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第19話【人と魔物】

 でも、実際、それがこうして目に見えて近づいて来るってことに気づかされると、やっぱり複雑な気分だ。


 というか嫌だ。


 特に、僕いは具体的な思い出や、それに関する記憶は封じてあるから、感情だけが先走ってるのはわかるけど、だからこそ余計にそう思う。


 もしここに春夏さんがいなかったら、叫び出しそうになるくらい不安になるけど、春夏さんがいなかったらこの喪失感もないので、気持ち的には同士討ちみたいな感じになる。


 そんな僕達をよそに、葉山が、


 「あ、つまりは、今、あなたがディアボロスの?」


 その質問を向けられた白馬さんは、


 「ん、ああ、そうだな、君と同じ立場だよ」


 と言う。


 つまりは………。


 「新たな三柱神、このディアに指名されて、このダンジョンの

『王』になった」


 と、そう白馬さんは言った。


 そしてディアボロスくんは言った。


 「今回、僕はこの白馬君を『勇王』に任命させてもらいました」


 そう言い切ってから、


 「勇王ですよね? なってくれたんですよね?」


 と懐疑的に白馬さんを見て尋ねる、だからどうして疑問形?


 「ああ、そうだ、お前がそうしたんだから、もっと自信を持て」


 「あ、はい!」


 と言ってから、


 「この人、勇王です」


 って再び同じ説明をしてくれる。ちょっと雑な感じになったけど。


 「そういう訳だ、よろしく頼む」


 と白馬さんが言う。


 「はい」


 と一応の返事をする僕だよ。


 なんだろ? 側から見てると、どっちが神様でどちらが指名された王なののだろうかと言う感じの関係だ。アモンさんとか、妹とか角田さんとかの王と神様の関係線しか見たことないから、どちらも多少の問題はあってもしっかしはしていた。妹だって、的確に迷いのながらもしっかりと行動してた気がするけど、このディアボロス君にはそれが一切ないから、畏敬の念なんて持てないかもしれないって、そんな一抹の不安は残るものの、今度はこっちの事だな。


 そっちの要件はひとまず了解だから、今度はこちの要件の事を話し始めようと思う。と言うか、この白馬さんって、端的に目的を言った方が理解をしてくれるので、まず頭の中で、言葉を錯綜すると、


 「私達は、このダンジョンに潜伏しているであろう、男女を探してます」


 と葉山が言ってくれた。


 「その件については把握しています、土岐蓮也さん、そして固有モンスターである、モンスター名『悪魔の花嫁』名称『リリス』ですね」


 と三爪さんが言ってくれた。


 「討伐命令とか出てる?」


 これをハッキリとさせて置かないと、今の白馬さんとの関係が変わってくるから、討伐っていうならここで倒しておかないと。


 「そうだな、それが我々に下されている業務命令だ」


 と白馬さんは言うけど、なんだろう、ちょっと感じが違うから、こっちも身構えないで済む。彼とは対立というわけでもないみたい。


 「だが、我々としても馬に蹴られて死にたくはないので、今はこうして時間を潰しているところだ」


 と続けて言った。つまりはリリスさん討伐の命令は受けているものの、そのつもりは無いといつ事で良いのかな?


 すると、


 「ダメです、勇王、リリス様の相手は倒さないと、絶対にダメです」


 ディアボロスくん何やら必死な形相で白馬さんにいうから、もう一回確認の意味で、


 「って言ってるけど、そうなの?」


 ってそのまま義王である白馬さんにディアボロス君の言葉を渡す僕だよ。


 「ダメですよ、リリス様が、下賎な人間などど番いになるなんて、僕は許せません、特に整理整頓の神として、看過できません」


 ああ、やっぱり片付ける方の神様なんだ。


 すると白馬さん、


 「なんだ、人間は下賎なのか?」


 とディアボロス君に尋ねる。


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