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17.ゲーム

何だろう。

とても面倒な事が起こりそうな予感がするのは俺だけだろうか。

ダバスの御屋敷の門の前にいる俺たち。

カエデの強引な行動によりダバスを呼び出すことに成功し、今まさに交渉に入るという訳だ。


「ねぇ。前にあんたが買ってった中に指輪が通されているネックレスが混じってなかった?」


『ネックレス?はて、そんなもんあったかな?しかし、何故だ?』


「別に、大した理由は無いけど返してほしいのよ。その分の金は返すからさ」


カエデの奴、大した理由は無いって…。

まぁこの際どうでも良いか。

とりあえず、どんな理由であれ俺のもとに帰ってくればそれで良いんだからな。


『待ってろ、探してきてやろう』


そう言って一旦通信が途絶えた。


「あると良いね」


「そう願うばかりだ」


サラの言葉に答える俺。

今は望みに掛けるしかないな。

少しの間が空き、ダバスが帰ってきた。


『指輪が通されたネックレスだよな。あったぞ』


おぉ!!

やっと見つけたぞ、母さんの形見!

俺は嬉しさのあまりガッツポーズが出てしまった。

はぁ、ここまで長かったぜ。


「じゃあ、どれくらいの金で…」


『金は要らん』


はい?

金は要らないだと?!

まさか、タダで返してくれるのか?

俺たちは驚いていた。

何だ、さすが金持ちは違うな~!

御屋敷の土地面積と同じくらいの心の広……、


『ちょうど暇だったんだのだ!ワシのゲームをクリア出来たら返してやろうではないか』


前言撤回。

何だ、結局面倒事になってしまうのか。

最近多いなと思いながら、俺はため息が漏れる。


「あのぉ、俺たちそんな暇は無いんですけど…」


『ワシは暇なのである』


…ダメだ、話にならない。

ったく、めんどくさいぜ。

でも母さんの形見をここで諦めるわけにはいかない。


「ゲームって何をすれば良いんだよ?」


『おぉ!その様子だとやるんじゃな。内容は……、グラティア裏の滝の近くの森にいるオオトカゲの鱗を取ってくるのじゃ』


「オオトカゲ?」


どうやら魔物のようだ。

要するにオオトカゲを倒せば良いんだな。


「分かった、取ってこよう」


『あ、因みに制限時間は夕方五時までだからの。過ぎたらダメだからな』


夕方五時か…。

只今の時間は昼前。

まぁ余裕だな。


「分かった」


『よし、じゃあ楽しみに待っとるからの。まぁ死なないように頑張りなさい、ククク』


そう言って通信が切れた。

今、最後に死なないようにとか言ってなかったか?

何?そんな危ないのか?

まさかな…。


「まったく。御屋敷忍び込んで取ってった方が早くない?」


おいおいカエデ、泥棒になるのは勘弁だぜ?

どうせ、後々面倒な事になるんだからな。


「オオトカゲかぁ。どうなんだろうな」


「確か、全長三メートルぐらいのトカゲだって聞いたことあるような」


「はぁ?!全長三メートル?!」


何だそのチート。

トカゲでそれって大きすぎだろ。


「大丈夫だよ!何とかなるって!」


何処にそんな根拠があるんだよ、サラ。

そんな巨大なトカゲなんて倒したこと、いや見たことすら無いのに。


「まぁ、仕方ない。ごめん勝手に決めちゃって。みんな、俺に協力してくれ」


三人ともが頷いてくれた。

よし、ちゃちゃっと終わらせて、母さんの形見を返してもらうぜ。


そして、俺たちはよろず屋で準備をしてグラティアを出発した。

ダバスの言う通りにグラティアの裏の森を進んでいくと徐々に水が地面に打ち付けられる音が聴こえてきた。


「そろそろ滝に着きそうだな」


んで、その滝の近くの森に例のオオトカゲが居る訳か。


「相手はただ大きなトカゲでしょ?楽勝よ」


自信満々にカエデが言う。


「仮にも魔物なんだから気は抜くなよな」


「言われなくても分かってるわよそんなの。承知の上よ」


はいはい。

とまぁ、もうすぐだな。

水しぶきの音が凄い聴こえるぜ。


「お、見えてきたね」


何て言ったんだグレン。

滝の音が大きすぎてよく聴こえない。


そして俺たちはそのまま進んでいくと一旦森を抜け、目の前にとうとう現れた。


「おぉ!これはまた風流な光景だな」


俺たちの目の前に大きな滝のご登場だ。

物凄い高さから水が落ちてくる。

こりゃ凄いや。


「ん、アレは……!?」


その時、俺の目にとある光景が飛び込んできた。





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