表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
823/1335

第240話【災厄の聖者『蝕みの大剣ジ・エプリクス』】

だから人によるのかな、って思うけど角田さんの鑑定に嘘はないから、どう言う事? とも思う。


 「通常の人間なら触った段階で正気を失うはずですが、それを使用できるとなると攻撃力だかを考えれば、辰野のグラム以上の力を持ってますから、あの嬢ちゃんの参加は、願ってもないところでで千人力ですね」


 角田さんの追加説明で安心する。


 左方さん自体は普通の人ぽくて、年上で瑠璃さんくらいの年齢なのかな? でも見た目にフワッとした柔らかい印象を持ってて、頼りになるお感じが半端ないイメージかな。短い髪もしっかりキビキビ動くお姉さんのイメージがある。


 ともかく、そうか、D &Dの人達と言うか辰野さんが助けをよこして来れたんだね。


 って納得しかけた所、


 「なんで来たんだよ」


 と西木田くん。僕らの誰でもなく、間違いなく西木田くん自身を守る様に立ってる左方さんに対して言ってる。


 いや、ダメだって、怒られるよ、そんな言い方したら、って聞いてる僕の方がハラハラしちゃう。すると、その左方さん、なんかちょっと表情が曇った。いや、なんか困った感じかな、あれ、どうしたんだろ?


 「だって、『狂王案件』て聞いたから………、今このダンジョンでもっとも危険な案件だから」


 あれ? 左方さんもさっきの自己紹介とは明らかに声のトーンが………。


 その左方さんの姿をじっと見て西木田くん、


 「しかもフル装備とか笑える、またその剣使ってるし」


 「ひどいよ、心配してたのに、急いで来たのに」


 「頼んでねーよ」


 「心配なの!」


 なんとなく耳に入ってしまう二人の会話。小声なんだけど左方さんは必死に言ってるのがわかる声色に対して、西木田くんはちょっと冷たい言い方かな。


 こんな会話してる時にも赤い狐からの攻勢は止む事なく続いているんだけど、左方さん後ろにいる西木田くんを守るために積極的に前にでて、その攻撃手、あ、あのチマチマ来るのは尻尾の変形だったんだな、今視界いいから丸見えだよ。その尻尾を弾く時、金属同士の響がこっちまで鋭角に届いてくるから、すごい音、耳じゃなくて体に響く。


 左方さんの剣の技術も結構すごいね、あれって、ちょっと春夏さんに似てるなあ、って思ってたら、


 「母さんの愛弟子なの」


 って春夏さんからの情報が入って、入れた春夏さんはその左方さんのところに駆け寄って行く。


 「唯ちゃん、大丈夫?」


 「春夏姉!」


 「私、ちょっと前に出るから、あとは秋くんがやってくれるから、このまま後方に下がっていいよ、『呪湿雲』にだけ対応して」


 と告げると、


 「真壁、下がると集塵効率悪くるけどいいか?」


 って聞いて来るから、


 「もうだいぶ見える、この視界維持できるかな大丈夫だよ」


 本当に視界快晴だよ、全く問題ない。ありがとう西木田くん。


 「わかった、唯、下がるぞ」


 って左方さんに言う西木田くん。


 その左方さんなんだけど、動きがちょっと鈍くなる感じだね、ちょっと納得いってない感じだね。簡単にいうと不貞腐れてる。やさぐれてる聖騎士ってのも珍しいよね。


 それには西木田くんも気がついていたみたいで、一回、小さく息を吐いて、


 「こんな事、お前が首突っ込む所じゃないだろ」


 って言うけど、左方さんは、西木田くんに背を向けたまま無言。


 「悪かったよ、言い方が悪かった、助けに来て来れてありがとう、俺も霧に集中したいから、このまま一緒に下がってくれ、唯も危険だ」


 もちろんこの言葉の意味っていうか効果は何を意味しているのか僕にもわかる。だってさ、西木田くんて、せっかく助けに来てくれた左方さんにあんな言い方してさ、そりゃあ左方さんも怒るよ。


 だから、ちょっと機嫌だって取ろうってもんだよ。


 わかるよ、怒った女の子って怖いもんね。すごくよくわかる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ