかな?」


おっと。

その時、サラがそう言った。


「どうだろうね~?探してみよっか♪」


するとサラとルミナは早速行動に移したのだ。

おいおい、勝手に動くなよな…。





そして探してみた結果。


「無いね」


いや、実際にはあったっちゃあったのだが、結構騎士が居て今すぐには入れそうになかったのだ。


「やっぱり無理しちゃう?」


おいおい、さっき無理するなって言ったのは何処のどいつだよ……。


「やっぱ私の柄に合わないや。無茶もしないとね♪」


何と言うか、ルミナは良い性格してるな、本当に。

でも何故か許せてしまうんだよな。


「んでどうするんだ?てか、無茶するって言っても正面から突っ込むのは嫌だぞ」


俺がそう言うと、「え?そんな正面から突っ込んだりなんかしないよ~♪」と、声のトーンをぶらしながら言い、その後、腕を組み考え始めたルミナ。

……こりゃ図星だな、全く。


「あのさぁ、私思ったんだけど……」


その時、サラが手を挙げた。


「私とヤスは神殿から流されたじゃん?だからそのことから思ったんだけど、地下水路を思い付いたの。城の下にも絶対地下水路はあるよね?」


「……そうか!地下水路!」


どっかから地下水路に入って城に侵入か……、良いかもしれないな。


「良いねそれ!じゃあ早速入り口を探そうよ♪」


ルミナは面白がっていた。

遊びじゃないんだからな。


「まぁ、その方法は良いと思う。が、流れが流れで言いそびれてたが、先ずはどうして捕まったか聞かないか?」


すると、俺の言葉を聞いたサラとルミナは少し静かになった。

熱くなっていたのが少し冷め、冷静を取り戻したのだ。


「つい熱くなっちゃった」


やれやれ。


そして騎士に話を聞いてみることにした俺たちであった。








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