表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
822/1335

第239話【暗黒剣使いの聖騎士】

 その獣の大きさは小さいバスくらいだよね。幼稚園の迎えに来る奴。いや尻尾入れるともっと大きいか。


 その赤い狐がまた体から粉塵を撒き散らしてあたりを霧に沈めようと試みていた。


 「大丈夫、こっちは引き受ける、真壁は戦いに集中してくれ」


 と言われて、その声の主の存在を初めて知った。


 西木田くんだった。


 ギルドの三人組の、最近、結構イケメンになった人、鴨月くんや水野くんのお友達。


 ゆるりと伸ばした腕、しっかりと開いた手が、PM2.5を吸い込み始める。


 結構すごい勢いで赤い狐から出てる霧をそれ以上の勢いで集塵してる。ダイソンも真っ青な吸い込み能力だよ。最後まで変わらない吸引力だよ。


 真希さんが言った、派遣して来れたのは西木田くんだった。あれ? でも二人って言ってなかったけ?


 僕も、かつて浅階層のジョージの時に教えてもらって、中階層のジョージの時に見せてもらったけど、自分作用する全ての事象を喰らいう事ができるスキル『悪食』って言ったっけ? おそらく西木田くん唯一無二の能力だって話だけど、こんな状態も食べる事が出来るんだね。


 その西木田くん、


 「お、以外に美味い」


 とか呟いてる。


 味とかあるんだ、でわかるんだ。


 そんな時に、いきなり西木田くんを狙っての一撃が、あの罪な槍が西木田くんを貫くために、迫る。させないよ。


 って前に出ようとした瞬間、


 「私が」


 って謎の声がして、西木田くんの前に立つ謎の女性。


 今度こそ、え? 誰???って思った。


 もうね、見た目に強いってのはわかる。間違いなく深階層のトップクラスの能力の持ち主だよ、多分、一心さんとか辰野さんに近いかな?


 見た目に効果たくさんついてそうな神々しい鎧に持ってる剣がね、まるで光を全部吸い込んだみたいな漆黒の大剣。僕の見立てでは、辰野さんのグラムと同じクラスの力を感じた。


 その剣が難なくバーゲストを弾く。


 ちゃんとあのデタラメな槍に対抗できる力を持ってる。こんな人ギルドにいたっけ?


 って思ってたら、


 「初めまして、狂王様、私はD &Dの左方(さほう) (ゆい)です、義によって馳せ参じました、以後お見知りおきください」


 と言われる。


 「ああ、このダンジョンで聖騎士って言われてる人の一人だ」


 って葉山が言う。


 「え? そうなの?」


 「うん、麻生さんに、辰野さんに、この左方さんで、3聖騎士」


 って言う。そうなんだ、初めて聞いたよ。


 「いや、有名だよ、でもそう言うの真壁は興味ないでしょ?」


 うん、ぶっちゃけ、そう言うのもあるんだね、くらいにしか思えない。いや決してそのことを低く見てるわけじゃないんだけど、実際、その実力を目にしないとそう言うのって自分じゃ判断できないじゃん。でも、麻生さんとか辰野さんとかと並んでるってのならこの左方って人も相当に強いよね。


 そんな僕に対して、珍しく角田さんが感心していた。ああ、霧が晴れて来たから、割と近くにいたんだね。


 「呪われた聖剣、災厄の聖者『蝕みの大剣ジ・エプリクス』を使いこなせる人間がいるとは驚きですね」


 なんてことを言う。その言葉に、改めて左方さんの持ってる大剣を見ると神々しい以上になんか禍々しいとも言える、多分、あれ、普通に人が持ってはいけない武器だ。


 「光さえ両断す黒き刃、ですがあの剣は人を選び執着し、剣自ら所有を認めた使用者の心の闇を力に変え、増幅し、蝕みやがて破滅に追いやる暗黒の剣って言われています」


 いや、ダメじゃん、ヤバイじゃん、そんな剣を放置したら、って思うけど、僕が見る限り左方さんは普通で安定してる気がする。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ