第21話【現代社会に対してこのダンジョンの立ち位置】
白馬さんと会話してて気がついたことがある。
この人って、言い方も返事も完結でわかりやすくていいんだけど、最短で早いんだけど、たどり着いてもいろいろ説明というか語彙が足りない。だから、
「何がどう及ばないのか説明してもらえる?」
って葉山に突っ込まれる。
過程も大事だよね。
そしてその説明は白馬さんではなく、その後ろの仲間、だから同じ隊員の人からもたらされた。
「今、世論誘導の真っ最中だ、ダンジョンウォーカーが撃たれても、殺されても、大事にならないように印象操作される」
え? マジ???
驚く僕に、
「俺は首藤郷士、この白馬隊の副官だ」
と自己紹介をしてくれる。白馬さんほどじゃないけど、長身で、身体つきも他の隊員に比べてでかい、ゴリラって感じかな?
何よりみんなヘルメットを被ってるのに、この人、被ってなくて、しかも長髪だ、と言っても普通の男子くらいの髪の長さだけど、他の自衛隊の人を見るとみんなスポーツ刈りくらいだから余計にそう見えた。
そして、
「首藤、白馬隊など存在しない、北部方面隊分隊大通中隊第2班だ」
と言いなおす。しかし首藤さんはそれに不満があるみたいで、
「隊長、意見具申します、この際、白馬隊を正式名称にしませんか? 今の隊長なら………」
で、首藤さんが何を言いたいのかわかっているみたいで、あっさりと、
「却下だ」
だけど首藤さん食い下がる。
「しかし………」
「後にしろ、今は彼に現状況を説明をしてやったらどうだ」
と、冷静に諭されて、僕の方に向かって話し出した。
「現況を説明しておく、今、ここにあるダンジョンに関して、政府は封じてしまおうという動きになっているのだ」
とか言った。
衝撃的事実だよ、ってか信じられないよ。そんなのニュースとかでも何も言ってなかったじゃん。
普通にいつもの日常だったと思うけど、そんな政府の方針転換初めてきいいたから信じられない。
それに、それやって、過去失敗してきたから今の体制があるんじゃないだろうか?
過ちを三度って思って、言葉を失ってしまう僕だよ。
でもだからと言って白馬さん達が嘘を言っているとも思えない。
だから、思わす、
「なんで?」
すると、今度は、その後ろにいた、ほんとに自衛隊なのかな? ってなくらいヒョロイのっぽの人が、首藤さんの言葉に続いて、
「ダンジョンウォーカーだよ」
と一言告げる。
もう一回言うね、
「なんで?」
三爪さんは、屈んでディアボロス君の対応をしながら、
「脅威だからですよ」
「それは、このダンジョンにいる人間が、ということか?」
これは蒼さんが言った。
「今までは、これまではと言ったほうがいいかもしれません、ダンジョンという正体不明の存在に対して、人はなんらかの対応策を取らなければなりませんでした」
「そうよね、そのためにダンジョンウォーカーですもの」
葉山が言う。
「でも、なんで今更方針転換を? このダンジョンがこの地にできたのって、昨日今日の問題ではないですよ」
雪華さんの言う通りだよ、本当になんで今更って、そう思った。
すると、八瀬さんが、
「外圧に屈したってのが正解かな? この国はそういう国だからさ」
どう言うこと?
白馬さんは笑って、
「そうだ、この情報はまだ外には出ていないが、この所、諸外国の干渉が激しい どうしてかわかるか?」
「いえ」
本当にさっぱりわからない。
「資源とか、ダンジョンから出るギフトとか?」
確かに、それはあるよね、金とか宝石とかも出るしね。