表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
775/1335

第192話【返還要求、榴を返せ!】

 まあ、そっちはいいや、ともかく春夏さんの方。


 確かにそんな事を言ってた記憶ある、でもそれがどうもきちんとした思い出として形にはならなんだ。モヤっともしない。だからこれってそう不安定要素な失われた記憶じゃないんだけどなあ。


 大丈夫なんだって思える自分が不思議なんだけど、気分がね、強いて言うなら、引換券を持ってる気分かな? それはただの券でチケットで紙だけど、でも確実に自分の欲しいものが手に入るって約束されてる、とか、その代価として自分の手元にあるって感じかな?自分で言っててよくわからないけど、慌てたり、焦ったりする必要が無いって事だけはわかるんだ。


 「ごめんね、秋くん、私が貰ってしまったから、今はまだそんな形でしか思い出せないの」


 と春夏さんが言う。


 ああ、そうだったね、ならいいや。


 「でも、みんな秋くんのお嫁さんになりたいって、きっと秋くんが素敵だからだよ、私も嬉しい」


 いつもの春夏さんの笑顔の最上位種だよ。キラキラしてるよ。


 やめてよ、春夏さんまで。


 思わずちょっと恥ずかしくなって、うつむいてしまうと、春夏さんも恥ずかしかったのかな、僕からその視線を外していた。


 「秋様、人的な被害は無しです、武器、装備、建物、備品のみ、深刻です」


 って桃井くんが僕に報告してくれた。


 うん、いいよ、ってかそんな報告受けると僕がここの責任者みたいじゃない。


 今は治す方に専念だからね、僕、壊す事って得意だけど作り上げるのって得意じゃないから。世界蛇の復興は雪華さんとか葉山とかにダイレクトに結んでしまおうって、考えてる。


 そう思って、ふと思った、いいや、実際はもっと前から気がついていたのかもしれないことだ。


 僕と春夏さんの何気ない会話をしていると、特に二人きっりって状況。


 なんでかな? みんな何かを言いたげにはしてるけど、僕らの話を聞いているけど、会話に入っては来ないって言うか、誰も寄って来ない。


 そして今の状況では、何故か、春夏さんを見る度にサーヤさんが必ず会ずくんだ。


 きっと僕には知らない人間関係みたいな物があるんだろうって事でこの件については考えない様にする。


 で、そんな時に、外から爆音が響きわたった。


 ああ、よかった、ようやく僕の出番が来た。


 思ったより早かったなあ。


 続いて、ギルドの人か、世界蛇の人かわからないけど、悲鳴にも近い叫び声、内容は、


 「敵襲!!!!!!」


 直ぐに、葉山が、


 「出る?」


 って聞いて来るから、


 「いいよ、一人で行ける、それより同時に違う方向から来るかもだからそっち警戒しておいて」


 と言うと、さっきまでのプンスカなんて忘れた様に頷いて、僕のそばを離れる。


 で、薫子さんはギルドの人間を集めていた、「まだ出なくていいよ、待機してて」と告げて、雪華さんには「怪我人出てるといけないから、ここで待ってて」そして、蒼さん達はすでにここにはいなかった。対応早いなあ。


 と言うことは特に警戒もいらない筈なので、僕はのほほんとテントを出て、既に蒼さんと紺さん、藍さんも来てたんだね、その三人が取り囲む様にする敵らしき人を見た。


 既に何人か倒れてる、ひどい怪我とかではないみたいだけど、位置取りが悪いから確認できない。


 周りで作業してた人は大パニックで逃げ回ってる。


 叫び声と悲鳴が溢れる混乱する最中、強襲者は僕も見つけた。


 結構、大きいな、前の人は違って年齢も角田さんくらいかな? ノッポな身長、長い手足、スタイルいいね、男の人だけど、そのてっぺんにある頭、顔についてる目がじろりと周りを索敵するみたいない確認して僕を見て止まった。


 敵を僕と確認して、言う。


 「(ざくろ)を返せ!」


 多分、今ギルドで預かってる|異造子(ダンジョンチルドレン)《ダンジョンチルドレン》の人の名前だと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ