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28.三色の鳥の秘密

「それが見失っちゃたのよ」


「やっぱりか…」


微笑みながらそう言ったセツナに対し、俺は軽い溜め息。


見るからに広そうな廃墟の地下に居る俺たち。

しかしまぁ、目的の奴等は間違いなくこの廃墟の地下の中に居るってのは確実みたいだから、根気よく探すしかないか。


「あ、因みにここは廃墟だけど神殿よ。もう調査は済んでいて、特に何も残ってなかったみたいだけど…、何の用かしらね?」


へぇ、やっぱり神殿か。

やっぱりトレジャーハンターか何かか?

まぁどっちにしろ母さんの形見は返してもらわないとな。


「とりあえず、中を回ってみよう」


じゃないと何も始まらないからな。


「じゃあ、私も一緒に行くわ」


来てくれるのか?!

これは心強いな!


「えぇ、またよろしくね」


そして、再びセツナが仲間になったところで、俺たちは再び神殿探索を始めた。


「ところで、サラどうしちゃったの?」


あ、あぁ、まぁ気にするな…。





地下探索を始めた俺たち。

しかし地下は迷路みたいに何個の別れ道、そして行き止まり…。

皆混乱し始めていた。


「次は左ね」


「何言ってんのよセツナ。真っ直ぐに決まってるじゃない」


「ガクガク、ぶるぶる」


「賑やかで良い雰囲気だな。そう思わないかヤス?」


「あのなぁグレン……」


移動しながら地図でも書いておけばよかったな。

まぁ今さら言っても仕方ないけど。はぁ…、大丈夫かな?


その後、俺たちは明らかに同じところを回っていたことは言うまでもない…。





かなり迷ってやっとのこと。

俺たちはかなり奥まで進み、他の部屋とは明らかに雰囲気が違う部屋にたどり着いた。


「怪しいわね」


カエデが腕を組み、部屋を見渡す。

なんだろう、壁の色が薄い黄色に見える。


「あ!また何か書いてある!」


カエデがこっちを振り向きながら壁に指差している。

そこにセツナが近づき、文字を読んだ。


「えっと、『意志を示せ』って書いてあるわ」


意志を示せ……か。

一体どういうことなんだろうか。

進みたいって意志とかそんな感じか?


「意志かぁ…、ということは…」


そう言うとカエデは壁から少し下がった。

…何をしようとしてるんだ?


「よし!行くわよ!」


するとカエデは壁に向かって走り出した。

まさか……。


「うりゃ!」



カエデの体が宙に浮いた。

そして……。


ドー―ーン!


壁を蹴った……。


「あれ?何で開かないの?!」


そんなことで開くわけないだろ。

何考えてんだカエデは。

と思っていた矢先、カエデは懲りずに壁を何回も蹴っていた…。


そして少し時間が経ち……。


「あぁ!もう!開かないじゃない!」


そりゃそうだ。

ただ壁を殴って蹴ってるだけだからな。

しかし、どうすれば開くんだろうな。


と、その時だった。

カエデから何やら嫌な空気が感じられた。

見てみると下を向いて、握り拳を作り、体をピクピク動かしていた。


「何で。何で開かないのよ!」


はぁ、また暴走か?

そして、予想は的中した。


「開きなさいよっ!」


カエデはそう叫ぶと共に壁に雷の忍術を当てた。


まったく…。

俺はグレンにカエデを止めさせようと頼もうとした。

が、その瞬間だった。


「うおぉ?!」


俺たちは足を取られた。

いきなり地面が揺れ始めたのだ。

てか、冗談じゃない、ここは地下だぞ?!

生き埋めなんかはごめんだぞ?!


とその時だ。


「こ、これは?!」


カエデが雷を当てた壁がゆっくりと開き始めたのだった。

どうした?!とうとう神殿が壊れたか?!


「…そうか!もしかしたら」


その時、グレンが何か思い付いたようだった。


「壁画だよ、壁画!あれがヒントになってるんだよ」


壁画…、確かに示せば開くとかそんなことが書いてあったけど……。


「そして、あの女性の手のひらに乗っていた三色の鳥。あれがヒントだ」


鳥…、確か左から黄、赤、緑だっけか…。

あ、そういえばこの部屋の壁は薄く黄色がかってるな。

そして、カエデの雷系の忍術。

もしかして……。


「俺の考えが正しいと、これは鳥の色と壁の色にあった属性の術を使えば開くんじゃないかな」


なるほど、そうかもしれないな!

となると、この後もまだ赤と緑があるってことか?

赤と緑かぁ…、てか何か面倒くさいな。


そして、そんなこと考えているうちに完全に壁が開いた。

とその時、


「要するに、私のおかげね!」


目の前に居るカエデが仁王立ちして言っていた。

…まぁ、今回はそうなるな…。

なんだか納得いかないが…。


「よし!この調子で行くわよ!」


そして何度も言うが、カエデは一人で突っ走る。

はぁ、調子狂うな……。


そして俺たちは奥へと進み始めた。


こんなんで大丈夫か?本当に…。






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