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第196話【結果報告、ダンジョンは誰のモノ??】

 事後報告、真希さんの所よって、つれつれと異造子さんとの接触の報告と世界蛇の復興具合の経過を簡単に伝えると、


 「みんなお疲れ様」


 って言ってから、真希さん、茉薙の頭を丹念に撫でながら、


 「茉薙も良くやったな、手加減上手になってるな、もう一端のギルドのメンバーだべ」


 とか言ってた。で、言われた茉薙も、「頭触んな! 子供扱いすんな!」って口では怒ってるみたいな事言ってたけど、顔はニヤケてるし満更でもないないみたいだった。


 そんな真希さんが、


 「よくやったな、これまで表立って行動を控えて来た連中だが、いよいよ追い詰められて来ているべ、結構厄介な能力を持つ者もいるから気をつけるべ」


 って言ってた。


 「それは異造子が持つ能力って事ですか? スキルでしょうか?」


 って葉山が具体的な事を聞いて来た。


 「うん、それもある」


 と言ってから、


 「これはあいつらの立場というか、存在自体の問題もあるんだ」


 と言ってから、真希さんは、ため息を一つ着いて、


 「まあ、そろそろ感の人間は気がついているかとも思うべが………」


 と言う真希さんに、


 「例の運営側のお話ですか?」


 葉山が感良く答えると、


 「やっぱ葉山ちゃんはギルド入るべさ、なあアッキー、静流ちゃんこっちに………」


 「その話は今は良いです、つまり異造子さん達の存在ですよね」


 って葉山。すごいな探偵みたい。


 だからその相手である真希さんが犯人として追い詰められているみたいに見える。


 いや、悪い事何もしてないけど、だから真希さんワザとらしく『ゲゲ!』って顔するのやめて、葉山も呆れて見てる。つまりさ、結局とういう事?


 「運営側でも、参加側でもない立場の人がいるって事ですよね」


 なるほどね、で? どう言う事なのかな? 


 「前から聞こうと思ってました、異造子の事も含めてどうも納得がいかないんです、このダンジョンが現在、運営側に管理されて、ダンジョンウォーカーが参加しているとして、もう一つの存在がいますよね」


 そんな葉山の言葉に、真希さんは、


 「だべ、いつから気がついてた?」


 「一人でダンジョンに潜っていた時になんとなく、でも確信を得たのは最近です、きっかけは私と茉薙が今も尚生存している事ですね」


 葉山の言葉は続く。


 「このダンジョンが、以前話されていた『訓練所』の役割を果たしているとして、それを維持管理している組織の存在は前から気がついていました、多分、勘の良い深階層に来れるダンジョンウォーカーならみんな気がついているんじゃないでしょうか?」


 そんな葉山の言葉に、


 「いや、僕、全然そんな事考えも気づきもしなかったけど………………………」


 思わず呟くと、


 「勘の良い人って言ったでしょ?」


 ああ、そうか僕、勘の悪い人だったよ。


 葉山が言った、


 「でも、それじゃ、足りないんです」


 葉山の、その欠けてるって言う内容を、上手に組み立てて僕にもわかりやすい内容を真希さんは黙って聞いていた。


 一つ、息を飲み込んで葉山は言う。


 「一体、このダンジョンは誰の物かって事なんです」


 え? みんなの物だよね?


 って思っちゃったら、


 「ごめん、違うわかりやすい言い方するね、もっと大本に立ち返ると、一体、このダンジョンは誰が造ったのかって事なの」


 と葉山は言った。


 「自然に?」


 僕の適当な答えに、


 「こんなに、何もかも都合良く作られたダンジョンが、自然に発生する訳ないでしょ」


 ピシャリと言われてしまう。


 そうしたらさ、雪華さんが、


 「このダンジョンが偶然、自然の営みの中で出来たって言うなら、札幌ドームだって自然に出来てしまいますよ秋先輩、エレベーターとかもありますし」


 って追加して言ってくれるんだ。


 その言葉と内容に、


 確かに!


 って思える僕がいる。


 雪華さんのフォローで、僕もなんか話についていけそうだ。よし、どんどん来い、って思って葉山を見ると、ちょっと複雑そうな顔してた。


 で、葉山は再び言う。


 「結局、このダンジョンの製作者、もしくは所有者の意思と言うか意向が大きく反映されている上での私達、運営側と言うことになるんです、だから今もその人物と言って良いかわからないけど、その者は健在しているって私は考えています」


 うん? またちょっと難しくなったぞ???


 そしたら、僕の横にスススッと身を寄せて来る雪華さんは、


 「秋先輩や私が運営側として頑張って、お掃除とか戸締りとかをしてくれる管理人さんと言う訳で、このダンジョンは大きな賃貸マンソンで、ダンジョンウォーカーはみんなお部屋を借りている店子さんです、では、この大きな北海道ダンジョンと言うマンションを造った人は誰かって話なんですよ」 


「大工さん?」


 間髪入れず答える僕の顔を見て、雪華さんは「うーん、そう来たかあ」って呟いていた。 


 ん? 違った? ちょっと待って、大きなマンションとなると大工さんじゃ無理か、なら施工業者さんかな? って答えを出したものの、またちょっと悩む僕だよ。


 「本当に真壁って勘とセンスと思いつきで生きてるよね、思考ルーチンとか無いよね。戦闘スタイルとかもそうだよね、普通は死ぬけど、あなた達母子って、その方向で突き抜けてしまってるからタチが悪いよね、その辺がおかしな具合に薫子に影響してるんだからもうちょっと自重して欲しいんだけどね」


 と、今はそんな事関係ないじゃんって事まで言われる。


 「いきなり何を言い出す葉山静流!」


 急に名前を出されてびっくりしてる薫子さんが葉山に食ってかかってる。そんな薫子さんを躱しながら、


 「大家さん、オーナーさん、つまり持ち主は一体誰かって話なのよ」


 大きく頷いて、僕を見る雪華さん。


 そうか、そう言う事ね。


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