第273話【ブーケトス大通公園女子決戦の行方】
クソ野郎さんとアモンさん、今は、青花さんの結婚式が終わってからは、割とバタバタした日が続いていた。
運営側としては早く新しい三柱神を決めないといけなくて、その三柱神が決まらないと新しい王が決まらなくて、ダンジョンがちょっと不安定になるのだそうだ。
おかげで、運営側として駆け回ってる真希さんの代わりにギルドの方は雪華さんが年上の八瀬さん使ってブンブン回してた。
あのブーケバトルロワイヤルのあとは、みんな死んだ様になってたけど、その後は恨み言も言い合う事も無く、何事もなかった様に普通に平常が流れている。
それでも、次の日くらいはあの戦いに参加した女子はほとんど気の抜けてしまったみたいに動かなくて、雪華さんでも体が鉛の様に重いって言ってたから、相当本気だった様だ。
そんな中、あの場の女子で唯一、あの戦いに参加してなかった八瀬さんは、結婚式に参加してない他の女子をかき集めて、一応ダンジョンは関係無かった男子を含めて通常運行させていたんだから、八瀬さんって意外にすごいのかもって思っちゃった。
そんな八瀬さん、
「ほら、ボクって女子力の底辺引きずって生きてるみたいなもんだから、その辺がステルスになったのかもね」
って、言ってたけど、本人は笑ってたけど、一緒に笑えないからそれ。
それにしても、いつの間にか深札幌に八瀬さんとか来れる様になってたんだね、ってことは最後の扉にも触れられたんだ。以前、資格がどうのこうの言ってたけど、その辺はクリアー出来たって事か。
これはかなり後で聞いた話だけど、三柱神の一角が崩れて、完全に入れ替える様な事態になると、以前の三柱神の時に課せられた条件っていうのが一回クリアされて、一からやり直しになるらしい。管理上の問題なんだってさ。
そんな八瀬さんも最下層、深札幌に気軽に行ける様になっていても尚、彼女の念願は叶わなかったらしいんだ、その為か、最近はクロスクロス自体の指揮とかは後輩に譲って、協十さん、クロスクロスのリーダーね、その人とも行動は共にしてないみたいなんだ。というか、最近、本当にその森方さんは見なくなったから、もしかしたらダンジョンから出て行ってしまったのかもしれないくらい、全く存在感がなくなってしまっている。
でも、結構な年上の人だったから、最後はみんなこんな風にダンジョンを辞めて行くので、彼もまたその一人なのかな、なんてその時はそんな風に考えていたんだ。
そして、もう一軒、あの結婚式から2日後くらい経って、新しい三柱神さんのお目見えになった。
今度の三柱神さんは、ディアさん。いや、ディアくんかな?
なんかボクと同じ年くらいの人らしい。
本人申告だからね。その前に、彼、僕の歳を聞いてから、「じゃあ、同じで」って言ってたから、なんかこんな会話、どっかでしたなあなんて思いつつも、具に観察してしまうと。
見た目はさ、茉薙くらい?
いや、ちょっと、そのキョトンとする表情はさらに幼いかもしれない。ああ、そんな見た目は今はいいや。
なんでも今回は、初めての『悪魔種』のハイエイシェント級だって話で、僕もまだあっては無いけど、ダンジョンに通っていればそのうちどこかできっと会えるとは思うので、出会うのを楽しみにしてる。
あ、それと、その日のちょっと前に、僕、いや、今は僕らが良くお世話になってる雪華さんのお母さんが務めるラボが火事になったそうだよ。
一応は小火程度で収まって、幸い怪我をした人は何人かでたけど、大怪我とかそれ以上はなかったから、良かったけど、多分、ニュースにもなって無いから、それほど酷いものではなかったかみたいで良かったとは思う。おかげで、定期的に僕と剣のデーター、今は葉山もだけど、次に行く日が未定になってしまっていたけど、なんか急に今日呼び出されて、今、僕と雪華さん、葉山とどうしたか蒼さんも一緒に、その火事にあったラボに向かって走ってる所。
今回は蒼さんも一緒なんだ。
それというのも、僕らの持ってる武器の最後の一本を貸してもらえないだろうか?って葉山が言い出して、でも最後の一本って確か大剣型のはずから、それはどうだろうって思って聞いてみると、蒼さんって、武器はなんでも使える見たい。
今も短剣系の刃物を使ってるけど、それだけが全部じゃ無くて、たまたま家から与えられた『浮き鴉』がショートソード系の二本一対のタイプだったって事で、その大きさや形にはこだわって無いらしい。でもだからって大剣が得意かと言われればそういうことでもなりらしくて、少なく使えるとはいうけど、ちょっと引いてる感じがするから、蒼さんにとっては『浮き鴉』に類似する武器がいいって感じは受けて取れるから、要相談ってことで、雪華さんのお母さんに話したら、「では一緒に連れてきて」って話になったのでこんな状態になってる。




