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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆閑話休題章 青鬼見聞録 [隠匿された里の物語]◆
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その65【いつのまにやら対ダンジョンウォーカー戦】

 気がついたら、僕、水嶋くんと戦ってたよ。


 帯電させた剣を大きく振って来る。


 あ、受けても良いんだろうか? 


 ちょっと不安に思ってカチンと剣を重ねたら、水島くんの剣から僕の方へはビリってしなかった。よかった、僕の剣、絶縁体だった。


 「クッソ、ダメか……」


 「良いぞ、水島くん、そのまま背中から行かせてもらう!」


 って言うから、水島くんの後ろから来るって思うじゃん? 


 来ないんだよこれが、横、斜め上から、辰野さんが斬り込んでくる。派手に見せるって事は、こっち囮だよね、ほら、下から紺さんだよ。いや、違う、そのまま抜けて、でもさらに下から藍さんが来た、ってことはやっぱり前から、諦めて離れる軌道がわざとらしいよ水島くん。その背後から、村雨の一閃が襲いかかってくる。しかもこれ切っ先じゃない、真ん中から根元にかけてヌルッとしたのが入ってくるよ、伸びるなあ、一心さんの斬撃。思わす、「すごいね」って言ったら、「お恥ずかしい」って伸びきった村雨を顎にむかって跳ね上げて来た。避ける僕を観て一心さん、「お見事です」って褒めてもらえた。


 なんか良いね、さすが一刀の淑女って言われてるのがわかるよ。


 それに合わせて、辰野さんの上からの斬りさげが来る。


 辰野さんの炎の大剣、グラムからボーボーと炎が上がってる、その小さく踊る舌見たいな炎に触れただけでも結構な熱が来そう、『フレイムタン』とは良く言ったもんだって思ったよ。


 この距離でやりあってたら、火傷はともかく日に焼けちゃうな。


 「今の感じいいぞ、もう一回だ」


 って辰野さんが言うと、僕とのクロスレンジにいた人たちは一旦離れる。


 流石、D &Dのリーダーだよね、すごい統率力だよ。


 確か、辰野さんのスキルって、てか、クラス【ロード】は、指揮下の人の戦闘に関する能力を軒並み上昇させるんだっけ? 僕ら【王】のスキルとは違って、強制力は発揮しないけど、協力下にある人にも作用するって、確か雪華さん情報だとそんな話を聞いた様なないようなだね。


 それに、一心さんと辰野さん。紺さんと水島くん、あと藍さん、ってそれぞれの組み合わせは、ダンジョン内ではなかったと思うだよ。


 もともとギルドにD &Dって違う組織だしさ、それが、ものの見事に合致してる。


 すごいもんだよ。


 いや、さっきまで、町のみんなの相手をしてたんだけどさ、だんだんめんどくさくなってさ、もう、良いからみんな一斉にかかってこいよ、って言ったら、本当にかかって来た。

全く遠慮もないでやんの。言ってって自分で『マジか?』ってなったよ。


 まあ、良いかって思ってたら、その人たちの合間を縫って、彼ら、辰野さんをはじめ、一心さん、水島くん、紺さんが来たって言うわけ。


 でも最初はさ、紺さんは、「お屋形様、助勢に参りました」って言ってたんだよ、そしたら、辰野さんが、「真壁くん、勝負だ!」って言って、「助太刀です、申し訳ありません」って一心さんも来て、「俺も行く、一回、真壁に勝ってみたい」って言い出して、それを見ていた紺さんが、挙動不審になって、散々考えた後に、「お屋形様、私も良いですか?」って言い出して、ついて来た藍さんも、「じゃあ私も」って言う具合に今の状態になったんだよね。


 まあ、良いけど、一人一人やるよりは、早くすみそうだし。


 で戦い始めたら、町の人たちは、みんな気を使って下がってくれて、誰ともなく、


 「仇討ち?」とか物騒な事を聞いてる人がいたけど、紺さんとかがやんわり否定してくれてた。確かに全員で僕に斬りかかってく姿はそう見えるのかもしれない。小学生女子が「ボス戦?」とか言ってた。


 そうだよ、そんな物騒な知り合いじゃないよ、仲良しだよ、今はこうして戦ってるけど。って言おうとしたけど、こんな状態なら誰もそう思うよね。


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