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北海道ダンジョンウォーカーズ(再up版)  作者: 青山 羊里
◆閑話休題章 青鬼見聞録 [隠匿された里の物語]◆
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その1【隠された町】

 その『里』は、俗に言うところの『隠れ里』、端的に言うなら、国から、いや世界から隠されていると言った方が的確なのかもしれない。


 完全隠蔽地方自治体である。


 もちろん、地理的な問題は度外視してるので、一応は北関東の一部にはあるものの、どの都道府県にも属してはいない。


 完全独立特区であり、また、国家直轄の自治体でもある。


 何より地図にも乗らないこの地区は、衛星を使ってもその存在を知ることができず、例え町らしき集落の姿を捉えられたとしても、実施に反映されるモニタに移るその光景は、現生にして鬱蒼と茂る樹木他植物、そして岩に土塊のみとして偽りの姿のみである。


 あらゆる手段を用いて、この集落は長い年月、気が遠くなるくらいの過去から巧みに隠され、切々と存在を維持しているのである。


 このように厳重に管理され、隠されている理由は、この里は、多くこの国の礎に関わり、国の運命を左右し、特に防衛・安全の面では大きく関わっていて、ほぼ骨幹を担っていると言っても過言ではなく、しかも彼らが関わる全ての事柄が表には出せない裏方での活躍の分野となるので、事実上、彼らの存在は無い事にしておく方が多方面で都合がいいのである。


 何より隠されること自体も、国やそれに属する機関の要望ではなく、そこに住む彼らの希望であり、また、因習でもあった。


 今風の言い方をすれば諜報員、またわかりやすく過去になぞって表現するなら『忍者』といえばわかりやすいだろうか。


 もちろんその他にも警察庁、もしくは防衛省、果ては外務省に勤務するものも多く輩出している。皆それなりの地位に付き、言い方を変えるならエリート集落とも言えるかもしれない。


 とはいうものの、ほとんどの者が非合法において動く都合上、そのその出身母体である、この里という組織は国家ぐるみで秘密裏にされているのである。


 そんな、この里を隠すために目視できる上空にはいかなる理由があろうとも、飛行は許されていはいない。衛星写真は先に述べたとおり、人力での到達もまた不可能な仕様にしてある。


 立ち入ることが制限される前に、表立っては交通手段は厳重に管理、交通道路は途絶され、必要に応じてこの里に至る道は出現する仕組みになっている。


 いかに山に詳しく、この辺の地理に明るいものがいようと、事実上、ここには辿りつけない仕様になっている。その里は土地そのものが存在しない事になってるのだから、行き着く筈もないのだ。


 唯一、それを知るのはこの国でも一部の人間と、何よりそこに住まう者、そして、その里、現代では『町』と言う表現をするが、その出身者だけであり、その数は究めて少数であり、出入りについても厳重に管理されている。


 もちろん、特別な理由がある場合、もしくは町の人間が『使命』を果たす『条例』が関わっている場合、特に、この町における最優先事項を加味している場合は例外である。


 その場合に限り直接、いついかなる時も全ての交通網の利用と専用航空機の着陸は許されている。


 そんな里、ともすると秘密によって相当に厳しく管理され厳つい規律が維持されていると思われがちであるが、意外にそんなこともなく里の現代の姿は、この時代としては一般にどこにでもある中規模な町。普通に二区に別れた住宅街を中心に、どこにでもある町として、その様相を保持していた。


 いたって、どこにでもある、普通の町なのである。


 規模にして二分区分の人口と規模を備えていて、ほぼ時給自足をする為の田畑や畜産などを備え、もちろん、小中学校もある。中規模ではあるが病院、役所も存在している。


 この町の中に入ってしまえば、実際に目に写るのは、どこにである地方都市の片田舎の町というかちょっと大きな村と言った印象を持つことだろう。


 当たり前のことであるが、普通に電気通信、上下水も完備している。町の中では場所にもよるが、町契約でのWi-Fiも入るし、各社携帯キャリアも使用できるが、ちょっと犬のあCMでおなじみの球団のメーカーは繋がりにくいかもしれない。


 大きさにして田畑を除けば、2km四方に満たない、どこにでもある普通の町だ。


 最近では24時間営業ではないが、コンビニも出来た。


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