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第225話【神は王と混じり民を滅する兵器となる】

 角田さんは続ける。


 「何より俺にとっての賢王は、最初の二人が男だった事です、そしてそうなってしまった今、俺は、現賢王に対してなんの興味も持てないいい距離を保てた事ですよ」


 と、なんとも微妙な言葉を履くと、角田さんと僕の間に葉山が入って、


 「真壁はダメだからね」


 って言うと、


 「え? ちょっと興味があります、それは一体どう言う事なんですか?」


 いつ現れたんだろう? 


 忙しいはずじゃなかったのかな、雪華さんと忽然と姿を現し、会話に参加してくる。だから茉薙もいて、「あっちで忙しそうにしてたぞ、呼んでたぞ」って雪華さんの腕を引っ張ってるんだけど、「今、大人の話をしてるの、茉薙はあっち行ってなさい」って言われる。


 いや中学生も十分に子供だと思うし、雪華さんと茉薙ならそれほど年齢も変わらないよね、とは思うけど、本当にどっからこの話を聞いてきたんだろ?


 ほんと発信機でもつけられててるんじゃないかなって、思って自分の身のあちこちを探してしまう僕なんだけど、そんな様子を見て雪華さんが、「安心してください、見つかる様なところには何もありませんから」って言われて、「ああ、そうなんだ」って謎の安心をしてしまう僕がいる。


 「今はそんな事言ってる場合じゃないよ、雪華!!」


 と相馬さんが怒る。ごもっともだ。


 で、雪華さんは冷静に咳払いを一回して気持ちを切り替えてくれた。


 「現状は? 何が起こってるのか説明を願えませんがゼクト様」


 と、今起こっていた事件の全貌を知っているであろう角田さんにそう尋ねた。


 「結局は、あの施設から子供をさらうって、そんなわかりやすい修羅場にあのクソ野郎が現れなかった時点で俺たちはもう既に敵の作戦、本当の目的に対して後手に回っていたんです」


 と言った。


 そうだよ、そのとうりだ。確かに僕は、前の事件での物足りなさってのはこれだったんだ。こんなにわかりやすい修羅場に、あのクソ野郎さんがいないはずがないんだ。それがどんな場所でも、どんなトラブルでも、あのクソ野郎さんは、必ず的確に味方していい方に付くように駆けつけて来た。あの騒ぎで、クソ野郎さんの影も形も見えなかった方が不自然で、ありえないんだ。


 「あれだ、結局、ギルドが子供達を助けた時点で、もう敵の目的は達せられていたんだ、確かにそうだ、俺や、秋さんの妹になってるブリドを狙うよりも確実で確かな方法だ、何よりあいつとアモンの関係性は利用しやすい」


 と角田さんは言った。


 そしてそのあとの言葉は僕にとってとてつもなくショッキングと言うか衝撃的な言葉だった。


 「俺たちは人と交わる『兵器』なんですよ秋さん」


 と言った。


 俺達って言うのはゼクト様である神様って事なのかな?


 神様とその王様が平気って事???


 ちょっと意味がわからない。


 つまり兵器だよ。


 兵器、兵器、だから武器、でも兵器なんだ、武器とは違う、多分威力とか範囲的な事だと思うけど、これって自分の口から、意思のある人間として、いや神様でもたとえそれがモンスターだったとして、自分の口から出る言葉として正しいものとは思えなかった。 

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