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第84話【セイコーマートのクラブ会員カード??】

 それは、静かに舞って、僕の足元に落ちた。


 ペラっとした、紙じゃあないな、なんかカード的な何か? 


 うん、セイコーマートのクラブ会員カードと同じ大きさだから、ぱっと見だかけどよくわからない

けど。


 落ちた事に気ついた春香さんは、「あ!」って叫んで、紙ゴーレム3体に取り囲まれている事も忘れてしまった様に、その落ちたカード的な何かを拾おうとするけど、結構遠くまで舞ってしまい、それを無意識に追いかけようとして春夏さん、大きく体制が崩れてしまう。


 よっぽど大切な物みたいだ。


 「おっと、これは危ないですね」 


 と、顔色も変えずに角田さんも言う。


 僕は、春夏さんの方に駆け寄る。


 若干、その足元に落ちたカード的なもの?その正体が気になってるけど、先に春夏さんのピンチに体が動いた。


 この時は真面目に何も考えていなかった、本当に反射みたいに体が動いた。


 そして、春夏さんに1番近い『12点』に、本日貰いたてのダマスカス鋼に見えるとか言う金属でできたロングソードを振り上げた。


 え?


 この時、この瞬間、自分の手、だから、この剣を持つてから戻ってくる感触に自分の感覚を疑ってしまった。


 抵抗とかなかったぞ。


 つまり、空を切る感触もなく、それは最速で目標意向かったんだ。そして、攻撃対象である紙ゴーレムに当たった感触も無い。でも、当たったって、切った感触はある。


 剣の走る軌道で、音もなく『12点』は切り裂かれて、地面に落ちた。


 続いて、その後ろから現れた『迷い犬』の額の文字を突き刺し抜いて、もう1体を倒す。 


 そこで、我に帰った春夏さんは、木刀で「ハ!」って気合いと共に、木刀で『募集』の額を貫いてあっさりと倒していた。


 まあ、そうだよね、春夏さんだから、倒そうと思えばいつでも倒せたんだよね、余計な事した感じが否めない僕だったりする。


 それにしても、なんだろ? この剣、相当におかしいよ。


 よく、ゲームとか漫画やアニメなんかで、強い武器を装備した瞬間、強くなるとかって、現実ありえなくない? だって、結局使うのは本人で、その人が武器を使いこなしてこその強さじゃないかって、そう思っていた認識が今、書き換わった瞬間だった。


 正確な認識だと、持ってる実力をきちんと引き出してくれる、武器の性能の限界が、その人の実力にはならないって感覚かもしれない。


 実際、こうして強い武器とか使ってみると、本当に強くなるんだなって、実感した。


 うん、ちょっと武器とか装備とかって人の立場をなめてたかもしれない。なんでもいいやってのはやっぱだめだね。


 しかもこの剣、実力を出すってだけでなくて、僕の稚拙で雑な戦闘技術を補いまくってくれている感じがハンパない。


 まるで切れ味を剣が調整してくれてるみたいなおかしな手ごたえも、やっぱり高価な剣は違うなあ、って、ちょっと感動してしまった。


 この時点で、ちょっと、この剣を自分の立場も考えずに持ち出して、僕に持ってきてくれた冴木さんには感謝かな。


 だから、もしも冴木さんがこの剣が原因で、逮捕、なんてことになったら、「僕がやりました!」くらいは言うよ。いいよ、もう僕が犯人でって思うよ。


 それに、やっぱり僕は剣をじゃないとなあ、って、改めて自覚できたよ。


 もう、体もキレッキレだしね。向かうところ母さん無し(我が家における『敵なし』、的な意味)だね。



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