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第29話【土岐とリリスさん】

 白馬さん達自衛隊の皆さんは、泣きじゃくるディアボロスくんを連れて、一旦外に出ると言って、僕らから離れて行った。多分外の他の自衛隊の皆さんに合流したんだと思う。


 そして僕らは本来の目的を果たす為に、土岐とリリスさんを探そうって思って、未だスライムの森の中にいた真希さん含んだギルドの皆さんに、挨拶して先を急ごうとすると、そこにいた紺さんと水島くんに………。


 あ、今この二人付き合ってるんだよ。本当にいつの間にかだよね。だからあの時、蒼さんの里にたんだなあ、一応、紺さんのご両親に挨拶して、「真面目に付き合ってます」って言う話をしたんだって。何だろう、最近、水島くんとか大人びて見える事あったけど、なるほどそう言うことか、って納得してしまったよ。


 で、その水島くんが言うには、


 「あの二人なら深階層、風の砦にいたぞ」


 だ、そうだ。


 そっか、D &Dにいるんだね。


 じゃあ、そこに行こうとしたら、薫子さんと雪華さん、だから茉薙もギルドの人を手伝うとかで離れて行った。


 一応、封鎖した箇所の確認と、今回、真希さんがほとんど出会い頭に叩き潰した正体不明のマルフィックさんの調査と、同じく記録を取らなといけないらしくて、そっちのお手伝いに、と言うか彼女達はそっちが本分なので、頑張るみたい。


 で、僕らは深階層に入って最初の階層、風吹きすさぶ荒野の砦にたどり着いていた。


 事前に連絡を入れておけばいいのかもだけど、まあ、そんな気の回る僕でもないし、葉山も、「いいんじゃない」って言うから、普通に押しかけた。


 すると、紺さんあたりかな、すでに連絡をしていてくれていて、一心さんが待っていてくれた。だからじゃないけど辰野さんもいて、


 「やあ、早かったね」


 なんて事を言われた。


 で、そこで気がついたみたいに、


 「あ、辰野さん、一心さん、ご婚約おめでとうございます」


 って葉山が頭を下げるので、僕らもそれに習って頭を下げる。


 「あ、ありがとう、気を使わせたね」


 と辰野さんがお礼を言うと、


 「おめでとう、浅葱、よかったな」


 って蒼さんが言うと、


 「ありがとうございます、蒼様」


 と浅葱さんも深々と頭を下げていた。


 そうなんだよ、行く時も帰る時もこの二人一緒だったんたんだ。


 で、特に帰り時は雰囲気が違ってたから、何かあったのかなあ、って、ついてからは、あまり、里で見かけなかったから、要所要所でのイベントでは見かけたけど、それ以外はもうさっぱりだった。


 僕らは、ほら本家の方にお邪魔してたしね、辰野さんは一心さんの所にお邪魔してたみたいだから何やってたんだろとは思ったけど、まさかこんな事になっていようとはね、驚きだったよ。


 そうなんだよ、この二人、ダンジョン卒業したら、そのままもう行く大学とかも決まってた、そのまま卒業後に結婚と言う流れらしい。


 そんな幸せんは気分も束の間、


 「ここに、うちの土岐蓮也が来てるって聞いてるけど」


 と八瀬さんが僕らのフンワカでホンワカな雰囲気に押し入って来る。


 まあ、そうだね、それが目的だったね。


 「ああ、いるよ、リリスも一緒だけど、君は確か彼の肉親みたいなものだったね、それに君達もどうぞ、奥にいるよ」


 とあっさり通してくれた。


 一応、いろんなところから刺客みたいのを差し向けられていたんだって。


 だから二人とも匿っていたらしいんだ。特に海外からのダンジョンウォーカーを使っているらしくて、そんな事情も知らない人を使って、特にあのリリスさんを襲わせるなんて、ほとんど自爆に近いから、余計なトラブルにならないようにここに匿っていたらしい。


 確かに正しい判断だな、って思う。というか感心した。


 「ああ、一心の提案なんだ」


 って辰野さん言ってた。言わなくてもいいのにって思うけど、こういう所がこの人らしい。


 で、部屋の前、ここ多分、辰野さんと一心さんの執務室みたいな所。普通に入ってみると、土岐、普通に客対応スペースにリリスさんと一緒にいた。


 「なんだ、今度はお前が刺客か?」


 とリリスさん。


 「いや、そんな訳ないし」


 「なんか悪いな、話がでかくなってるみたいで」


 と土岐が言う。


 「全くだよ、本当に良い迷惑だ」


 これは八瀬さんが言った。


 いつもの口調って感じじゃ無くて、普通に家族の不始末に腹を立ててるみたい。だからあまり厳しい口調でも無いんだ。


 「悪りぃい、八瀬」


 さして悪い事をしている様に言うんだけど、その横ではリリスさんが頭を下げていた。


 「で、どうすんの? 真面目に君達、結婚するつもりなの?」


 って話になって、その言葉に、リリスさんと土岐はお互いい顔を見合わせる。


 「いや、僕としてはさ、蓮也が幸せになるなら良いんだけどさ、この北海道ならそれもアリだから、それについては応援するけど………」


 と意外だかけど、八瀬さん、土岐に対して真っ向から反対ってわけでも無いんだ。


 でもそれに付け加えて、


 「外がさ、あの様子ならねえ………」


 そうなんだよね、意外な事に、リリスさんみたいな所謂モンスターさんとの結婚みたいな事を許さない人って多くてビックリした。


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