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第1話【多紫町からの帰還】

 その日は家でくつろいでいた。 


 昨日、ようやく蒼さんの実家から帰って来たんだけど、本当に凄いところで、総括して言えるのは、あれ、本当に僕でよかったのだろうか?


 想像していたのの、全く違う展開で、振り回された感はあるけど、それでも充実しつつも、総合的に見ると、散々な日もあったし、でも結果的に楽しい毎日だった。


 って言うか、一度、連れて来て、って僕が呼ばれてたのは、本当に顔を見たかっただけで、裏も表もなかったんだよ。


 色々と戦って、飛んだり跳ねたり暴れまわった感はあるけど、実際にそこまで戦ったのって、蒼さんとの初代微水様へ奉納する、と言っても本人いたけど、その『集霧院秋鴉』完成お披露目『御前試合』くらいのもので、後は数は数あった気はするけど、そうでもなかったというか、ダンジョンとあまり変わらなかった気がする。


 それでも時間があれば、直ぐにでもダンジョンに行きたかったけど、なんかバタバタしていて、なかなか行けそうもない。


 今日もやる事というか、10日以上学校も公休取っちゃったし、宿題ももらってるから今日どころか明日だって行けそうもないなあ、ダンジョンは逃げないからって、無理矢理納得している僕だよ。


 代わりにと言ってはなんだけど春夏さんとか遊びに来てくれてる。10日間ぶりの春夏さんにさっきまで感激していた僕だったよ。


 それにしても激動の10日間だった。


 特に後半は色々とあった。


 そして目的も果たせて良かったよ。


 本当に凄かった、新装備、集霧院秋鴉を装備した蒼さん。


 接近戦以上のレンジ、つまり互いに息の音さえ聞こえて来そうな戦闘距離、多分恋人距離から友人距離くらいまでは葉山すら圧倒していた。葉山は納得してないけど。


 何より今回、新たに手に入れた、その集霧院秋鴉、本当にまさに文字通り、蒼さんに誂えて造られてるからその相性の良さって言うのが、僕に対するマテリアルソードみたいにぴったりで、蒼さんの良いとこを存分に引き出して、と言うかその能力は多方面に倍加してる。


 それはいいんだけど、蒼さんの専用装備に僕の名前を入れたのは、ちょっとこそばゆいと言うか、恥ずかしいと言うか、悪い気はしないけど、ちょっと烏滸がましい気がしてならなくて、最後まで遠慮というか辞退したかったけど初代微水さん曰く、そっちの方が蒼の気持ちが乗る、って言うし、蒼さんも、なんか見た事ないくらい喜んでるからまあいいのかって気持にはなるから、深く考えいないようにしようと思う。


 幸せになる人がいる以上、僕の心の持ち方次第だから、その辺はいいかって思うんだ。


 それに蒼さん、僕みたいに寝るときも一生だから相当気に入っているんだと思うから、良かったよ。来た甲斐が会ったと言うものだよ。


 手甲剣と言うより拳の延長みたいに装備する、よく知らないけど、インドの武器てパタって言うの? あんな形で、実際は、内と外で合計6枚の刃のトライアングルで、細身の刃で構成されたデルタ刀。


 多分、剣としてもナックル系武器としても、普通の人なら使えない。でもその形と大きさと重さは、蒼さんの技術に身体能力を十二分に生かして、その身体を含めた部分が武器の様な形になって襲い掛かってくる。


 点としての突きも一瞬で30連撃を超えるから、多分、あれ、葉山も対応できないと言うか、初見は辛いと思うし実際、あっさり排除されてた、と言うか負けを認めてた、でも今は認めてないけど。


 それにしても、あの戦闘集落である多月さん家の里、多紫町を持ってしても、蒼さんって特別な存在だったって事がよくわかったよ。


 何より、行ったみんなもそれなりの収穫とかあったみたいで、薫子さんなんて、19代の微水さんととても仲良くなって、挙句に、専用のバッソ(バスタードソードの略)銘が、『白護輝鴟梟初ノ太刀』とか言う、真っ白い剣まで造ってもらったみたいで、なんでも各代々の微水さんには、受け継ぐ『鴉』以外にその世代のテーマみたいなものがあって、今の19代さんは、梟なんだそうだ。


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