表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
853/1335

第270話【怒涛のクラスチェンジ 慈愛神→愛妻へ】

 問題はもう一方の隣の………………………。


 「よ゛、よがっったなあ………、アモン、ほんどによかった」


 って僕の腕を掴んで、てか、しがみついてこの式が始まってから、式が始まった時からエグエグ泣いてる真希さん。今は大崩壊。で、時折、こんな風に言葉にならない嗚咽を漏らしてる、うわ、泣き顔汚。


 「ほら、真希さん、鼻水が、もう涙腺緩むと全部緩むんですね、ヨダレも」


 ってその隣の雪華さん、ハンカチで拭き取ろうとするも、先に僕の服で拭う、うわ! ちょっと、汚い!


 「こら! 秋先輩の服で拭っちゃダメでしょ」


 とか怒られてるけど、できれば止めてよ。いつものジャージだけど、ちょっと精神的にダメージでかいよ。


 「すまん、クリーニング代はギルドに回してくれ」


 と麻生さんに言ってくれるけど、まあいいよ、気持ちはわかる………ような気がするから。


 雪華さんにも聞いたけど、いつもアモンさんの愚痴を聞いては慰めていたって話らしいから、きっとその辺の事情も詳しくて、何より最初からこの二人の事をずっと見守ってて、まるで手のかかった子供が巣立って行くような気持ちなんだろうなあ、ってかこの人本当に今、何歳なんだろう? って膨れ上がる猜疑心なんだけど、一瞬、骨すら貫く様な視線が来るから、いやいやそんな事ないよ、って、思ったら再び嬉し泣きを再開してくれた、やばい、本人の居るところで年齢のこととか考えてもダメなんだな、気をつけよう。それでも、人の結婚式でここまで泣けるのも凄いよね。きっといろんな思い出があって気持ちも膨れ上がってしまって、こんな状態なんだろうけど………、うわ、もう僕のジャージ、お腹の部分がなんかヌトってしてる、真希汁が大量に付着してる。ゾンビ系のモンスターに毒のブレス浴びたくらいな感じになってる。


 あ、結婚式にジャージって思われるけど、これ僕の場合ダンジョンウォーカーとしての正装だから、僕の仲間である春夏さんも葉山もみんな同じジャージで、普段鎧の人は鎧なんだ。でもってどう言う訳か武器も携帯してる。


 つまりいつもダンジョンでの姿と何も変わらないって感じだね。


 でも、辰野さんとかいつもより綺麗な鎧だし、一心さんも花とかつけてて、お洒落な感じだよ、うちの春夏さんも葉山も一心さんとお揃いのコサージュとかつけてるから、女子は共有しているのかもね。葉山なんてバルカまで装備しててさ……


 あれ? 気がついけど、男子の方は武器とかもってる人は少ないなあ、女子はみんな持ってる。で、葉山なんて時折、自分の武器とか確認してる、いや他の女子もだ、なんかこんな時まで武器のチェックとかいいのにね、みんな真面目か?


 ちなみに、バージンロードを歩いて来るアモンさんと一緒に歩いたのは何故か角田さんで、同じ三柱神って枠なのかもって思う、そのベールを持ってたのは妹だったし。ちなみにクソ野郎さんと一緒には、あのドラゴンの北藤さんだったよ、なんか久しぶりに見たなあ。


 で、その真ん中くらいで、茉薙が花撒いてた。なんかみんな頑張ってるなあって思ったよ。


 そして何よりこの結婚という流れも早かったもんなあ、アモンさんと、クソ野郎さん、そのままギルドの保健室で難なく復活した後。


 その時に、この結婚も決まったようなものだった。


 一応、結婚て男子18歳、女子16歳って法的な括りがあるけど、ここ北海道では低年齢結婚特区になっていて、特に継続して特定の収入があることとか、ダンジョンウォーカーである事などを条件に、男子の結婚の最低年齢が16歳まで下げられている。


 だから、この二人の結婚て法的な結婚になるんだって。


 で、そんな二人が結婚に踏み切った理由と言うのも、クソ野郎さんが、保健室で復活後に、


 「またこんな事があるようなら、距離を置いた方がいいのかもしれねーな」


 とか言い出して、


 「我王よ、それはなりません」


 ってアモンさん、大反対、で超反対、怒涛に反対。


 で、クソ野郎さんは、「じゃあどうするんだ?」って聞いたら、


 ならクラスチェンジしようって話になって、わかりやすく三柱神を辞めてしまうって方向で、神→『妻』へと変わるのが一番って話になって、一瞬だけど姉ではダメなのかなって思ったけど、妹曰く、妹は妹のまま未だ三柱神をできてる訳で、でも『妻』になると形態が完全に変化するらしく、三柱神ではなくなるらしいんだ。


 確かに、妹も姉も妹や姉のまま誰かと結婚して『妻』になって行く訳で、確かになあ、と納得してしまう。


 つまり、姉はクラスじゃなくて状態な訳で、『妻』列然とクラスの一つな訳だね、つまりサムライとかロードみたいなものって事な訳だ。


 で、その場合、三柱神と妻の兼任というの事実上、二つの特殊なクラスを持つことになるので、ダンジョンの管理側としては認められずに、どちらかという事になって、問題は、そのクラスチェンジの条件としてのクソ野郎さんの返事待ちになるんだって、まあそうだよね、相手いなきゃ結婚はできないから、できないと『妻』にはなれないからね。


 つまりはクソ野郎さんの気持ちなんだけど、そんな話をされて、


 「そっか、じゃあ、そうするか」


 って軽! 一生の問題なのに、クソ野郎さん軽!!


 いや、何周か回って、漢らしいのか?


 でも軽!


 いやどっちだろ?


 考えるのを放棄したくなる僕だよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ