33.二人
真っ白な世界…。
しかし、小鳥のさえずりとなだらかな川の流れる音が聴こえる…。
身体はふんわり浮き、空を飛んでいるかのように気持ちが良い…。
……俺は今どうしてこんなところにいるのだろう…。
俺は何を…してたんだっけか?
……確か…廃墟……そう…神殿の地下…で………。
……地下?
………………!!!
「はっ!」
俺は目を開けた。
うっ、日差しが眩しい…。
「俺は一体……」
そこは河原だった。
俺はゆっくり寝ていた体を起こし、考えた。
……そうか、確か神殿の地下で床が落ちて…、その下に川が通っていたのか…。
「……!サラは?!」
確か一緒に落ちたはず!
急いで辺りを見回した。
すると、
「サラ!」
少し離れたところにサラは倒れていた。
俺は急いで駆け寄った。
「大丈夫か?!サラ!サラッ!!」
「…ん?……ヤス?」
良かった…。
サラが目を開け、俺は安心した。
見た感じ怪我は無さそうだった。
「……ここは?」
「…わからない」
俺は周りを再度確認してから言った。
まぁ、外に一度も出たことなかった俺だし、何と言っても俺の住んでる大陸じゃないからな。
とりあえず、周りは森で囲まれている。
神殿の近くなのだろうか、それとも結構流されてしまったのか……。
「少し休んだら探索しよう」
もう朝だ。
休まないと体が持たないぜ。
しかし、俺たちよく生きてたな…。
少し休んだ俺とサラは森の中に入った。
とりあえず、二人ってこともあり慎重に進んでいた。
こんなところで魔物に襲われたらやられてしまうかもしれないからな。
「みんな…大丈夫かな?」
「大丈夫だよ、あいつらは強いからな」
セツナがいるからな、それにグレンも冷静に判断できるし。
で、カエデは省略。
とまぁ、あいつらは良いとして俺たちだな。
冗談抜きで今の状態じゃ辛い。
でも、もしもの事が起きたらサラだけでも守る覚悟はある。
何としてもね。
「あ!ヤス!」
その時、サラが何かを見つけ指を差していた。
俺が指差す方を見るとそこには…。
「道だな」
人が通るように整備された道があった。
「この道を辿っていけばどっか街に行けるかもしれないよ!」
サラの言う通りそうかもな。
とりあえず、森の中で迷わなくて良かった。
と、その時、俺は何かに気づいた。
こちらに何かが近づいてくるような…。
「うわぁ!どうしたのヤス?!」
「しっ!静かに…」
俺はサラを引っ張り、咄嗟に草むらに隠れた。
すると、柄の悪い男と女の軍団が歩いてきたのだ。
何だ?盗賊団か何かか?
「…あ、あれ?あの人どっかで見たことあったような…」
と、サラが隣で考えていた。
ん?もしかして記憶が?!
「あ、違うの。無くしてからで、見たことあるような気がしたの」
そうか…。
でも俺はピンとは来ないな。
悪者って感じにしか見えない。
そして、その軍団は通り過ぎていった。
「しかし、何だったんだろうなあの軍団は…」
何だか気になるが、そんなこと気にしてる場合でも無いか…。
とりあえず、まずはみんなと合流することを考えなきゃ。
と、考えてたその時だった。
「うわ~ん!みんな~待ってってばぁ!」
今度は何だ?
盗賊軍団(?)の次は泣き声を発した女が走ってきた。
「はぁ、はぁ。全くもうぉ~!」
その女は俺たちが隠れている草むらの前で止まって息を整えて始めた。
えっと、どうしよう?
てか、さっきの団体の仲間なのか?
「何者なのかな?」
さぁな。
と、次の瞬間。
「うわっ?!」
女が叫んだ。
「……魔物だ!」
確認すると女の前には三体の魔物が現れていた。
「ヤス!」
あぁ、分かってるよ!
俺たちは外に飛び出した。
「何々?!今度は何?!」
「大丈夫!魔物は任せて!」
サラがビックリしてる女に声をかけた。
「サラ!行くぜ!」
「うん!」
そして俺は剣を抜いた。