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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆閑話休題章 青鬼見聞録 [隠匿された里の物語]◆
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その15【札幌発多紫町行】

 北海道、特に札幌管内から本州方面に行くというと、普通は千歳空港から羽田に飛行機で飛んで行くわけだけど、今日に限って、どういうわけか、丘珠空港だった。


 札幌市内、本当に市内にある、比較的小さな空港。


 いや、結局空港って、どんな場所も街からは離れてる傾向にあるけど、この丘珠空港って、ガチに札幌の東区にあって住宅街とかも隣接しているし、札幌市街地も目と鼻の先。


 そいう面では函館空港もそうかもしれないね。湯の川温泉近いもの。


 ここって、ジェット飛べない空港だからプロペラ機しかなくて、どっちかっていうと、北海道内の移動の飛行機なはずなんだけどなあ、と思いながら、夜の7時くらいに集合かけられてて、僕は、母さんを始め、葉山と薫子さんでこの空港に着いたら、もうすでに蒼さんは待機していて、横には五頭さんもいる。


 「お屋形様、こちらです」


 って呼ばれて、まさかの自衛隊の基地の方に連れて行かれた。


 そうなんだよね、丘珠空港の隣って、自衛隊の丘珠駐屯地が隣なんだよね。 


 いいんだろうか、僕ら一応民間人なんだけど、って思って、基地内に入って、そのまま自衛隊の車両に乗せられて、結局は滑走路ではない広場みたいなところに連れて行かれて、そこで、見たこともない飛行機の方へ案内された。


 ええ? この飛行機、ここから空に飛ぶの? って思ってしまう。だって、本当に滑走路って感じじゃないからさ、どっちかっていうとヘリポートな感じだよ。


 でも飛行機、あ、プロペラが前じゃなくて上に向いているからヘリコプターかもしれない。でも形は飛行機だねえ。


 って思って見てたら、


 「これ、海上自衛隊の新型VTOL機だぜ、これ乗ってくのか?」


 って水島くんがそんな事を言った。


 「ほう、よく知ってるな、今回の移動で横須賀からここまで来てくれてるんだ、おそらく民間人でこの機に乗るのは君達が初めてだろう」


 って話をするのは白馬さんだ、自衛隊の人なのでここにいるのは驚かないけど、制服姿に大きな荷物を見ると、きっと彼も一緒に行くのだろうって安易に予想できる。


 「こんばんはお屋形様」


 と言うのは三爪さんだ。自衛隊で女性隊員でダンジョンウォーカーの。彼女の場合は里帰りってことになるんだろうね。


 その三爪さんは、水島くんと一緒にいる百目紺さんにご挨拶していた。と言うか紺さんも深々と頭を下げて、互いに連れてる水島くんと白馬さんを互いに観察するようにマジマジと見ていた。


 で、その水島くんに、


 「水島くんも一緒に行くの?」


 って尋ねると、


 「ああ、俺だけじゃないぜ」


 って言って、水島くん、後ろを振り返ると、そこにはロン毛で上下ジーンズなデニムセットアップな辰野さんがいた。鎧姿じゃない辰野さんってちょっと新鮮というか、なんか私服センスが壊滅的な感じがした。


 決してデニムが悪いわけじゃないよ。でも、なんだろう、その着こなしというか、ちらっと見え隠れする他の組み合わせのセンスがとっても残念なんだ。


 辰野さんは悪くないよ、でも、ちょっとずつの残念が、いくつも重なって、結果的に非常に残念な感じかな? 


 手首とか首に見える銀アクセサリーは決してオシャレ目当てじゃないよね? 装備品だよね、きっとなんらかの付帯効果があるんだよね? 


 いや、もしかしたら僕のセンスがおかしいのかな? でもここまで、デニムな姿って、昭和の雑誌くらいでしか見た事ないそ。いや、むしろ、こういう生き物だって思った方が良いかもしれない。でも、やっぱり、どっかズレてるようなそうでないような……。


 こう言うのってダンジョンウォーカーにはよく見られる傾向らしい。特に長くダンジョンに入り浸る人って、服装のセンスとか壊滅的になるんだって。


 周りにダンジョンウォーカー以外の彼女さんとか、友達がいればいいけど、結果としてそういう人達って、将来残念な大人になるんだ。確かに北海道にはそんな人たくさんいるかも。


 でも、まあ、よくよく見ると、強引に何周かして、いや、むしろカッコいいのか? 


 ちょっと僕判断つかないから、辰野さんの服装のセンスには怖くて口を出せない。そしてその薄青色の横には和装の一心さん。


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