表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/1335

第81話【知人→友人→恋人、それぞれの距離】

 現在、僕らはモンスターと交戦中なんだけど、敵はあと数体ってところで春夏さんに任せて、僕と角田さんは談合している最中だった。


 今、僕らは地下3階の、特に名も無い特徴もない『部屋』の一室に入って、そこに出現したモンスターと交戦中なんだ。


 本日の敵モンスターはゴーレム、初の人型モンスターだ。


 あ、ゴーレムって言っても、浅階層にいるゴーレムだから、そんなに強くないよ。


 だって、紙だし。


 神じゃないよ、紙で出来た薄っぺらのゴーレム。俗称『紙ゴーレム』、概ね『古紙』で出来ていて、環境にも優しいECOなモンスターだよ。


 この階層、だから、今、3階だから、これ以降の室内はよくあらわれるモンスター。


 通称、ぺらゴーレムとか、(ワン)ペーパーゴーレムなんて言われてる。


 見た目にいうなら、大きな人形に切り抜いた紙が自立して歩いて攻撃してくる感じかな?


 移動も、攻撃も緩慢だから、ただ大きいだけって言う、一応は巨人の大きさはある。攻撃も紙だから、その大きな手で、長い腕を使って、ブーン、ぺチ! って感じだから、ケガとかは絶対にしないよ。


 でも、あの大きな紙の手には触れては絶対いダメって言われてる。もちろん、接触したところでダメージとかはなないけどね。


 大きさも、ここ地下3階に出るのは、3メートルくらいのゴーレムにしては小ぢんまりとしている感じ。地下7階くらいになると、同じ『紙ゴーレム』でも6メートル以上の奴とかで、通称、『紙ジャイアント』って言うのがいるらしい。


 そんなゴーレムなんだけど、共通しているのが、ゴーレムらしく、額に書かれているって言う貼り付けてある文字を消すとか切るとか剥がすとか、文字の程をなさなきように壊すと動きが止まるんだ。


 普通、ゴーレムの額の文字って『emeth(真理)』なんだそうだけど、ここの紙ゴーレムって古紙なので、いろいろな文字があって、さっき僕が倒したのは『半額』って書いてあった。ちなみに、今、春夏さんが戦っているのは『募集』と『迷い犬』だ。ちなみに、さっき角田さんが踏み倒して剥ぎ取った文字は『上履き』だった。


 そして、倒された紙ゴーレムはまた古紙として再利用されて、新しい『紙ゴーレム』になるってわけ。


 「エコランド北海道21プラン」(北海道が取り組むリサイクル等エコな活動)を推進する北海道にピッタリのモンスターだよね。


 そんな紙ゴーレム。浅階層では、一応は最強な敵の部類に入るんだよ。


 あと、ギルドから注意喚起されてるけど、正面からは大したことない紙ゴーレムだけど、横は危険なんだ。


 紙ゴーレムが横向き、だから、紙の正面でなくて、薄いところで攻撃して来ることはないけど、僕らダンジョンウォーカー側が攻撃仕掛ける時、避ける時、だからレンジが、近くなる時には注意が必要だよ。


 タイミングが悪く、接触の仕方では紙で装備の無い場合の手や顔を切ってしまうときもあるからね。


 紙で切った傷口って、いつもまてたっても痛いからね、すぐにギルドの保険室に行こうね。


 特に、短い武器しかない、『恋人距離』になるときは注意しよう。


 あ、そういえば、戦闘における距離を表すのに、北海道ダンジョンでは、独特の表現とかあるんだよ。


 今、言ったのは恋人距離ってのは、最接近している状態。


 武器を使わずに戦う人が好む距離だね。もうピッタリって引っ付いてる感じ。


 で、次が『友人距離』。


 これは、剣系の人たちの戦う距離。特に互いの剣が交差する距離って言う人もいるし、互いの体が相手の剣に触れる場合は恋人距離って言う人もいる。


 で、最後が『知人距離』、これはもう、剣も、たぶん槍もとどかない、互いを認識できる距離から始まって、きっと戦闘向けの遠距離攻撃用のスキルなんか、魔法スキルとか? そういった人たちの戦う距離、だからレンジも一番長い。


 浅階層ではめったに見られない戦いだよね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ