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第198話【笛吹きの異造子達、誘われる子供達】

 本当に駆け込むみたいに走って、ドアなんてバン!って開いて、駆け込んで来た。


 その様相に驚く雪華さん。何かを言おうとするけどその前に、


 「子供達が!」


 と相馬さんは言った。ここまで慌ててる相馬さん、初めて見たよ。


 続いて鴨月君が入って来て、全力な相馬さんを追うのってのは結構大変で、ようやく追いついたって姿で息も絶え絶えだったけど、この辺は多分、身体的能力による差だと思うけど、それでも鴨月君の方は冷静で、


 「ダンジョン内に子供が紛れ込んでます」


 と完結に言うと、その横で相馬さんは激しく頷いている。


 「迷子か何かだべか?」


 真希さんはそう尋ねるんだけど、相馬さんは首を横に振って、


 「そんな規模ではありません、2〜3つの児童養護施設が丸ごとこのダンジョンに入ってます、数は100を超えてます」


 僕はその言葉を聞いた時、土岐と、八瀬さんを思い出したんだ。


 今の北海道って、子供の数は他の都道府県に対して比べようもないくらいに多くて、それに比例するようにこういった、親を持たない子供達の施設の数も多いんだ。しかもそれは結構、札幌に集中している、って土岐は言ってた。


 親のいない子供達の施設。そう言う子供達が大勢で、なんでこのダンジョンに来た?


 真希さんは少し、いやちょっと長く考えてから、


 「あいつら、何が目的だ?」


 と呟く。


 ここまでの話を聞いて、その概要だけでまるでそんな事をした犯人を知ってる見たいな言い方だった。その上でその犯人の目的がわからないって、つまりはそう言ってるみたいない感じた。


 すると、そこに、


 「笛を使われたか」


 と声がする。


 扉の近くにはカズちゃんが、このギルドの保険医であり、ダンジョン最高のヒラーの佐藤和子が僕らを見つめて立っていた。


 「だべな」


 と真希さんは納得する。


 カズちゃんは続ける。


 「笛で呼ばれちまうとさ、多少の違和感なんて周りは感じなくなるからな、子供達が隊をなして行動しようともそれが異常だと気がつく者などいない、ダンジョンに入ってから吹くのをやめたんだな、だから気がつけた」


 「なぜ止める? 目的が子供達ならそのまま笛を吹き続きた方が私らに気がつかれなくてすむべさ」


 「そんなの知らねーよ、あいつらの目的なんて、生まれた時から決まってる、そんなのわかりきったことだろう」


 多少キレ気味なカズちゃんだ。


 「それはわかるべさ、だべ、その目的がわからない、まさかダンジョンを敵に回してまで何をするつもりななんべ? それこそ矛盾するべさ」


 真希さんとカズちゃんの言っている意味はわからないけど、少なくともこのダンジョンに子供達が大勢紛れ込んでるってのはわかった。


 それに笛ってなんだ?


 真希さんは立ち上がり、


 「全員に非常呼集だ、クロスクロスも声をかけてくれ、アッキー、お前のところも頼むよ」


 と言うと、僕の背後にいた蒼さんが、


 「緊急事態呼集をすでに発動しております、何なりとご命令を」


 とか言ってる。早いな蒼さん。僕の方が何していいのかわからない。


 「シリカを呼んどくれ、子供達の位置の特定を急ぐよ」


 いつの間にか、僕らしかいなかったはずのギルドの一室が、まるで災害の対策本部なごとく、集められた人でごった返しって来た。


 紺さんが来て、


 「真希さん、北海道警から電話入ってます」


 すると雪華さんが、


 「いなくなった子供の正確な人数を把握します、数藤さんいますか?!」


 「はいここに」


 雪華さんの呼びかけに即応して答える女の子が駆けつけるように来た。


 「各方面に連絡調整に、正確な数を当たってください」


 返事もなく、そのままこの場所から去って、多分ギルドの本部に向かう数藤さんと言う女の子、その後ろには何人かの部下らしきギルドの人が付いてゆく。


 で、雪華さんは今度は真希さんに、


 「笛を吹くって、なんの事ですか? 正確な情報を教えてください」


 すると、真希さんは、


 「ハーメルンだよ、一種のスキルを発動すアイテムと言う認識でいい」


 「それは人を操る、ハーメルンですからネズミも操ってましたね、効果範囲は生き物を操る事ができるスキルを持ったもの、と言う認識でいいんですか?」


 「それでいい」


 「次です、仮に私たち捜索者がそれに接触した場合、操られてしまう可能性は?」


 真希さんは一瞬悩んで、自分の中にある知識を検索した後、


 「うん、まあそうだね、どの程度にもよるかもだが、影響は受けるでいいべ」


 真希さん、ちょっと深刻そうにそんあ言葉で答えた。


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