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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆閑話休題章 青鬼見聞録 [隠匿された里の物語]◆
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その66【望郷心を呼ぶ懐かし名の響き】

 こうして戦ってる訳だけど、町の皆さんはみんな大体半分残して本家のお屋敷、つまり多月さんの家に行ってしまったんだよ。微水さんまでも薫子さんと一緒に本家に行ってしまう。僕側の応援席には焔丸くんと、葉山だけがいる。


 「ほら、真壁隙見せてるよ、とっととぶった斬れ!」


 って叫んでる、葉山は僕の応援じゃなかったよ。ちょっと寂しいな、って思うけどまあ良いや。


 それにしても、辰野さんと一心さんはともかく、紺さんとか藍さんとかも秋の木葉の人だから強いのはわかるけど、水島くんてこんなにやれる人だったっけな?って思ってる僕だよ。


 「くそ、入らねえ!」


 って言いながら、雷に、氷に、炎に、自在に剣に付帯させながら僕に斬りかかって来る。


 なんだろう、引かないと言うか、前に前に出て来る粘りというか力があるんだ。


 「秋先輩、水島先輩強くなったと思いませんか?」


 って聞いて来ながら斬りかかって来るから、


 「うん、そうだね、あのおっぱいロード(閑話休題5【少女達は競い淘汰して行く、同じ終点に向けて】参照)の時とは段違だね」


 って正直に答えたら、


 「おっぱいロード?????」


 と紺さん、あからさまに怪訝な顔して、水島くんを見てた。


 「真壁!!!! ダメだ!!! その話は! だめ!!!」


 って必死にそう水島くんの唇が動いているのわかるんだ。


 「違うぞ、俺、そんなの興味ねーから! どうしても真壁がついて来て欲しいっていうから……!!!」


 何言ってんのさ?


 「違うじゃん、話持って来たの水島くんじゃん」


 って、確認すると、


 「ま、真壁、お前何言ってるんだよ? しっかりしろ、俺そんなところに行ってないだろ!」


 「行ったじゃん、一緒に、誰のものでもないおっぱいがあるからって、一緒に行ったじゃん、あの創成川の飛び地のダンジョン! キングなコボルトと一緒に戦ったじゃん」


 すると、アッパースイング気味い斬りかかって来てる辰野さんが、


 「ああ、あの場所か、私も行ったぞ、特に恥ずかしがることもないだろ?」


 と意外に参戦して来た。ええ!辰野さんがおっぱいって! って知ってる知ってる。情報の出元の一人だもんね、辰野さん。やっぱさ、みんな好きなんだよ、おっぱい。


 すると、


 「鮫島が言うにな、『そこに幸せがある』と言う話だったんだ、男子しか行ってはいけないから、黒の集刃、及びD &Dによる有志一同で頑張ったよ」


 って爽やかに言ってるから、きっと内容も知らずに行ったんだなって理解した。


 そして、


 「結局、辿りつけたのは私だけでね、その後何回か挑戦したのち鮫島も行けたらしけど……」


 って一心さんの方を見る。ああ、一心さん顔真っ赤だ。


 「あの時、最後の部屋にはどう言う訳か一心がいたんだ、真壁くんは、春夏くんがいたんだろ?」


 って聞いて来ながら、受け流す。熱っち、グラム熱!


 「ええ、そうですね、なぜか春夏さんがいました」


 と言ったら、


 「本当に不思議な事もあるもんだよ、その後一緒に帰ったんだ、な一心」


 「ええ、はい」


 って一心さんが、どこか恥ずかしそうに言った。


 すると、


 「水島先輩は、誰がいたんですか?」


 低い声だなあ、紺さん、どうしたんだろ?


 「俺は最後までたどり着けなかったんだよ、嫌な事思い出させないでくれ」


 その言葉に、


 「なんだ、そうなんですか!」


 ってやけに嬉しそうな紺さんだったよ。


 でも、なんだろうなあ、こうしてみんなで戦ってるとさ、外だけど、まだお昼前の日差しが眩しいけど、ちょっとダンジョンが懐かしくなってしまったよ。


 そして、辰野さんが春夏さんの名前出すから、会いたくなってしまったよ。


 ほんと、とても長い時間、ここにいるような、急にそんな気がしてならない僕だったよ。

 

 


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