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第35話【僕と春夏さんの結婚式直前待った無し】

 なんかすごい人だ。


 いやあ、もうお祭りだよ。本当のどっかのイベント会場。


 普通のイベントと違うのは、みんな見た顔、知り合い、友達が全員って事。


 本当に、どうしてこうなったのだろう?


 ここ、例の円山の結婚式場。


 イベントというか、くじの景品で当たった賞品の結婚式の真似事ってか、結婚ごっこその準備の真っ最中。


 一応、土岐の奴がイベント参加の人間が変わってって事を式場側に報告すると、式場側が全く問題ないということなので、このような段取りになった。


 イベントとしては普通に結婚式の偽物をして、と言っても神父さんは本物だけど、それ以外の僕らを祝福しに来てくれてる人たちは、このイベントとは別に有料参加だから、結果として、この結婚式場は儲かっていそうだから、なんかよかったよ。


 例年は、恋人同士二人っきりの結婚式らしんだけど、今回の場合、僕らのこの結婚ゴッゴを見たいと言う人が結構いて、それならって事で有料になった。


 お金かかるならみんな不参加になると思ってたけど、どう言うわけか、減りもしないでみんないるんだ。一人2000円くらいは払っってるって聞いた。


 本当に物好きが多いよね、だってこれって本物ではないから、そう言っていたのにみんな僕らの付き合ってくれてるみたい。


 僕、今、花婿さんの控え室にいるんだけど、何やら忙しくて本気で全然落ち着かない。


 周りには着付師さんとかメイクさんとかいるから好き勝手動けないけど、いなかったら、この部屋の中を右往左往していると思う。


 さっきまで、土岐とリリスさんがいて、普通に話してた、本来ならこの姿は土岐のものだったんだけど、今回、諦めた原因が原因だから、僕も流石にそんなことは言わないでいたんだけど、色々、特にここでなくてもって内容の、取るに足らない話をした後、


 「なんか悪かったな」


 なんて言うから、


 「別にお前の所為じゃ無いじゃん」


 って行ったら、ちょっと寂しく笑ってた。


 本当に、別にこんな結婚式ゴッゴくらいいいじゃんって思うけど、やっぱりリリスさんのモンスターなお嬢さんと、普通の人間の結婚って、思った以上に色々言う人とかもいて、ハードルは高いみたい。本当に納得がいかない。


 何をどうあっても、そんなの二人の問題で他は関係ないじゃん、って思うけど、今はまだ、その辺については、特に北海道ダンジョンを知らない人が政府高官にいて、今後もそんな風に口を出して来るのは予想できるそうだ。


 普通に偏見だと思う。


 でも、少なくとも土岐とリリスさんが本物の結婚式をする時までになんとかしたいと思ってる。


 多分、だけど彼らの言う常識なんて、この北海道にダンジョンができた時点てすでに無効なんだよ。そう言うことがわかってないんだ。


 そんな風にちょっとプンスカしてる僕に、


 「あら、まあ、可愛らしい花婿さんねえ」


 と、扉を開いて入ってきたのは、春夏さんのお母さんの明日葉さん。


 「まだ今日花は来てないの?」


 って続けて質問してくるから、「春夏さんの方に行ってるはずですよ」って行ったら、


 「あらやだ、すれ違いかしら?」


 と言って、多分春夏さんの方に行った。


 そして、その明日葉さんと一緒にきたのは………………………。


 「挨拶にはきてもらってないが」


 とボソッと言う、長身のおじさん。知ってる。一度だけ会ったことはある。春夏さんのお父さん。ほとんど初見と言っていいい。


 「こんにちわ」


 ひとまず挨拶してみる。


 すると、春夏さんのお父さん、またゴホンと一つ咳払い。


 「いや、その挨拶ではなくてな、一応、一人娘なのだから、私達、親に何かの挨拶と言うか、断りを入れてもいいのではなかったのかな?」


 と、言われる。ちょっと強面でオールバックで体格いいから、傍目に怖そうに見えるけど、声はすごく優しそう。


 で、春夏さんのお父さんの要件についてだけど、


 「あー………」


 ちょっと返答に困る。


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