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第9話【包囲され外から隔絶されるダンジョン】

  ひとまず、僕等はタクシー大通4丁目まで来た。


 最初は、ゲートのすぐ近くて降りようと試みるも、そこには、よさこいソーラン祭りかよってくらいの人人人。すぐそこにあるゲートも見えやしない。


 仕方なく、ちょっと離れた所で降りて、周辺の様子を探ることにしたんだ。


 大通公園と駅前通りが交差する交差点付近まで黒山の人集りできていた。


 早めに得た情報によると、ダンジョンが封鎖されているみたいな?


 だからなのか、そこにいる人達の多くがダンジョンウォーカーで、どうやらみんなダンンジョンに入れず締め出されているという話らしい。


 ともかく僕はこの騒動に対して知らないフリして、装備から判断して近くの中堅クラスのダンジョンウォーカーの人に、


 「何かあったんですか?」


 って尋ねてみた。


 「なんでも、超強力なモンスターが地上付近まで出て来たみたいで、ダンジョンは閉鎖されてるらしいんだ」


 って、答えてくれた。そして一緒にいた女の子のダンジョンウォーカーの人が、


 「以前もあったみたい、大きなラミアが深階層から出てきたって噂があったよ」


 って追加で教えてくれた。


 そうなんだ、以前、そんなことがねえ………。


 なるほどなるほど。


 一応は僕は運営側で、そして何よりここにはギルドの幹部な人が二人いて、そんな情報は聞いてない。何かが起こって、対応の為にここにいる雪華さんや薫子さんが呼ばれない訳がないんだ。


 第一、ここから見える、と言っても人をかき分けてちらりと見える程度だけど、4丁目ゲートの入り口にいるのって、どう見てもギルドじゃないんだよ。


 で、僕はもう一回ひとをかき分けて、クリアな視界で4丁目ゲートの方を見るんだけど、そのゲートを封鎖してるのって、やっぱりギルドじゃないんだよ。見た目に鎧、いや、なんだろう、黒く光るパワードスーツみたいなカッコして、歩きもせずに地面を滑るように限られた周辺を移動する人達がいる。


 警戒してるみたいに。そしてゲートに近い、後ろの方に、その他多数のどっかで見たダンジョンウォーカーもいる。


 一番後ろに、控えてるみたいに、どうもここにいる自衛隊の人達に取り込まれたみたいに見えるのは気のせいではないだろうな、きっと。


 あの黒いロボットみたいな服装というか装備、国旗が見えるから、多分自衛隊の組織だと思う。


 「機械化連隊の歩兵ですね、あの装備、安住グループ傘下の安住重工業の『102式防衛型機動支援装甲服』です、まだ実用段階では無いと、確か大柴とJVしていたはずです、おかしいです、単独で開発に成功したなんて聞いて無いです」


 と雪華さんが言うそして、


 「こんな未装備品まで持ち出して………」


 と続けて言う雪華さんの口調は重く、鈍い。


 「ギルドは? ギルドはどうなってるんだ?」


 薫子さんがかなり慌てて尋ねてくるけど、その答えを知る人はいない。


 何より、雪華さんも薫子さんも移動中にスマホで連絡を取ろうとしたけど、繋がって聞こえるのは、『電波の届かないところか、電源が入っておりません』だけで、中の状況なんてわかりはしない。


 もちろん、真希さんを中心としたギルドの人達がそう簡単にやられるわけもないって思うけど、連絡が取れない以上、心配だよね。


 ダンジョンに入れない以上、その確認のしようもないか。


 って思っていたら雪華さん、ゲートに向かって一人歩き始めた。


 雪華さんが行くから当然茉薙も付いてく。


 雪華さんが騒然とする4丁目ゲートの前に出るとそこにいた対立するようにしていたダンジョンウォーカーの人たちは、まるで自分たちの讃える英雄が現れたように、綺麗にその場を開けて、その様相は、ゲートを守る自衛隊の機械化歩兵の皆さんと対峙するかのような、そんな形になる。


 ダンジョンを追い出されて、集まっていたダンジョンウォーカーの人達と、4丁目ゲートを守る様に配備された自衛隊その他の人たちは十メートルに満たない距離を置いて対峙しているから、ちょうどその真ん中付近に一人立つ雪華さん、いや茉薙も一緒だね、雪華さんを守る様に前に出ようとするんだけど、それを手で制して止める雪華さんだ。


 まずは話し合いをしようって事なんだろうね。


 「責任者を」


 と言葉少なく雪華さんは最初の要求を言った。


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