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第43話【災いの神してた角田さん】


 そして僕は、ここで自分の手に剣が握らているのがわかった。


 ああ、安心する。


 本当に、この剣があるだけでとても安心する。


 何故、この剣が、いずれ出会うことになろうマテリアルソードがここにあるかまるでわからない、でも、納得。そうなのだ、この剣は常に僕と共にあるのだから。


 「ん? 何だ? それ? ダマスカス鋼か? 器用な真似しやがって!」


 とゼクス様は言うんだけど、その時、僕はそんなことはいいや、ともかく剣が来てくれたから、これで大丈夫って、その時点では何の根拠も増してや自信もなく、ただ漠然とそんなことを思ってたんだ。


 隣にいる真希さんはただただ呆然としてて、


 「アッキー、それ、今の時間軸の物じゃないべ? どうやっったべ? いや、剣の方からの作用だべか……」


 と口ごもった。

 そしたらさ、ゼクス様、つまり当時の角田さんね、


 「おいおい、何だよ、剣を出したくらいで、俺とやりあえるって考えてるんじゃねーだろうな?」


 なんて言い出して、


 「おい、ガキ、もしもお前が俺様に勝てたなら、お前の事を一生、『さん』付で呼んでやるよ、あと、ずっと敬語で話してやる、まあ、ありえねーがな」


 とか言ってた。


 まあ、勝つとか負けるとはともかくとして、この時のゼクト様、つまり当時の角田さんね、真希さんの顔を立てて、適当に戦って、「なかなかやるな、よし、わかった!」ってやろうとしてたらしてたらしいんだ。もちろん当時の僕に危害を加えるつもりなんて毛頭なくて、仕方ねーな、って感じだったんだ。


 そして、ワザワザ「ガー!!」とか言いながら、適当に僕のことを脅かして、襲いかかってくるから、何だ、隙だらけじゃん、って思って、さらに、一緒に来てくれた真希さんの顔を見るくらいの余裕もあって、その時、真希さん好きにしろ、みたいな顔してたから、ああ、殺っちゃっていいんだな、って思って、最接近してきたゼクト様の首をめがけて横に一閃入れてしまったんだよね。


 普通にゼクト様の首は落ちて、でも流石神様な訳で、落ちた首は普通にしゃべてて、


 「おい、何が起こった?」


 って普通に聞いてくるんだ。


 「首跳ねられたべ、お前の負けだべ」


 と真希さんは普通に言った。


 「いや、ちょっと待て、ありえねーだろ? 俺、負けるなんてよ、何だ、どうしてこうなった? なんで俺がお前を逆さに見つめてるんだ?」


 すると、真希さん、


 「どうしたべ? 負けたら敬語で喋るんじゃなかったか? ん? どうした?」


 と挑発なんだかよくわからない上から目線で真希さんは言うんだ。


 「ちょ、ちょっと待て、もう一回だ、なんか納得いかねー、おいガキ、お前名前はなんて言うんだ?」


 って言うから、「真壁秋」って普通に名前を名乗ったんだ。


 「よし、わかった、もう一回な、もう一回だけやろう、『理』はくれてやるから、もう一回だ」


 ってしつこい。


 「何度やっても同じだべ、多分、本気でも勝てないべ」


 「何でだよ、今のはちょっとした油断だ、もう一度やれば、わかるって、な、もう一回やろうぜ」


 ってなかなか諦めない。


 だからかもしれないけど、めんどくさくなった真希さんは、


 「無理だって言ってるべ、こいつ『東雲』の血を引く今日花の息子だぞ、多分、春夏が自身を犠牲にこの子を残してるってことは、こちら『側の力の終極点』だべ」


 って言ってた。


 そしたら、ゼクト様、生首だけど、その目を大きく見開いて、


 「さ、先に言えよ! そう言うことは戦う前に言っとくもんだぞ、ちょっと待てって、待って、いや、本当に待てくださいよ、秋さん! 秋さんってば!」


 って首になったまま言い続けてたけど、僕らは先を急いた。だって春夏姉ちゃんを生き返らせないといけないから。


 「マジ、いつまでも待ってますから、再戦してくださいって、秋さん? 聞いてます? 秋さ〜ん!!!」


 その場を離れ、先を急ぐ僕らに、いつまでもしつこく声をかけていた。


 もちろん無視。だって僕の頭の中は春夏姉を生き返らせる事が出来るってだけで一杯だったんだから仕方ないよね。


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