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第242話【取捨選択の時迫る】

 マジで、ここからどうしよう。


 倒せば、この二人、つまりクソ野郎さんとアモンさんを救えるのだろうか?


 多分だけど、僕とこの剣なら倒せはする。


 あの燃える様な赤い体毛も、この剣なら多分斬り裂ける。


 でもそうじゃあ無いんだ。


 僕はあの赤いきつねを倒してしまいたい訳では無いんだ。


 何より倒してしまってそれでお終いになっては困る。


 クソ野郎さんとアモンさんを殺してしまっては元も子もない。特にクソ野郎さんは、単純に考えればダンジョンウォーカーだから例えどんな怪我を負って、最悪死んでも蘇ることは出来る。


 でもその時アモンさんはどうなる?


 かつて消滅したって言ってた角田さんは、つまりゼクト様は普通にこうして復活してるし、妹も神格とか取り去られた上で、復活してるから大丈夫そうなんだけど、なんかそうじゃあない気がするんだよ。


 だって、もしそうなら、角田さんだってもっと積極的に行ってるし、僕の背を押してくる筈なんだ。


 もう、最後の手段と、そう思って春夏さんを見ると、


 「ごめんなさい、これは私ではどうする事も出来ないの、もともと三柱神はこのダンジョンとは関係のない措置だったから」


 って言われる。


 そうなんだ。


 「どうなってしまうかもわからない?」


 うわ、聞いてる頭がボアっとする、これ聞いちゃいけない情報なのかもね、でもいいや、方法わかるなら頭が割れてもいい。考えたらグロいけど、僕はそのくらいじゃ死にそうもないからね、そんな覚悟を知ってか春夏さんは、


 「きっと、対消滅すると思う、王も神も、最悪、王は生き返るけど、神は不具合品として新たな神を送られて来ると思う」


 んん、つまりクソ野郎さんは助かるけど、アモンさんはいなくなってしまうってことかな? その認識でいいのかな?


 その考えに、春夏さんは頷く。


 じゃあ、ダメじゃん。


 事情を知ってそうな人は、とういうか、ちょっと前まで神様って言った人に聞いてみる。 


 「角田さん、どうしたらいいの?」


 って聞いてる最中に凄いの来た。


 蒼さんが攻撃の基軸をずらしたけど勢いが殺し切って無いというか、全く勢いが落ちてない。相手がこっちの攻防に適応して来てるね、このままジリ貧な攻防続けると、多分、押し切られるね。


 って思ってこっちから出ようとするんだけど、なかなか角田さんからの答えが出ない。


 「難しいですね、このままだと、あいつらの消滅か、それともこの地の撃滅かの選択肢になってしまいます」


 いや、そうじゃなくて、


 「助ける方法を聞いてるんだけど」


 と再び尋ねると、


 「さっきも言いましたが、俺たちは兵器なんですよ、人っていう欲望化したフォーマットを取り込んで、それを基準に人を殲滅絶滅させる兵器なんです」


 って角田さんが珍しく焦って言うから、こっちもびっくりしてとんがる。


 「そんな事、どうすれば元の姿に戻せるのかって聞いてるの!」


 「無いですよ、ああなってしまっては」


 多分、角田さんは当事者なんだな。だから答えを持ってない。


 だから、


 「君はどうなの? 何か知らないの?」


 って突然話を振ったら、ビクってしてた。そして。


 「わからない、私知らない」


 って答える。


 そして桃さんが、


 「梓は嘘を言ってないよ、ごめんね」


 って代わりに謝ってくれる。


 その梓さんにもちろん嘘は無いんだ。これは直感めいた物。僕は何も知らないけど、多分彼女は知らないんだと思うのはわかるんだ。


 「あれは完全体です、本来であればダンジョンウォーカーが太刀打ちできる代物ではありません、こうして対峙できてる事自体が奇跡というか、このダンジョンの意図がすっかり組み上がっってる、成功している証拠なんです」


 と角田さんが言う。


 「秋さんはともかく、他の嬢ちゃん達が普通に対応できてます、あんたの企みは成功した訳だな」


 って角田さんが春夏さんに向かって言ってた。


 「この神獣は、ダンジョンウォーカーではなく、外の世界の外部戦力に対応できる能力を持っています、つまりこの神獣一柱で、ここ北海道、どころか、この国だって余裕で殲滅できる程度の力を秘めてるんです」


 そんな角田さんの言葉を聞いて、なるほど、武器ではく、モンスターでもなく、自ら兵器って言う訳だよね、規模が違うらしい。


 確かに移動の仕方もこのダンジョンの床とか天井とかすり抜けて来たんじゃなくて、ぶち壊して進んできたもんね。頑強さと、さっきの薙ぎ払いのレーザーも、このダンジョンだから、わからなかったけど結構射程も長そうだから、それは納得できるね。


 「今、奴らはこっちに、自分たちに対して脅威になる物を排除しようとして執着してます、だからダンジョンの外に出ることはありませんが、それもこのままでは時間の問題ですよ」


 「諦めて外に向かう選択肢を取るって事?」


 「そうですね、つまり、脅威になっても決定的な結果を出せないでいるのなら、問題が無いと判断されて、違うルーチンに進みます、つまり外を目指し始めます」


 なるほど、で、ルーチンって何?


 「慣行的思考、つまり次の次の行動が決まってるって事よ」


 葉山が教えてくれた。


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