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第193話【異造子さん強襲! 僕、煽る?】

 黙って次の言葉を待つ。


 「わかった、ここにいる人間の何人かの部位を切り取って持ち帰る、それと交換だ」


 なるほど、わかりやすくて倒していい人だ。安心した。


 どんな攻撃手段を持ってるのかわからなかったから、ちょっと戦闘領域を広く取りたいとか考えていると、


 蒼さん達、散開して、そこにいる人達を誘導、まるで敵を一人孤立させる様にしてから、僕の背後に回って、


 「仮設本部は死守しますので、ご存分に戦ってください」


 と言って、本当にテントの周りを守る様に配置した。


 助かるなあ、蒼さん。


 こうなるって言うのは全部織り込み済みなんだよね。


 と言うか想定してた。いや想定以下かな。


 その為には角田さんや、藍さんとか外にいてもらってた。


 ちょっと警戒しててね、って言ったら角田さんは本当に警戒しかしなかったけど、来たのも一人だったから大した事なかったけど。


 僕はこの異造子(ダンジョンチルドレン)の人達ってもっと組織立って動いて来るんじゃないかって思ってたから、一人で乗り込んで来たのは意外な感じだった。


 本当にこの人たちのやり方をみてるとテロリストか何かかな、って思ってしまう、内部に潜入して組織を操ったり、襲って来るのは奇襲攻撃だったり。


 だから、今回ももし奇襲をかけるとしたら今しかないじゃん。この好機を逃すテロ的な人なんていないに等しいよ。来るなら絶対にここだって思ってた。


 お祭りだとか、大会たとかそう言うのが格好の標的になる。


 全部終わったね、って油断してる時が彼らの様な人種にとっては大きなチャンスなんだ。 


 そして同時に言えることは、こちら側にそんな攻勢を仕掛けて来るってことは、この異造子(ダンジョンチルドレン)の人たち、一人一人は強いかもだけど、大した戦力は無いって事、つまりはこっち、僕ら、ギルド、運営側に対して対抗できる程の戦力は無いって事なんだ。


 真希さんが言った通り、一つ一つを丁寧に潰して行こうって事で、これで、10人中、2人が桃井くんとサーヤさんの二人で、一人はギルドにいて、もう一人ここに現れたから、あれ?残り何人だ?


 「6人でしょ…、全員がダンジョンの中にいたらの話だけど」


 っていつの間にか僕の横にいた葉山が答えてくれた、算数もできないの? って顔するなよ、今はほら、新しく現れた異造子(ダンジョンチルドレン)の人が何して来るかわからないから、集中だよ、集中してたんだよ。


 だから、そんな疑いの目で見ないで、やめて、そんな残念な人を見る様な目は。


 「私行く?」


 多少呆れながらも葉山は言うんだけど、


 「いい、ちょっと僕、やりたい」


 って断ると、そのままスッと下がってくれた。


 前回は小雪さんと咲さんに持ってかれちゃったからね。今回こそはちょっと直接触れてみたい。


 ここでようやく一対一みたいな構図になって、僕はその異造子(ダンジョンチルドレン)の人を見て、結局というか見つめある形になる。


 武器らしいものは持ってないなあ。


 でも、これだけの人、僕の周りにいる人達の数に圧倒されている様子はないし、自分から出てきてる訳だから、それなりの勝算とかもあるから、それなりに警戒はしなくっちゃな。


 よし、気持ちも入ったから、


 「いいよ、かかっておいで」


 って言ってあげたら、


 「そう言う所がナチュラルに人を煽ってるんだよ」


 って葉山に言われた。


 いや、気を使ってるだけだし。


 ほら、異造子(ダンジョンチルドレン)の人も、咆哮あげながら元気に飛びかかってきたよ。


 じゃ、サクッと倒してしまおう。


 モンスターと人のいいとこ取りって言ったから間違って切ってしまっても死なないと思うけど、その辺に不安を残しつつ、僕は半歩前に出たんだ。 

 


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