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第207話【広がる意識、閉じ困る子供達】

よかったよこんな僕程度の頭にも使い道があって。


 思わず笑ってしまったら、真希さんも一緒に笑ってた。


 で、僕も聞きたい事、ってか気になってた事を訪ねてみた。


 「真希さん、子供達は?」


 「ああ、全員無事だ、今、各方面と連絡は取れたので順を追って迎えに来るみたいだべ、今、ギルドの本部は保育園みたいになってるべしな」


 ああ、それで逃げてきたんだな、真希さん。ちなみにそんな保育園状態のギルド本部を仕切ってるのは、本来、ここ、保健室の管理者でもある佐藤和子さんで通称カズちゃんらしい。覗いてきた薫子さんの話によると、シンメトリーさんも頑張ってはいるらしいけど、大変そうで、シリカさんは完全に子供達と溶け込むと言うか同化して、オヤツを食べているらしい。


 まあ、何にせよよかったよ。


 で、折角の真希さんがいるんで聞いてみた。


 「で、さ、子供達を誘拐した理由って何だったの?」


 すると真希さんは、


 「首謀者は相変わらずダンジョンの奥底にいるみたいで出てきやしないべ、でも」


 と言ってから真希さん、僕らと一緒に柾さんのベッドの傍に立つ榴さんに、


 「梓とは仲よかったんだろ?」


 と話を榴さんに降った。


 すると、憮然とする榴さんは、


 「知らん、あいつは私より桃にぴったりなだったからな、今はどうか知らないが」


 と言った。


 ん? 桃って言った? あれ、僕の知ってる桃さんじゃないよね? と言う疑問が消えないまま新たな疑問だそれを押して引っ込める様に浮かんだ。


 そういえば、何人か足りなかったような。


 「二人足りないから、そのうちの一人?」


 って言ったら、


 「今の時点で現れていないのは4名でしょ?」


 って呆れ返ったみたいに葉山に言われる。


 ちょっと数えてみる、えーと、この場合は桃井くんとサーヤさんにここにいる榴さんに柾さん、で、アレ、この場合フアナ

さんとキリカさんとかも入るよね?


 「あの二人は除外ですね、完全にモンスターですから、本人たちもその自覚ですよ」


 って、おお、角田さんきたよ、よかった僕の唯一のインテリジェンス。僕の外付けハードディスクが帰って来た。


 「ああ、そっか、その計算ならリリスさんとかも入ってしまうよね、でもあの人も自分自身をモンスターって言っていたから、その数でいいんだ」


 すると角田さんは、


 「まあ、彼女たちも第二世代の魔物なので、モンスターというよりは、括りとしては異造子としてもいいんですけどね、それを言ってしまうと数限りなく広がってしまいますから」


 って言ってた。


 ちょっと引っかかる。第二世代ってどう言う事? いや意味はわかるんだ。


 つまり、2代目って事だよね。でも、このダンジョンできたから結構経ってるから、20年くらいだっけ、だから世代で言ったらわかるんだけど、どうもそう言う事ではないらしい。


 そう言えば、これと似たような話をティアマトさんとしてたような、このダンジョンでは生まれてないって言ってたみたいな? 後、今角田さん、『魔物』って言葉と『モンスター』って言葉を使い分けてたみたいな?


 後、ここで生まれてないなら、何処からきたんだよって話だ。


 つまりは北海道出身じゃないって事なんだろうか?


 思わず榴さんを見ると、僕が引っかかってしまった事、その言葉の端なんて気がついてないみたい。


 一瞬だけど、今僕が陥った疑問は僕が知ってるという実際には具体的には何も思い出せない記憶よりも、最近こっち、つまり運営側に回って知らされた事実よりも深く重いところにあるんだって事だけはなんとなくわかった。


 でもって、改めて周りを見ると、その答えを知ってそうな真希さんも雪華さんもいなくなってた、ってか、今は忙しいギルドの業務に戻ってた。あ、茉薙とか置いていってる。


 そばに茉薙がいると邪魔になるくらいの忙しさって事は大変だって事だ。


 それでも一応は僕らの方に事件の無事解決を教えに来てくれたんだな、連れてけよ茉薙って気がしないでもない、ほら置いてかれてソワソワしてる。


 ちょっと可哀想かもだけど、本当に今のギルドって右往左往というか誰も彼も多忙そうだから仕方ないのか。


 まあ、子供達無事で本当によかったよ。


 ちょっと僕の方としてもホッとした、心穏やかになれた。


 いいや、今はともかく、この異造子さんたちのことだ。


 つまりは、今回、自殺志願者の様に突っ込んで来た異造子の人たちとは別にまだ4人の異造子さんたちが何処かに存在してるんだね。


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