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2、騎士は何を

俺は彼女を抱き抱え村までやって来た。


そろそろ日が沈む頃だろうか。


俺はいろいろな事があり疲れていたが、ほんの一時疲れを忘れさせられた。

その村は草木が恵まれていて俺は初めての光景で見とれていたからだ。

しかし、すぐさま1つ気になった事があった。




それはピリピリした雰囲気だ。




村の人は何かに縛られているように感じた。


考えすぎかなと思い、徐々に疲れを思い出しながら、とりあえず俺は宿屋を探し始めた。

早く彼女を休ませなくては。


その時、町の中を進んでいくと、何やら見たことがある団体が目に入った。


帝都の騎士だ。


帝都の騎士は今、各街の豊かな街作りや治安維持などの手助けをしていると聞く。

なるほど、この村にもちゃんといるんだな。


その騎士達は集まって会議をしているみたいだった。その時、その騎士団の所に村の人々が集まって来た。そして騎士団含め村の人々は村の外へ出ていった。


一体何処に行くんだ、あいつら。


不思議に思いながらも俺は村の宿屋に歩きついた。


『いらっしゃい、……ってあなた達ぼろぼろじゃないか?!大丈夫かい?!』



宿屋のおばさんだ。


『とりあえず、この娘にベッドを用意してくれないか!』


俺は近くの川で流れ着いていたことを話した。


『分かったわ、彼女は私に任して。あなたはそこの部屋を使いなさい』


そう言っておばさんは彼女と共に奥に消えていった。

彼女、大丈夫だろうか。


とりあえず、俺も部屋に入りシャワーを浴びた。

俺はシャワーを浴びながら、いろいろ頭の中で整理していた。


さっきの騎士団のこととか今後どうするかとかね。


……てか、試験の存在忘れてたぜ。

まぁ別に良いんだけど迷惑かけてなきゃ良いんだが。

あとは母さんの形見を盗んだ女。

もう遠くへ行ってしまったんだろうか。

ったく、あのビバッチのやろう。


俺は風呂から上がり、外の空気を吸いに行こうとフロントまでやって来た。


『あ、待ってください!』


俺は呼び止められた。

声のする方を向くと、一人の俺と同い年ぐらいに見える男が立っていた。



『彼女の連れの方ですよね?』


『あぁ、まぁそうなるかな』


『安心してください。今はぐっすり眠ってます。』



打ち身などの軽い傷ぐらいだったらしい。

良かった。


『あ、そういえば聞きたいことがあるんだが』



俺はさっきの出来事が心に引っ掛かっていたので聞いてみた。


『ここに来る途中、騎士達と村の人達が村から出るの見たんだが、いったい何処に行くんだ?』


俺がそう言うと、男は黙った。

ん?俺変なこと言ったか?


『近くの鉱山です』


彼は喋り出した。


『騎士の奴等は俺達村の人々を利用してるんだ』


俺はびっくりした。


『利用?!それっていったい……』


『あいつらは村の人々を交代で利用して鉱山で採掘させて自分たち帝都の利益にするんだ、俺達にはほとんど利益は無いよ』


まさか、騎士団がそんなことを…。

俺は混乱していた。


『すまない、変なこと聞いて…』


俺はそう言って自分の部屋に戻った。

俺はまだ言われたことを受け止めることが出来なかった。


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